広井良典(千葉大学教授)の書評

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広井良典 (千葉大学教授)
1961年岡山県生まれ。千葉大学教授。専門は公共政策・科学哲学。著書に『アメリカの医療政策と日本』『日本の社会保障』(日本エコノミスト賞)『グローバル定常型社会』『コミュニティを問いなおす―つながり・都市・日本社会の未来』(大佛次郎論壇賞)など。

代替医療のトリック [著]サイモン・シン、エツァート・エルンスト

代替医療のトリック [著]サイモン・シン、エツァート・エルンスト

■「病気の治療とは」、議論の契機に  現在の医療に関する様々な課題が指摘される中で、中国医学など非西洋的な医療や代替医療と呼ばれるものへの人々の関心が高まっている。本書は、科学ジャーナリストとしてよく知られた著者らが、………[もっと読む]

[評者]広井良典(千葉大学教授)
[掲載]2010年03月21日
[ジャンル]科学・生物 医学・福祉

日本の新たな「第三の道」―市場主義改革と福祉改革の同時推進 [著]アンソニー・ギデンズ、渡辺聰子

日本の新たな「第三の道」―市場主義改革と福祉改革の同時推進 [著]アンソニー・ギデンズ、渡辺聰子

■平等と効率、両立する社会を構想  政権交代が現実のものとなり、民主党を中心とする現政権が子ども手当や高速道路無料化等といった政策に着手している。けれどもそうした個別の政策を統合する理念や、それによって実現しようとする………[もっと読む]

[評者]広井良典(千葉大学教授)
[掲載]2010年02月14日
[ジャンル]政治 経済

地球の洞察―多文化時代の環境哲学 [著]J・ベアード・キャリコット/環境思想とは何か [著]松野弘

地球の洞察―多文化時代の環境哲学 [著]J・ベアード・キャリコット/環境思想とは何か [著]松野弘

■実践へ向けた議論に多くの示唆  読書というものがもたらす歓(よろこ)びの一つが、時空を超えた“旅”ともいうべき充足の経験だとしたら、『地球の洞察』はまさにそれに該当するものだった。  環境問題が新たな局面を迎えつつあ………[もっと読む]

[評者]広井良典(千葉大学教授)
[掲載]2010年01月24日
[ジャンル]科学・生物 社会 新書

ゼロから考える経済学―未来のために考えておきたいこと [著]リーアン・アイスラー

ゼロから考える経済学―未来のために考えておきたいこと [著]リーアン・アイスラー

■「ケア経済」中心の社会の枠組み  本書は、「思いやりの経済学(ケアリング・エコノミクス)」という新たな枠組みを提案し、それを通じて「真の富」が実現されるような社会のありようを構想するものである。  現在の主流的な経済………[もっと読む]

[評者]広井良典(千葉大学教授)
[掲載]2010年01月10日
[ジャンル]経済 社会

貧困の救いかた-貧しさと救済をめぐる世界史 [著]スティーヴン・M・ボードイン

貧困の救いかた-貧しさと救済をめぐる世界史 [著]スティーヴン・M・ボードイン

■原因と構造を掘り下げる試み  貧困や格差に関しては、既に多くの議論や研究がなされている。そうした現状を明らかにし、改善のための政策を提案し実行していくことは今後ますます重要となるが、同時に、そもそも人間の歴史において………[もっと読む]

[評者]広井良典(千葉大学教授)
[掲載]2009年11月29日
[ジャンル]経済 社会

神と仏の出逢う国 [著]鎌田東二 

神と仏の出逢う国 [著]鎌田東二 

■生命界の問題解決に必要な視点  「神道ソングライター」としても知られ、霊性、宗教、聖地などについて数多くの書物を公にしてきた著者による、新たな神仏習合論である。  話は法螺貝(ほらがい)から始まる。法螺貝は聖なる楽器………[もっと読む]

[評者]広井良典(千葉大学教授)
[掲載]2009年11月08日
[ジャンル]人文

道路整備事業の大罪-道路は地方を救えない [著]服部圭郎

道路整備事業の大罪-道路は地方を救えない [著]服部圭郎

■道路をつくると地方は衰える  アメリカには計3年暮らしたが、街が完全に自動車中心にできていて、その「豊かさ」のイメージとは正反対に中心部は荒廃し実に味気なかった。ヨーロッパの街は概して全く対照的で、歩いて楽しめるエリ………[もっと読む]

