小杉泰(京都大学教授)の書評

写真:小杉泰さん

小杉泰 (京都大学教授)
1953年北海道生まれ。京都大学大学院教授。エジプト国立アズハル大学卒。専門はイスラム学。著書に『エジプト・文明への旅』『現代中東とイスラーム政治』(サントリー学芸賞)『現代イスラーム世界論』『イスラーム帝国のジハード』『クルアーン』『イスラーム銀行』など。

日本語は生きのびるか―米中日の文化史的三角関係 [著]平川祐弘

日本語は生きのびるか―米中日の文化史的三角関係 [著]平川祐弘

■国際的な発信力を高める必要性  日本の文化は千年以上にわたって中国の影響を受け、近代には西洋、特に英米の影響を受けて発展してきた。グローバル化時代の今後、日本語はどうなるかを本書は論じている。博識と豊富な体験にもとづ………[もっと読む]

[評者]小杉泰(京都大学教授)
[掲載]2010年03月21日
[ジャンル]人文 社会

西周の政治思想 [著]菅原光

西周の政治思想 [著]菅原光

■秩序崩壊後に新しい社会を構想  西周は、明治期に西洋近代の用語を日本語に導入する上で、絶大な貢献をなした。有名なのは「哲学」の語の発明であるが、現代日本人が日常的に用いている彼の造語は数多い。理性、原理、主観、意識、………[もっと読む]

[評者]小杉泰(京都大学教授)
[掲載]2010年03月07日
[ジャンル]人文

ネット検索革命 [著]アレクサンダー・ハラヴェ

ネット検索革命 [著]アレクサンダー・ハラヴェ

■便利で安全な「集合知」の利用を  最近は何かを調べる時、まずネットで検索するのが普通となっている。グーグルで調べることを「ググる」と呼ぶ若者用語もある。  インターネット上には膨大な情報があるため、検索の機能がなけれ………[もっと読む]

[評者]小杉泰(京都大学教授)
[掲載]2010年02月14日
[ジャンル]IT・コンピューター 社会

ホロコーストからガザへ―パレスチナの政治経済学 [著]サラ・ロイ

ホロコーストからガザへ―パレスチナの政治経済学 [著]サラ・ロイ

■極限まできた「反開発」を実証  パレスチナのガザ地区は1年前にイスラエル軍の猛攻撃を受けて、公共施設も多くの人びとの家屋や生活も破壊された。今でも封鎖が続き、生存を国際的な人道的援助に頼っている。これは実は、一時的な………[もっと読む]

[評者]小杉泰(京都大学教授)
[掲載]2010年01月17日
[ジャンル]政治 経済 国際

湿原のアラブ人 [著]ウィルフレッド・セシジャー

湿原のアラブ人 [著]ウィルフレッド・セシジャー

■砂漠の中のみずみずしい世界  アラブの部族民と言えば、砂漠の民という印象が強い。ところが、イラク南部には、ユーフラテス川とチグリス川が作る巨大な湿地帯があった。面積は関東平野の6割程度にあたるほど大きい。ここに長らく………[もっと読む]

[評者]小杉泰(京都大学教授)
[掲載]2010年01月10日

エドワード・サイード-対話は続く [編]ホミ・バーバ、W・J・T・ミッチェル

エドワード・サイード-対話は続く [編]ホミ・バーバ、W・J・T・ミッチェル

■知識人の苦闘を記した追悼論集  03年に亡くなったサイードは、78年刊行の『オリエンタリズム』によって不朽の名声を得た。邦訳は86年に出版され、日本でも大きな反響を呼んだ。  この書は、西洋のかつての東洋学が、アジア………[もっと読む]

[評者]小杉泰(京都大学教授)
[掲載]2009年11月29日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝 国際

読むと書く-井筒俊彦エッセイ集 [著]井筒俊彦 

読むと書く-井筒俊彦エッセイ集 [著]井筒俊彦 

■古今の哲学者と語った知的遍歴  東洋哲学を広く世界に発信した著者は、海外生活が長かったこともあって、国際的な知名度の方が高い。その後、日本に戻って80年代から93年に没するまで活躍し、晩年はイスラーム神秘主義をも融合………[もっと読む]

