後藤正治(ノンフィクション作家)の書評

写真:後藤正治さん

後藤正治 (ノンフィクション作家)
1946年京都府生まれ。神戸夙川学院大学学長、教授。著書に『空白の軌跡―心臓移植に賭けた男たち』(潮ノンフィクション賞)『遠いリング』(講談社ノンフィクション賞)『リターンマッチ』(大宅賞)『清冽―詩人茨木のり子の肖像』(桑原武夫学芸賞)など。

児玉誉士夫 巨魁の昭和史 [著]有馬哲夫

児玉誉士夫 巨魁の昭和史 [著]有馬哲夫

■米国公文書から足跡を探る  右翼、黒幕、政商……児玉誉士夫に載せられてきた形容である。ロッキード事件の被告となり、CIAとのかかわりも明るみに出たが、いまも実像は霧の中にあり続けている。本書は主に、アメリカの各情報機………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年03月31日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

キャパの十字架 [著]沢木耕太郎

キャパの十字架 [著]沢木耕太郎

■「贋」背負い「真」へ、1枚の写真への旅  第二次世界大戦前夜に戦われたスペイン内戦。共和国軍(人民戦線)は反乱軍(ファシズム陣営)に敗れ去るが、多くの人々が身を投じるに価(あたい)すると信じえた最後の戦争として、いま………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年03月17日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

写真家 井上青龍の時代 [著]太田順一

写真家 井上青龍の時代 [著]太田順一

■ドヤ街に住み、撮影した無頼派  大阪・釜ケ崎は日本有数のドヤ街として知られる。昭和30年代、幾度か暴動も起きた。当地の写真を撮ったことで名を馳(は)せた井上青龍の評伝である。周辺の人々への丁寧な取材と相まって、社会派………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年02月17日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

梅棹忠夫―「知の探検家」の思想と生涯 [著]山本紀夫

梅棹忠夫―「知の探検家」の思想と生涯 [著]山本紀夫

■「最後の弟子」が追う仕事と生涯  かつて梅棹忠夫氏の『文明の生態史観』や『知的生産の技術』を熟読した一人である。前著の、西欧と日本を「第一地域」として括(くく)る押さえ方にはかすかな違和を覚えつつ、ともに知的な刺激に………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年02月03日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

フランクル『夜と霧』への旅 [著]河原理子

フランクル『夜と霧』への旅 [著]河原理子

■豊かな時代にも「人生の意味」求め  いわゆる“この一冊″に、ヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』(原題は「一心理学者の強制収容所体験」)をあげる人は少なくない。アウシュビッツなど四つの収容所をくぐり抜けて生還はし………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年01月27日
[ジャンル]文芸

田中角栄―戦後日本の悲しき自画像 [著]早野透

田中角栄―戦後日本の悲しき自画像 [著]早野透

■「戦後」を映し出した政治家  田中角栄が世を去って20年がたつ。総理番、派閥番、地元の新潟支局勤務などを通してこの政治家に至近距離で接してきた元政治記者による評伝である。描いてきた角栄像に、よりくっきりと輪郭を与えて………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年01月06日
[ジャンル]政治

東電OL事件―DNAが暴いた闇 [著]読売新聞社会部

東電OL事件―DNAが暴いた闇 [著]読売新聞社会部

■誤りを正し、事実を求めて歩く  東電OLを殺害したとして無期懲役に服していたネパール人のゴビンダ氏が、先頃、DNA鑑定という新証拠を得て再審無罪となった。本書は、先行して報道を続けた読売新聞取材班の足跡をまとめたドキ………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2012年12月09日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

愛と魂の美術館 [著]立川昭二

愛と魂の美術館 [著]立川昭二

■画と文に触発され思索の旅へ  絵と美術をめぐるエッセー集である。作品は、フラ・アンジェリコ「受胎告知」、シャガール「セーヌの橋」、中宮寺「半跏思惟(はんかしい)像」、上村松園「焔(ほのお)」……など54点、古今東西に………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2012年11月18日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

無罪 [著]スコット・トゥロー

無罪 [著]スコット・トゥロー

■ほろ苦い連帯感にじむ法廷小説  アメリカの法廷ミステリーのファンである。謎解きの妙もさることながら、アメリカの、ひいては現代社会の「いま」をひしひしと伝えてくれるジャンルであるからだ。スコット・トゥローの『推定無罪』………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2012年11月04日
[ジャンル]文芸

正岡子規 [著]ドナルド・キーン

正岡子規 [著]ドナルド・キーン

■詩歌変革した生涯、丁寧に探索  明治が生んだ最大の詩人、正岡子規を描く評伝である。生涯と作品を丁寧に探索していく。筆致は抑制的であるが、考察の跡が選び抜かれた言葉にうかがえ、子規の全体像がよく伝わってくる。  「写生………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2012年10月07日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ドキュメント 東京大空襲 [著]NHKスペシャル取材班/東京大空襲 未公開写真は語る [著]NHKスペシャル取材班、山辺昌彦 

ドキュメント 東京大空襲 [著]NHKスペシャル取材班/東京大空襲 未公開写真は語る [著]NHKスペシャル取材班、山辺昌彦 

■生々しい被災状況、深み帯びる「記録」  いまも厚いベールに覆われた戦時中の出来事がある。東京大空襲はそのひとつ。死者の正確な数も不明のままだ。理由のひとつに、被災状況を伝える写真がほとんど残されていないことがある。過………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2012年09月16日
[ジャンル]歴史 人文 ノンフィクション・評伝

映像に見る地方の時代 [著]村木良彦

映像に見る地方の時代 [著]村木良彦

■〈現在〉を超えんとする仕事  拙宅の本棚に『お前はただの現在にすぎない』という本がある。副題は「テレビになにが可能か」。刊行は1969年。この後まもなく、3人の書き手はTBSを退社し、テレビマンユニオンを立ち上げる。………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2012年09月02日
[ジャンル]人文 社会

作家魂に触れた [著]高橋一清

作家魂に触れた [著]高橋一清

■コアを持つ「文士」の精神愛した  一清(いっせい)さんと呼ばれていた著者は、「文学界」「別冊文芸春秋」「オール読物」など、編集者生活のほとんどを文芸誌で過ごした編集者である。水上勉、大庭みな子、立松和平……など担当し………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2012年08月19日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

スウィング・ジャパン―日系米軍兵ジミー・アラキと占領の記憶 [著]秋尾沙戸子

スウィング・ジャパン―日系米軍兵ジミー・アラキと占領の記憶 [著]秋尾沙戸子

■ジャズと日本文学、才磨いた人生追う  太平洋戦争の勃発によって、在米日系人は「敵性国人」となり、強制収容所(キャンプ)へ隔離された。その数11万余人。多くは米国で生まれた2世たちで、17歳のジミー・アラキもその一人で………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2012年08月12日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

「東京電力」研究―排除の系譜 [著]斎藤貴男

「東京電力」研究―排除の系譜 [著]斎藤貴男

■体質や構造から浮かぶ〈日本〉  大事故が起きれば、優良企業は一転、欠陥企業となり、「社長」「会長」の座にあるものは社会の糾弾を浴びる。社長・会長が予見しうる過失を見逃す無能者であり、悪意をもった背徳者であるなら話は簡………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2012年07月22日
[ジャンル]経済

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