[評者]広井良典(千葉大学教授)
[掲載]2009年10月18日
[ジャンル]政治 社会 新書

公平・無料・国営を貫く英国の医療改革 [著]武内和久、竹之下泰志/医療戦略の本質―価値を向上させる競争 [著]M・E・ポーター、E・O・テイスバーグ

公平・無料・国営を貫く英国の医療改革 [著]武内和久、竹之下泰志/医療戦略の本質―価値を向上させる競争 [著]M・E・ポーター、E・O・テイスバーグ

■英米の医療改革が示す展望とは  オバマ大統領が先般、政権の最大の試金石である医療改革についての議会演説を行ったことは記憶に新しい。少し前にはマイケル・ムーア監督の映画『シッコ』が米国医療の惨状を生々しく描いていたが、………[もっと読む]

[評者]広井良典(千葉大学教授)
[掲載]2009年09月27日
[ジャンル]医学・福祉 新書

おいしいコーヒーの経済論 「キリマンジャロ」の苦い現実 [著]辻村英之

おいしいコーヒーの経済論 「キリマンジャロ」の苦い現実 [著]辻村英之

■香味の奥にある「苦い現実」  「苦い現実を知ってしまうと、コーヒーの味が台無しになるかもしれない。『禁断の実』を食べてみますか」。このように述べながら著者は議論を始める。コーヒーの香味は一般的に七割が生豆の生産・流通………[もっと読む]

[評者]広井良典(千葉大学教授)
[掲載]2009年09月06日
[ジャンル]経済 国際

幸せを科学する 心理学からわかったこと [著]大石繁宏

幸せを科学する 心理学からわかったこと [著]大石繁宏

■研究が明かす幸福へのヒント    誰でも「幸せ」になりたいと思っている。では「幸せ」とは一体何だろうか。  人類始まって以来のこうした問いについて論じたり、それに表現を与えてきたのは哲学者や宗教家、あるいは小説家など………[もっと読む]

[評者]広井良典(千葉大学教授)
[掲載]2009年08月02日
[ジャンル]人文

つながる脳 [著]藤井直敬

つながる脳 [著]藤井直敬

■他者との関係性が幸せをもたらす  本書は「社会脳(ソーシャル・ブレイン)」、つまり人間のように他者との「関係性」が決定的な意味をもつ存在を、脳研究を通じて明らかにする探究についての印象深い書物だ。「『つながる』という………[もっと読む]

[評者]広井良典(千葉大学教授)
[掲載]2009年07月19日
[ジャンル]医学・福祉

格差社会の衝撃―不健康な格差社会を健康にする法 [著]リチャード・G・ウィルキンソン

格差社会の衝撃―不健康な格差社会を健康にする法 [著]リチャード・G・ウィルキンソン

■なぜこんなに豊かで惨めなのか  生物進化の中で登場した人間という生き物と、その社会のありようの総体を、一貫した視座の下でとらえたいという欲求は大なり小なり誰もが抱くものだろう。本書は、まさにそうした根源的なテーマに応………[もっと読む]

[評者]広井良典(千葉大学教授)
[掲載]2009年06月21日
[ジャンル]社会

住宅政策のどこが問題か―「持家社会」の次を展望する [著]平山洋介

住宅政策のどこが問題か―「持家社会」の次を展望する [著]平山洋介

■住まいのあるべき方向を提案  先の「派遣村」や非正規雇用者の解雇などの動きの中で大きく浮かび上がったのが「住宅」の保障をめぐる課題であったことは記憶に新しい。さらに、その背景をなす昨年来の金融危機そのものの引き金とな………[もっと読む]

[評者]広井良典(千葉大学教授)
[掲載]2009年05月24日
[ジャンル]社会 新書

ベーシック・インカム入門―無条件給付の基本所得を考える [著]山森亮

ベーシック・インカム入門―無条件給付の基本所得を考える [著]山森亮

■夢物語でない無条件の所得給付  「ベーシック・インカム」とは、一定の基礎的所得をすべての人に無条件で給付する制度のことである。そのように記すと半ば夢物語のようにも響くが、日本でも近年、給付型税額控除、つまり収入が一定………[もっと読む]

[評者]広井良典(千葉大学教授)
[掲載]2009年04月26日
[ジャンル]経済 社会 新書

越境の古代史―倭と日本をめぐるアジアンネットワーク [著]田中史生

越境の古代史―倭と日本をめぐるアジアンネットワーク [著]田中史生

■ネットワークの驚くべき多様さ  司馬遼太郎が韓国に滞在して書いた『韓(から)のくに紀行』に私は以前強い印象を受けたが、その中に次のような一節がある。「まだ日本が、日本という国名さえなかったころ、『おまえ、どこからきた………[もっと読む]

[評者]広井良典(千葉大学教授)
[掲載]2009年04月12日
[ジャンル]歴史 新書 国際

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