横尾忠則(美術家)の書評

写真:横尾忠則さん

横尾忠則 (美術家)
よこお・ただのり。1936年兵庫県生まれ。60年代からグラフィックデザイナーとして活躍、80年に画家に転向。画集に『赤の魔笛』『横尾忠則Y字路』『人工庭園』、随想や絵画論に『インドへ』『名画感応術』、対談集に『芸術ウソつかない』、小説に『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)など。

田舎暮らしと哲学 [著]木原武一

田舎暮らしと哲学 [著]木原武一

■野良仕事と工作の日々に学ぶ  田舎で子供を育てたいという想(おも)いから千葉の外房に家を建てて一家3人が移住した。雨水でご飯を炊くような水の不自由な土地で過酷な自然を相手に一歩も引かずに来れたのは楽天一家の希望があっ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年12月03日
[ジャンル]社会

ゴッホの耳―天才画家 最大の謎 [著]バーナデット・マーフィー

ゴッホの耳―天才画家 最大の謎 [著]バーナデット・マーフィー

■素人探偵の異常な骨折り損?  時間を持て余しているひとりの退屈な暇人が、たまたまゴッホが住んでいたアルルに近い土地の住人であるという理由だけで、ゴッホの絵をあまり見たことも関心もないというのに、あの有名なゴッホの耳切………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年11月19日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

高倉健―七つの顔を隠し続けた男 [著]森功

高倉健―七つの顔を隠し続けた男 [著]森功

■虚像と実像が刺し違える危うさ  「健さん」の愛称で親しまれた高倉健が逝って3回目の命日(11月10日)が5日後にやってくる。  1960年代の東映任侠(にんきょう)映画の「日本侠客伝」第一作から遺作「あなたへ」までの………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年11月05日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

ゴースト [著]中島京子

ゴースト [著]中島京子

■今もひっそり、「そこ」にいる  文豪の怪談小説は別として現代小説のこの手の本は初めてです。怪談の醍醐味(だいごみ)はジトッと濡(ぬ)れてジワーッと足音もなくひたひたと近づくあの見えない恐怖です。死者が生きていることの………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年10月29日
[ジャンル]文芸

都市と野生の思考 [著]鷲田清一、山極寿一

都市と野生の思考 [著]鷲田清一、山極寿一

■「おもろい」二人のデスマッチ  中学時代のアイドル●(●はハート)江戸川乱歩『怪人二十面相』と南洋一郎『密林の王者』が現在のワシを作った。都心の焼け跡に建つお屋敷の地下室とアフリカの密林の奥の洞窟はワシの中で都市と野………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年10月15日
[ジャンル]社会

コンプレックス文化論 [著]武田砂鉄

コンプレックス文化論 [著]武田砂鉄

■運命とみるか?けっとばすか?  コンプレックスはコレステロールみたいになくても困る、多くても困る程度のまあ生活必需品だと思えばいいのです。皆、コンプレックスを抱えて社会の土石流の中を渡ってきて、気がついたら向こう岸に………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年09月24日
[ジャンル]社会

裕次郎 [著]本村凌二

裕次郎 [著]本村凌二

■ヒーローと出会った。時代も僕も  ♪俺(おい)らはドラマー やくざなドラマー 俺らが叩(たた)けば 嵐を呼ぶぜ——♪  裕次郎ともろ同世代の僕は彼の歌は全部歌える。慎太郎刈りとボートネックにヨットシューズ。しかめっ面………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年09月10日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

宿題の絵日記帳 [著]今井信吾

宿題の絵日記帳 [著]今井信吾

■娘が獲得していく言葉は宝物  生まれつき耳の障害のある子供の2歳から6歳までの4年間、聾(ろう)話学校で子供と先生が会話をするための補助として、父親が描きつづけた子供の生活絵日記が本書。  主人公は麗(うらら)ちゃん………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年08月27日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

死後の世界―東アジア宗教の回廊をゆく [著]立川武蔵

死後の世界―東アジア宗教の回廊をゆく [著]立川武蔵

■私はどうなる? 知りたくて  死者を身近に感じながらの生活や創作は僕にとっては必須条件です。ここが自分の終(つい)の棲家(すみか)と信じたわけではないが自分の墓を建てました。墓は死を想う(メメントモリ)装置としては名………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年08月13日
[ジャンル]歴史 人文

ある日の彫刻家―それぞれの時 [著]酒井忠康

ある日の彫刻家―それぞれの時 [著]酒井忠康

■思索へ、胸ときめく言葉と物語  芸術家は朝、目覚めと同時に「さて、今日は何をつくろう?」と思案するが、職人は昨日も今日も明日も作るものが決まっている。佐藤忠良は「同じ作品をつくる」職人を自認するが、彼はそれを警戒して………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年07月23日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

アンディ・ウォーホルのヘビのおはなし [著]アンディ・ウォーホル

アンディ・ウォーホルのヘビのおはなし [著]アンディ・ウォーホル

■アートってなんだと思う?  ボクはアンディ・ウォーホル。芸術家になるために前歴のイラストレーターを闇に葬って、見事芸術家になりすまして大成功した。ところが芸術家としての名声を手に、評価が決定的になった頃、かつての隠蔽………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年06月18日
[ジャンル]文芸 アート・ファッション・芸能

世界の果てのありえない場所-本当に行ける幻想エリアマップ [著]T・エルボラフ、A・ホースフィールド

世界の果てのありえない場所-本当に行ける幻想エリアマップ [著]T・エルボラフ、A・ホースフィールド

■足がすくむ?究極の旅行案内  今日では地球を周回する人工衛星の微視的な視線による盗撮から逃げることもできないほど何処(どこ)も彼処(かしこ)も暴かれて、地球は驚くほど縮小されています。ジュール・ヴェルヌの「驚異の旅」………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年06月11日
[ジャンル]人文

リアル(写実)のゆくえ―高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの [企画・監修]土方明司、江尻潔

リアル(写実)のゆくえ―高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの [企画・監修]土方明司、江尻潔

■ねちっこさの根底に日本風土が  日本画に対して洋画という西洋風の手法による絵画ジャンルがある。本書には洋画の写実表現によるリアリズムの系譜の画家、「物狂い」と呼ばれた高橋由一を始め、岸田劉生から現代に至る52人の写実………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年05月28日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

巴水の日本憧憬 [画]川瀬巴水 [文]林望

巴水の日本憧憬 [画]川瀬巴水 [文]林望

■暗い旅情を誘う夜景に魅せられ  夜の帳(とばり)が下りる頃の巴水(はすい)のザワザワさせる夜景に魅せられてきた。黒澤明の時代劇のオープンセットの宿場町、からっ風の代わりに雨、雨上がりの空に月、川面に映る家の灯(あか)………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年05月14日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

ルネ・マグリット-国家を背負わされた画家 [著]利根川由奈

ルネ・マグリット-国家を背負わされた画家 [著]利根川由奈

■“象徴”は、民族性を嫌悪した  パイプの絵を描いて「これはパイプではない」と言うマグリットはベルギー人だが、作風からはベルギーの民族性は全く感じられない。同国のボスの絵は民族的幻想的だがマグリットは「私は現実の世界に………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年04月30日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

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