酒井順子(エッセイスト)の書評

写真:酒井順子さん

酒井順子 (エッセイスト)
1966年東京都生まれ。エッセイスト。広告代理店を経てフリーライター。鉄道ファン。著書に『負け犬の遠吠え』(講談社エッセイ賞)『マーガレット酒井の女子高生の面接時間』『結婚疲労宴』『こんなの、はじめて?』『女流阿房列車』など。

田辺聖子の古典まんだら 上・下 [著]田辺聖子 

田辺聖子の古典まんだら 上・下 [著]田辺聖子 

■過去という味方がいる豊かさ  苦難に出会った時、私たちは先輩の声を欲します。かつて同じことを経験したことがある人の意見を聞けば、安心すると同時に道が開けるのではないかと思うから。  「勉強しなくてはならないもの」だっ………[もっと読む]

[評者]酒井順子(エッセイスト)
[掲載]2011年03月27日
[ジャンル]文芸

銅像受難の近代 [著]平瀬礼太 

銅像受難の近代 [著]平瀬礼太 

■時代に揺れ動いた偉人像たちの運命  食べ物であれ建物であれ、何か一つの物だけを訪ねる旅をすると、その土地のことが思いのほか深く見えてくることがあります。同じように、一つの事物について徹底して探ることによってもっと大き………[もっと読む]

[評者]酒井順子(エッセイスト)
[掲載]2011年02月27日
[ジャンル]歴史

そうはいかない [著]佐野洋子

そうはいかない [著]佐野洋子

■弱くて強い人間、いとおしむ  佐野洋子さんの文章を読んでいるといつも、ページの奥から「人間」という文字が、じわじわと浮かび上がってくるように思うのです。「人間」の後に「だもの」はつかない。単なる「人間」。  この本に………[もっと読む]

[評者]酒井順子(エッセイスト)
[掲載]2011年01月30日
[ジャンル]文芸

無縁社会―“無縁死”三万二千人の衝撃 [編著]NHK「無縁社会プロジェクト」取材班

無縁社会―“無縁死”三万二千人の衝撃 [編著]NHK「無縁社会プロジェクト」取材班

■細る家族縁、新しい「縁」の模索も    流行語ともなった、無縁社会、そして無縁死。無縁問題を取り上げたNHKスペシャルを見て「他人事(ひとごと)ではない」という不安を募らせた人は多く、もちろん私もその一人です。  本………[もっと読む]

[評者]酒井順子(エッセイスト)
[掲載]2010年12月12日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

おいしい中国―「酸甜苦辣」の大陸 [著]楊逸 

おいしい中国―「酸甜苦辣」の大陸 [著]楊逸 

■質素ながらも楽しい食生活を回想  中華料理について書かれた本は、意外とたくさんあります。お隣の国の料理が私たちは大好きなのであり、それらの本にはきまって、中華料理の奥深さと豊かさとが紹介されている。  しかし中国に生………[もっと読む]

[評者]酒井順子(エッセイスト)
[掲載]2010年11月14日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

国鉄スワローズ1950—1964 400勝投手と愛すべき万年Bクラス球団 [著]堤哲

国鉄スワローズ1950—1964 400勝投手と愛すべき万年Bクラス球団 [著]堤哲

■弱かったけどいい球団だったのよ  故・宮脇俊三氏に、かつて野球の贔屓(ひいき)チームを聞いた時、「スワローズですよ」とおっしゃっていました。そして、「ほらだって、国鉄の……」と。その時に私は、かつて「国鉄スワローズ」………[もっと読む]

[評者]酒井順子(エッセイスト)
[掲載]2010年10月10日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 新書

一〇〇年前の女の子 船曳由美著 

一〇〇年前の女の子 船曳由美著 

■当時の風俗と人々の気持ち伝える  「お母さんも、かつて少女だった」という事実に、娘は大人になってから気付くものです。母親はずっと昔から「お母さん」であったと子供時代は思っていましたが、そんな母親にも少女時代や思春期が………[もっと読む]

[評者]酒井順子(エッセイスト)
[掲載]2010年09月05日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

