逢坂剛(作家)の書評

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逢坂剛 (作家)
1943年東京都生まれ。広告会社勤務のかたわら80年『暗殺者グラナダに死す』(オール読物推理小説新人賞)でデビュー。86年『カディスの赤い星』で直木賞、日本冒険小説協会大賞、日本推理作家協会賞を受賞。他に『百舌の叫ぶ夜』『暗殺者の森』など。フラメンコギター、将棋の愛好家。

銀座並木通り [著]池波正太郎

銀座並木通り [著]池波正太郎

■心に食い込む不思議なリズム  最後の文士(とあえていおう)池波正太郎は、すでに死して23年になろうとするが、今もなお広く江湖に読み継がれる、稀有(けう)の作家の一人である。  本書には、表題作を含む初期の現代劇が3本………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2013年03月17日
[ジャンル]文芸

沈黙の町で [著]奥田英朗

沈黙の町で [著]奥田英朗

■緊迫感に満ちた、いじめ真相解明  奥田英朗は、もともと引き出しの多い作家で、どれを読んでもおもしろく、失望することがない。 この作品は、一昨年から昨年にかけて、本紙に連載された新聞小説である。これを読むと、著者がきち………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2013年03月03日
[ジャンル]文芸

夫婦の散歩道 [著]津村節子

夫婦の散歩道 [著]津村節子

■胸に染みこむ淡々とした語り口  著者にはすでに、夫君吉村昭の凄絶(せいぜつ)な闘病生活と、それを支えた家族の痛切な記録、『紅梅』がある。これは、小説の形で書かれた作品だが、本書はエッセイのせいか、筆の運びはだいぶ落ち………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2013年02月17日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

百人一首で読み解く平安時代 [著]吉海直人

百人一首で読み解く平安時代 [著]吉海直人

■選ばれた理由の分析に説得力  百人一首といえば、とかく反射神経を競う早取り競技、という印象が強い。評者も学生時代、それにのめり込んだ口だが、歌そのものにも関心があって、研究書を読みあさったものだった。  本書は、歌の………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2013年02月10日
[ジャンル]歴史

国を蹴った男 [著]伊東潤

国を蹴った男 [著]伊東潤

■敗者に焦点、力強い歴史短編集  時代小説の中でも、ある程度読者を選ぶ戦国ものの分野に、果敢に挑戦するのが本書の著者、伊東潤だ。すでに一度、『城を噛(か)ませた男』で直木賞の候補にもなり、その筆力はつとに認められている………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2013年01月06日
[ジャンル]歴史

天皇の代理人 [著]赤城毅

天皇の代理人 [著]赤城毅

■現代史の事件 独自視点で再構築  著者は、ドイツを含む現代史の研究者で、専門の著作もある。そのキャリアを生かして、現代史にまつわる秘話を洗い出し、そこに独自の解釈を加えて構成したのが、この短編集である。  昭和の末ご………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年12月16日
[ジャンル]文芸

64 [著]横山秀夫

64 [著]横山秀夫

■記者と警察、せめぎ合う迫力  著者7年ぶりの長編は、期待を裏切らぬ渾身(こんしん)の力作だ。  D県警警務部の広報官、三上義信警視は元捜査二課に所属する、辣腕(らつわん)の刑事だった。それが、人事抗争の余波で刑事畑を………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年11月18日
[ジャンル]文芸

凸凹サバンナ [著]玖村まゆみ

凸凹サバンナ [著]玖村まゆみ

■法律事務所の下町人情ドラマ  玖村まゆみは、先般紹介した川瀬七緒とともに、昨年度江戸川乱歩賞を受賞したが、これはその受賞後第一作。  主人公の法律事務所長、田中貞夫が法律相談に訪れる人びとの抱える悩みを、一緒に考えな………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年11月11日
[ジャンル]文芸

微笑む人 [著]貫井徳郎

微笑む人 [著]貫井徳郎

■不可解な殺人動機と心の闇  エリート銀行員の仁藤俊実は、妻子を水難事故に見せかけて殺害した容疑で、逮捕される。仁藤は、最終的に容疑を認め、その動機を「本が増えて家が手狭になったから」と主張する。通常ではありえない動機………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年11月04日
[ジャンル]文芸

夜明け遠き街よ [著]高城高

夜明け遠き街よ [著]高城高

■バブルのススキノ、精細に描写  高城高は、1990年代半ばに死去した大藪春彦とともに、日本のハードボイルド小説の始祖、と認められている。  もっとも、大藪と違って高城は大学卒業後新聞社に就職し、十分な創作活動ができな………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年10月14日
[ジャンル]文芸

修羅の宴 [著]楡周平

修羅の宴 [著]楡周平

■人生と経済の盛衰を重ねる  これは、第一次オイルショックさなかの1974年から、バブル景気崩壊までの約20年間を疾走する、重厚長大な経済小説である。  いづみ銀行の取締役、滝本哲夫は業績の悪化した繊維商社、浪速物産の………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年09月23日
[ジャンル]文芸 経済

スパイにされた日本人 [著]エドナ・エグチ・リード

スパイにされた日本人 [著]エドナ・エグチ・リード

■愛憎と曲折、娘の視点でつづる  1920年代、ロンドンに留学中のタキこと、江口孝之は英国女性と結ばれ、娘エドナらの子供に恵まれる。  本書は、エドナによる父親タキの回想、という形式をとる。一家にとって、タキはよき父親………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年09月16日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝 国際

天使のゲーム〈上・下〉 [著]カルロス・ルイス・サフォン

天使のゲーム〈上・下〉 [著]カルロス・ルイス・サフォン

■現実と夢 めくるめく幻想世界  本書は、著者の前作『風の影』に次ぐ、〈忘れられた本の墓場〉シリーズの、2作目に当たる。舞台は、同じスペインのバルセロナだが、時代背景は1作目より15年以上前の、1920年代。1作目の『………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年09月09日
[ジャンル]文芸

147ヘルツの警鐘 法医昆虫学捜査官 [著]川瀬七緒

147ヘルツの警鐘 法医昆虫学捜査官 [著]川瀬七緒

■ウジのコカイン、犯人への路程  昨年度、江戸川乱歩賞を受賞した、2人の女性作家のうちの1人、川瀬七緒の受賞後初の長編。  物語は、放火事件による女の焼死体の、解剖場面から始まる。およそ、女性作家らしくない、不気味な巻………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年09月02日
[ジャンル]文芸

惜櫟荘だより [著]佐伯泰英

惜櫟荘だより [著]佐伯泰英

■修復への好奇心、細部も活写  著者は、雌伏の時期が長かったが、今や華ばなしく雄飛した。本が売れないこの時代に、同世代の作家としてまことに喜ばしいことである。  文庫書き下ろしに徹する著者は、みずからが置かれた今の状況………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年08月12日
[ジャンル]人文

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