[評者]小杉泰(京都大学教授)
[掲載]2009年11月22日
[ジャンル]文芸 人文

長寿大国の虚構-外国人介護士の現場を追う [著]出井康博

長寿大国の虚構-外国人介護士の現場を追う [著]出井康博

■人材開国の機会にふらつく政策  急速に高齢化が進んでいる日本では、介護制度の充実が望まれる。しかし少子化のためもあって、それを支える人材が足りない。低賃金・重労働という現実に加えて、そのイメージが若者を介護の職場から………[もっと読む]

[評者]小杉泰(京都大学教授)
[掲載]2009年11月15日
[ジャンル]政治 医学・福祉 社会

イスラーム教「異端」と「正統」の思想史 [著]菊地達也

イスラーム教「異端」と「正統」の思想史 [著]菊地達也

■論争を重ね相対的位置が決まる  今日のイスラーム世界は、主流派であるスンナ派がほぼ9割、シーア派が1割を占めている。後はごく小さな分派がいくつかあるだけで、イスラームに宗派が多いというのは誤解である。しかし、最初から………[もっと読む]

[評者]小杉泰(京都大学教授)
[掲載]2009年10月25日
[ジャンル]人文

グーテンベルクからグーグルへ-文学テキストのデジタル化と編集文献学 [著]ピーター・シリングスバーグ

グーテンベルクからグーグルへ-文学テキストのデジタル化と編集文献学 [著]ピーター・シリングスバーグ

■電子本の登場が人文学を変える  500年前にグーテンベルクの活版印刷が世に出て、本の世界は劇的に変わった。それまでの手書きの写本は、多量の部数を発行できる印刷本に取って代わられた。それと同じくらいの巨大な変化が今起き………[もっと読む]

[評者]小杉泰(京都大学教授)
[掲載]2009年10月11日
[ジャンル]文芸 人文 IT・コンピューター

イスラームはなぜ敵とされたのか―憎悪の系譜学 [著]臼杵陽

イスラームはなぜ敵とされたのか―憎悪の系譜学 [著]臼杵陽

■友敵二元論がゆがめた国際関係  題名から受ける印象とは違って、これはイスラームについての本ではない。欧米がなぜイスラームを敵とするのかを論じ、またそれによって中東の紛争がどれほど解決困難に陥っているのかを考察している………[もっと読む]

[評者]小杉泰(京都大学教授)
[掲載]2009年09月13日
[ジャンル]歴史 人文 国際

座標軸としての仏教学 パーリ学僧と探す「わたしの仏教」 [著]勝本華蓮

座標軸としての仏教学 パーリ学僧と探す「わたしの仏教」 [著]勝本華蓮

■ユニークな女性学僧の人生論    広告や企画制作の仕事をしていた女性が、出家して尼さんとなる。さらに本格的な仏教研究の道に進み、原始仏教の釈迦の教えを求めてスリランカに留学し、パーリ語の経典をきわめる。著者の経歴を聞………[もっと読む]

[評者]小杉泰(京都大学教授)
[掲載]2009年08月09日
[ジャンル]人文

日本の臓器移植―現役腎移植医のジハード [著]相川厚

日本の臓器移植―現役腎移植医のジハード [著]相川厚

■必要な「尊い善意」生かす論議  著者は、かつてイギリスで腎臓移植を学び、帰国後は日本の第一線で活躍してきた。90年代から現在までに、500例以上の移植を手がけてきたという。  副題にある「ジハード」は「聖戦」と訳され………[もっと読む]

[評者]小杉泰(京都大学教授)
[掲載]2009年07月26日
[ジャンル]医学・福祉 社会

イスラムの怒り [著]内藤正典

イスラムの怒り [著]内藤正典

■欧米の過ち、日本は他山の石に  01年の9・11事件以来、西洋とイスラム世界の衝突が続いている。なぜ衝突するのかについて、本書は、ムスリム(イスラム教徒)にとって許せないことが何か、どのような時に彼らが怒るのかという………[もっと読む]

[評者]小杉泰(京都大学教授)
[掲載]2009年07月19日
[ジャンル]人文 新書

マイノリティの名前はどのように扱われているのか [著]リリアン・テルミ・ハタノ

マイノリティの名前はどのように扱われているのか [著]リリアン・テルミ・ハタノ

■間違った名で呼ばれるつらさ  誰にとっても自分の名前は大事である。特に子どものアイデンティティー形成には、大きな役割を果たす。それなのに、毎日学校で間違った名前で呼ばれ続けたら、どんなに辛(つら)いであろうか。  ど………[もっと読む]

[評者]小杉泰(京都大学教授)
[掲載]2009年06月28日
[ジャンル]教育 社会 国際

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