星と輝き花と咲き [著]松井今朝子 

星と輝き花と咲き [著]松井今朝子 

■頂点極めた大スターの運命と選択 AKB48のメンバーたちは、恋愛禁止なのだそうです。アイドルでもフランクに恋愛する人が多い時代に、そのルールは、目立ちます。  AKB48のみならず、聖子ちゃんにしても百恵ちゃんにして………[もっと読む]

[評者]酒井順子(エッセイスト)
[掲載]2010年08月08日
[ジャンル]文芸 アート・ファッション・芸能

ミーツへの道ー「街的雑誌」の時代 [著]江弘毅

ミーツへの道ー「街的雑誌」の時代 [著]江弘毅

■情報でなく街と店への思い載せて  関西に「ミーツ・リージョナル」(以下「ミーツ」)という面白い雑誌がある、大阪や京都に行くなら「ミーツ」別冊を読むべし、という話を聞いたのは、八年ほど前のこと。京都に行った時に「ミーツ………[もっと読む]

[評者]酒井順子(エッセイスト)
[掲載]2010年06月27日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

戦後エロマンガ史 [著]米沢嘉博 

戦後エロマンガ史 [著]米沢嘉博 

■大衆の欲望の行き先を探り続けて  東京都の青少年健全育成条例の問題が、話題になっています。これは、マンガやアニメに出てくる架空の人物も、18歳未満に見えれば性的な描写はNG、というもの。表現の自由を侵す、と反対の声が………[もっと読む]

[評者]酒井順子(エッセイスト)
[掲載]2010年05月30日
[ジャンル]文芸 アート・ファッション・芸能 社会

現代中国女工哀史 [著]レスリー・T・チャン

現代中国女工哀史 [著]レスリー・T・チャン

■したたかに個人の幸福追求する姿  世界の工場と言われる、中国。膨大な数の労働者の多くは、地方の農村から工業地帯へと出稼ぎに来ている若者たちです。その7割が女性と言われており、中国系のアメリカ人女性である著者は、広東省………[もっと読む]

[評者]酒井順子(エッセイスト)
[掲載]2010年04月25日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝 国際

岩佐美代子の眼ー古典はこんなにおもしろい [編]岩田ななつ

岩佐美代子の眼ー古典はこんなにおもしろい [編]岩田ななつ

■文学に打ち込んだ“最後の女房”  岩佐美代子は、異色の経歴を持つ国文学者です。民法学者で男爵であった穂積重遠の娘として大正15年に生まれ、女子学習院で学ぶ間は、昭和天皇第一皇女照宮(てるのみや)成子(しげこ)内親王の………[もっと読む]

[評者]酒井順子(エッセイスト)
[掲載]2010年04月11日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

高慢と偏見とゾンビ [著]ジェイン・オースティン&セス・グレアム=スミス

高慢と偏見とゾンビ [著]ジェイン・オースティン&セス・グレアム=スミス

■異なる物同士が醸す異様な力  本書を見た時「これは何?」と、激しく疑問に思った私。しかし読み始めてみると、この本はまさに「高慢と偏見とゾンビ」以外の何物でもないのです。  物語の基本は、「高慢と偏見」と同じ。しかし、………[もっと読む]

[評者]酒井順子(エッセイスト)
[掲載]2010年03月21日
[ジャンル]文芸

読み解き「般若心経」 [著]伊藤比呂美

読み解き「般若心経」 [著]伊藤比呂美

■お経は詩であり、人間くさいのだ  父親が亡くなった時から、死はにわかにリアルな問題として私の目の前に浮上しました。「人間、誰でもいずれは死ぬ」ということはやっとわかったものの、しかし自分の問題として考えてみると、実感………[もっと読む]

[評者]酒井順子(エッセイスト)
[掲載]2010年02月28日
[ジャンル]人文

「かなしみ」の哲学―日本精神史の源をさぐる [著]竹内整一

「かなしみ」の哲学―日本精神史の源をさぐる [著]竹内整一

■万葉集から演歌まで響き合うもの  「かなしみ」という文字を見ると、つい反応してしまう私。その反応には、どこかうっとりとした陶酔感が伴うのであり、かなしみの塩分によって強められる甘味が、確かにあるのです。  本書を読む………[もっと読む]

[評者]酒井順子(エッセイスト)
[掲載]2010年02月07日
[ジャンル]人文

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