松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)の書評

写真:松永美穂さん

松永美穂 (早稲田大学教授・ドイツ文学)
1958年愛知県生まれ。著書に『ドイツ北方紀行』『誤解でございます』、訳書にベルンハルト・シュリンク『朗読者』(毎日出版文化賞特別賞)、ジークフリート・レンツ『遺失物管理所』、マーレーネ・シュトレールヴィッツ『ワイキキ・ビーチ』など。

カールシュタイン城夜話 [著]フランティシェク・クプカ

カールシュタイン城夜話 [著]フランティシェク・クプカ

■チェコ宮廷、王と側近らの七夜  カレル四世といえば、14世紀後半の神聖ローマ皇帝で、ボヘミア王、ドイツ王でもあった人物である。現在のプラハではカレル橋やカレル大学にその名が残る。彼は各国の宮廷に華やかな縁戚関係を持ち………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2013年03月31日
[ジャンル]歴史 文芸

漂流老人ホームレス社会 [著]森川すいめい

漂流老人ホームレス社会 [著]森川すいめい

■表向きの平等が孤立に追いやる  新宿西口にずらりと並ぶ段ボールハウスが話題になった時期があった。都内の大きな公園に、ブルーシートをテントのように使って暮らす人々がいた。公園から排除された後は、河川敷などで暮らしている………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2013年03月10日
[ジャンル]社会

ジャスト・キッズ [著]パティ・スミス

ジャスト・キッズ [著]パティ・スミス

■輝かしくあやうい、2人の70年代  1970年代後半から80年代にかけて活躍したロック歌手で詩人、アーティストのパティ・スミスの自伝。自伝といっても、中心テーマは写真家として知られるロバート・メイプルソープとの出会い………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2013年02月17日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

Because I am a Girl―わたしは女の子だから [著]アーヴィン・ウェルシュほか

Because I am a Girl―わたしは女の子だから [著]アーヴィン・ウェルシュほか

■開発途上国の厳しい現実  青空をバックにいろんな肌の色の女の子たちが佇(たたず)んでいる表紙カバーを見て、可愛らしい声が詰まった短編集なのかな、と手に取った。でもここには、女の子というだけで差別を受けてしまう開発途上………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2013年02月10日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ジャニ研!―ジャニーズ文化論 [著]大谷能生・速水健朗・矢野利裕

ジャニ研!―ジャニーズ文化論 [著]大谷能生・速水健朗・矢野利裕

■芸能界変えたアイドル事務所  「SMAP」や「嵐」と同世代の評論家やライターが、1年間かけて6回の研究会を開き、ジャニーズ事務所が半世紀にわたって送りだしてきたタレントを分析し、彼らが与えた影響や事務所のビジネス戦略………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2013年02月03日
[ジャンル]社会

虫樹音楽集 [著]奥泉光

虫樹音楽集 [著]奥泉光

■カフカ「変身」、ジャズで変奏  カフカの『変身』は、読む人の想像力をかき立てる小説だ。すでにたくさんの文章がこれについて書かれてきたし、作品に触発された絵画も演劇も映画もある。音楽についてはどうなのだろう。『変身』に………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2013年01月20日
[ジャンル]文芸

記念碑に刻まれたドイツ―戦争・革命・統一 [著]松本彰

記念碑に刻まれたドイツ―戦争・革命・統一 [著]松本彰

■共同体の記憶として何を残すか  こつこつと自分の足で地道に歩いて調査し、記録したドイツとオーストリアの記念碑の数々。記念碑のカタログのようなたくさんの写真にまずは脱帽である。本書は記念碑という、わかりやすく目に見える………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2013年01月06日
[ジャンル]歴史

みんな「おひとりさま」 [著]上野千鶴子

みんな「おひとりさま」 [著]上野千鶴子

■高齢者が安心できる社会こそ  『おひとりさまの老後』『男おひとりさま道』(いずれも法研)に続く、「おひとりさま」についての最新著書。さまざまなメディアに発表された文章が集められていて、著者が人生を振り返る「聞き書き」………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2012年12月16日
[ジャンル]社会

手紙 [著]ミハイル・シーシキン

手紙 [著]ミハイル・シーシキン

■生の確認、言葉への強い信頼  大きな小説である。ボリュームが大きいというわけではなく、拡(ひろ)がりがあり、器としての大きさを感じさせる小説。ドストエフスキーやトルストイにつながる豊かな文学の伝統を、現在はドイツ語圏………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2012年12月09日
[ジャンル]文芸

クラウドクラスターを愛する方法 [著]窪美澄

クラウドクラスターを愛する方法 [著]窪美澄

■心から「家族」と思える人求め  両親が不仲だったり、片親が出ていったりした家庭を子どもの視点から描いた小説二編。逃げ場も相談相手もなしにそうした問題を乗り越えていかなくてはならない思春期の子どもたちの、切なさ、辛さ。………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2012年11月25日
[ジャンル]文芸

「弱くても勝てます」 開成高校野球部のセオリー [著]高橋秀実

「弱くても勝てます」 開成高校野球部のセオリー [著]高橋秀実

■実験重ねるラブリーなチーム  プロ野球にしてもオリンピックにしても、勝負の世界は結果だけ見れば単純だが、そこに至る過程はなかなか複雑である。強い方が勝つといわれるが、その「強さ」って何だろう? 強ければ必ず勝てるのだ………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2012年11月11日
[ジャンル]社会

飛行士と東京の雨の森 [著]西崎憲

飛行士と東京の雨の森 [著]西崎憲

■中心ではなく、空洞を求める  長さがまちまちな七つの短編が集まって、不思議な光景を作りだしている。描かれているのはもっぱら大都市で生活する人々で、それぞれに寂漠としたものを抱えて生きているようだ。すれ違う人々は、互い………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2012年10月28日
[ジャンル]人文

マリーエンバートの悲歌 [著]マルティン・ヴァルザー

マリーエンバートの悲歌 [著]マルティン・ヴァルザー

■ゲーテ55歳差「最後の恋」  ドイツの文豪ゲーテが74歳のときに19歳の女性(ウルリーケ・フォン・レヴェッツォー)に求婚したのは有名な話。自分の主君であるカール・アウグスト公に仲介の労をとってもらい、きわめてフォーマ………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2012年10月21日
[ジャンル]文芸

LOVE&SYSTEMS [著]中島たい子

LOVE&SYSTEMS [著]中島たい子

■近未来の極端な結婚政策  少子化と労働力不足の問題を解決するために、各国が極端な結婚政策を採り始めた、という設定の近未来小説。結婚制度そのものをなくしてしまって自由恋愛を認め、子どもは国の教育施設でまとめて育てるとい………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2012年09月30日
[ジャンル]文芸

今夜の食事をお作りします [著]遅子建

今夜の食事をお作りします [著]遅子建

■温かいまなざし 甘くない結末  中国同時代小説のコレクションに収められた短編集。予備知識もなく読み始め、たちまち引き込まれた。中国では最北端の、ロシア国境に接する土地で生まれ育った女性作家だそうだが、北の風土と人情を………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2012年09月23日
[ジャンル]文芸

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る