耳塚寛明(お茶の水女子大副学長・教育社会学)の書評

写真:耳塚寛明さん

耳塚寛明 (お茶の水女子大副学長・教育社会学)
1953年長野県生まれ。お茶の水女子大学副学長。専門は教育社会学。共著に『多様化と個性化の潮流をさぐる―高校教育改革の比較教育社会学』『変わる若者と職業世界―卜ランジッションの社会学』『学力と卜ランジッションの危機―閉ざされた大人への道』など。

教育の職業的意義―若者、学校、社会をつなぐ [著]本田由紀

教育の職業的意義―若者、学校、社会をつなぐ [著]本田由紀

■働く者が身につけるべき知識とは  1980年代までの日本の教育は、学校から仕事への円滑な移行を可能としている点で、諸外国から評価されてきた。ところが2009年、経済協力開発機構は、日本教育の美徳が揺らぎ、数々の問題が………[もっと読む]

[評者]耳塚寛明(お茶の水女子大副学長・教育社会学)
[掲載]2010年02月28日
[ジャンル]教育 社会 新書

若者と社会変容―リスク社会を生きる [著]アンディ・ファーロング、フレッド・カートメル

若者と社会変容―リスク社会を生きる [著]アンディ・ファーロング、フレッド・カートメル

■個人化した危機が不平等を隠す  日本では1990年代以降、子どもから大人への、そして学校から職業世界への移行のあり方が激しく変化した。ニートやフリーターが生まれた。移行の長期化は親への依存をも長期化し、家族形成や大人………[もっと読む]

[評者]耳塚寛明(お茶の水女子大副学長・教育社会学)
[掲載]2010年02月07日
[ジャンル]社会

予習という病 [著]高木幹夫、日能研

予習という病 [著]高木幹夫、日能研

■未知へ対応できる未来型学力を  【予習病】すでに定められたカリキュラムに固執し、未知の事柄をまだ教わっていないがゆえに否定する精神の傾向。本書は、この定義で始まり次の定義で終わる。【未知への準備】予測できないものに出………[もっと読む]

[評者]耳塚寛明(お茶の水女子大副学長・教育社会学)
[掲載]2010年01月31日
[ジャンル]教育 社会

「格差」の戦後史-階級社会 日本の履歴書 [著]橋本健二

「格差」の戦後史-階級社会 日本の履歴書 [著]橋本健二

■背後に階級構造という社会の骨格  ずしんと重いテーマを軽やかな文体で書ききった格差問題に関する今年一番の収穫である。  階級の社会科学的研究にとって、教育機会の不平等や階級所属の親から子への“相続”は古典的テーマにほ………[もっと読む]

[評者]耳塚寛明(お茶の水女子大副学長・教育社会学)
[掲載]2009年12月20日
[ジャンル]歴史 経済 社会

職業としての大学教授 [著]潮木守一 

職業としての大学教授 [著]潮木守一 

■見通しのない悪平等制度に警鐘  博士への道程や大学教授の威信と重みは、国によって大きく異なる。本書は、米英仏独の四カ国を比較の鏡として、日本の大学教授職の特異性と問題点を提示している。  欧州の大学教員の人口構造は限………[もっと読む]

[評者]耳塚寛明(お茶の水女子大副学長・教育社会学)
[掲載]2009年12月06日
[ジャンル]教育 人文

死刑でいいです-孤立が生んだ二つの殺人 [編著]池谷孝司・[著]真下周

死刑でいいです-孤立が生んだ二つの殺人 [編著]池谷孝司・[著]真下周

■その一言は「本音」だったのか  山地悠紀夫。2000年に16歳で自分の母親を殺害。少年院を出た後、面識のない27歳と19歳の2人の姉妹を2005年に刺殺。取り調べや公判で「死刑でいい」と語った。判決から2年半後の20………[もっと読む]

[評者]耳塚寛明(お茶の水女子大副学長・教育社会学)
[掲載]2009年11月29日
[ジャンル]政治 社会 ノンフィクション・評伝

青少年・若者の自立支援-ユースワークによる学校・地域の再生 [編]柴野昌山

青少年・若者の自立支援-ユースワークによる学校・地域の再生 [編]柴野昌山

■いかにして大人になるか  いま、自立して大人になることはとても難しい。昔は一人前というゴールがはっきりしていたし、そこに至るまでに参加する年齢集団(たとえば若者組)や通過儀礼が明確な境目をもって存在していたからである………[もっと読む]

[評者]耳塚寛明(お茶の水女子大副学長・教育社会学)
[掲載]2009年11月08日
[ジャンル]教育 人文 社会

格差・秩序不安と教育 [著]広田照幸 

格差・秩序不安と教育 [著]広田照幸 

■未来を構想できる市民の育成を  1990年代以降、教育政策が迷走を繰り返して日本的教育システムが崩れたことに多くの人々は気づいている。けれども、変化の断片をつなぎあわせて変化の底流を明快に描いた著作は少ない。20編以………[もっと読む]

[評者]耳塚寛明(お茶の水女子大副学長・教育社会学)
[掲載]2009年10月11日
[ジャンル]教育 人文 社会

メディアリテラシーとジェンダー 構成された情報とつくられる性のイメージ [著]諸橋泰樹 

メディアリテラシーとジェンダー 構成された情報とつくられる性のイメージ [著]諸橋泰樹 

■「らしさ」を批判的に読み解く  テレビの気象予報。ピンクのワンピースを着た女性アナウンサーが斜めにコンパニオン立ちして「今日はお洗濯日和ですね」と言う。ブルーのブレザーを着た男性気象予報士が「発達した雨雲が……」と解………[もっと読む]

[評者]耳塚寛明(お茶の水女子大副学長・教育社会学)
[掲載]2009年09月06日
[ジャンル]人文 社会

大学の誕生 上・下 [著]天野郁夫

大学の誕生 上・下 [著]天野郁夫

■創成期のドラマ、大河小説の趣  明治10(1877)年、わが国ではじめて「大学」の名称を冠された東京大学が設立され、同19年に帝国大学へと移行する。そして大正7(1918)年、大学令が公布され、帝国大学以外の官公私立………[もっと読む]

[評者]耳塚寛明(お茶の水女子大副学長・教育社会学)
[掲載]2009年08月23日
[ジャンル]歴史 教育 新書

ハーバードビジネススクール―不幸な人間の製造工場 [著]フィリップ・デルヴス・ブロートン

ハーバードビジネススクール―不幸な人間の製造工場 [著]フィリップ・デルヴス・ブロートン

■世界を牛耳るエリートの実像  ハーバードビジネススクール(HBS)。その卒業生名簿には金融界、企業や政界の著名人が名を連ねる。この本は、英国人著者による、HBSへの懐疑に満ちた体験記である。  野心がブーンと音を立て………[もっと読む]

[評者]耳塚寛明(お茶の水女子大副学長・教育社会学)
[掲載]2009年07月19日
[ジャンル]教育 経済 人文

教育基本法改正論争史―改正で教育はどうなる [著]市川昭午

教育基本法改正論争史―改正で教育はどうなる [著]市川昭午

■論を尽くした主張が胸を打つ  教育基本法とは、わが国の教育の基本理念と原則を定めた重要な法律である。その教育基本法が、2006年12月に制定後60年を経て初めて改正された。  改正を巡って幾多の謎が渦巻く。教育基本法………[もっと読む]

[評者]耳塚寛明(お茶の水女子大副学長・教育社会学)
[掲載]2009年06月28日
[ジャンル]歴史 教育 社会

フィンランドは教師の育て方がすごい [著]福田誠治

フィンランドは教師の育て方がすごい [著]福田誠治

■成功の秘訣を踏み込んで観察  国際学力比較調査で、世界トップクラスの成績を維持するフィンランド。その成功の秘訣(ひけつ)を求めて出版された本は、05年以降50冊を超える。多分に主観的なルポや「私のフィンランド教育礼賛………[もっと読む]

[評者]耳塚寛明(お茶の水女子大副学長・教育社会学)
[掲載]2009年06月07日
[ジャンル]教育

学歴分断社会 [著]吉川徹

学歴分断社会 [著]吉川徹

■大卒と非大卒に二分する境界線  「格差社会」は現代日本を語るキーワードとなったけれども、格差とはなにか、それはどんな仕組みで生まれたのかが明確にされることはめったにない。本書は格差論バブルの陥穽(かんせい)を突き、大………[もっと読む]

[評者]耳塚寛明(お茶の水女子大副学長・教育社会学)
[掲載]2009年05月10日
[ジャンル]社会 新書

学歴格差の経済学 [著]橘木俊詔、松浦司

学歴格差の経済学 [著]橘木俊詔、松浦司

■データが物語る教育格差の拡大  1970年代中葉から教育研究の領域に参入をはじめた経済学者たちは、教育を受けることがどれだけの収益を生むかを測定して、「学歴社会虚像論」を主張した。その中心的論者の一人小池和男氏は「日………[もっと読む]

[評者]耳塚寛明(お茶の水女子大副学長・教育社会学)
[掲載]2009年04月26日
[ジャンル]教育 経済 社会

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