上丸洋一(本社編集委員)の書評

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上丸洋一 (本社編集委員)
1955年岐阜県生まれ。著書に『本はニュースだ!』『「諸君!」「正論」の研究』、共著に『ジャーナリズムの条件3 メディアの権力性』『新聞と戦争』など。

危機の憲法学 [著]奥平康弘 [編]樋口陽一

危機の憲法学 [著]奥平康弘 [編]樋口陽一

■憲法の対応力を理論的に検討  東日本大震災の発生から2カ月近くたった5月3日の憲法記念日、東京都内で開かれた改憲派の集会に出向いた。そこで何が語られるか、聞いておきたかったからだ。  「自衛隊の災害援助活動は憲法に規………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2013年03月31日
[ジャンル]政治

3・11とメディア―徹底検証 新聞・テレビ・WEBは何をどう伝えたか [著]山田健太

3・11とメディア―徹底検証 新聞・テレビ・WEBは何をどう伝えたか [著]山田健太

■報道姿勢に反省はあるのか  東京電力福島第一原発の1号機が水素爆発を起こした直後、在京のあるテレビ局は「爆発弁というものを使った意図的な作業」だと伝えた(「デイズ・ジャパン増刊号 検証・原発事故報道」)。「爆発弁」と………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2013年03月24日
[ジャンル]社会

色川大吉歴史論集 近代の光と闇 [著]色川大吉

色川大吉歴史論集 近代の光と闇 [著]色川大吉

■「歴史の辛さ」ともにかみしめ  天皇制の是非について2人の歴史学者が対談した。  A「これは憲法にあきらかなように、すべて国民に任せるという気持です」  B「国民が望むか望まないかの問題ですね、場合によっては天皇制は………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2013年03月03日
[ジャンル]歴史

金曜官邸前抗議 デモの声が政治を変える [著]野間易通

金曜官邸前抗議 デモの声が政治を変える [著]野間易通

■個人参加の運動支える実務性  原発の再稼働を許すな。  そう叫ぶ人々が、東京・永田町の首相官邸前に初めて集まったのは、去年3月29日だった。毎週金曜日の夕刻、大勢の人々が官邸前に詰めかけるようになり、夏には「再稼働反………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2013年02月24日
[ジャンル]社会

アホウドリと「帝国」日本の拡大 南洋の島々への進出から侵略へ [著]平岡昭利

アホウドリと「帝国」日本の拡大 南洋の島々への進出から侵略へ [著]平岡昭利

■南方進出の出発点を検証  「アホウドリ」で思い出すのは、史実に材をとった吉村昭の小説「漂流」だ。江戸時代後期、しけにあって鳥島に流された土佐の船乗り長平が、アホウドリの肉を主食に12年半を生き延び、八丈島、江戸を経て………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2013年01月27日
[ジャンル]歴史

司法よ! おまえにも罪がある [著]新藤宗幸

司法よ! おまえにも罪がある [著]新藤宗幸

■人事交流が投げかける影  原発の安全性をめぐっては1973年に始まった伊方原発(愛媛県)訴訟以来、建設中止などを求める住民らによって、数々の裁判が提起されてきた。しかし、住民側の勝訴は2例しかない。ほとんどの訴訟で裁………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2013年01月20日
[ジャンル]政治

ルポ イチエフ 福島第一原発レベル7の現場 [著]布施祐仁

ルポ イチエフ 福島第一原発レベル7の現場 [著]布施祐仁

■重層的下請け構造と無関心  福島第一原発(イチエフ)の事故現場では、2万3千人を超す労働者が、放射能の恐怖と闘いながら、懸命に作業を続けてきた。しかし、そうした現場の状況は、ほとんど外部に伝わってこない。  本書は、………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年12月09日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

ホームレス障害者 彼らを路上に追いやるもの [著]鈴木文治

ホームレス障害者 彼らを路上に追いやるもの [著]鈴木文治

■「排除」の原理に希望の風穴  著者は、川崎市にある日本基督教団桜本教会の伝道師である。盲学校、養護学校の校長を務めた障害児教育の専門家でもある。ホームレスの人々や障害者と「共に生きる」とは、どう生きることか。本書に多………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年12月02日
[ジャンル]社会

核の海の証言―ビキニ事件は終わらない [著]山下正寿

核の海の証言―ビキニ事件は終わらない [著]山下正寿

■高校生らと続けた被曝調査  ビキニで被災したのは第五福竜丸だけではなかった。米国の水爆実験に遭って被曝(ひばく)した日本船の乗組員の多くが、若くして病に倒れ、補償も受けられないまま亡くなっていった。しかも、今日にいた………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年11月18日
[ジャンル]社会

琉球検事‐封印された証言 [著]七尾和晃

琉球検事‐封印された証言 [著]七尾和晃

■コザ事件と占領下の司法  1970年12月20日未明、米軍統治が続く沖縄のコザ市(現沖縄市)で、米陸軍病院に勤務する米国人運転の車が日本人男性をはね、全治10日のけがを負わせた。この事故をきっかけに住民数千人が騒ぎ、………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年11月04日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

戦後日本の人身売買 [著]藤野豊

戦後日本の人身売買 [著]藤野豊

■実態と政治の対応たどる  1948(昭和23)年12月3日の毎日新聞に「子供を売歩く男」という見出しの記事が載った。東京の上野駅に暮らす24歳の男が、10代前半の子供3人を栃木県の農家に売り込んでいた、と記事は伝えた………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年10月14日
[ジャンル]社会

陳情―中国社会の底辺から [編著]毛里和子・松戸庸子

陳情―中国社会の底辺から [編著]毛里和子・松戸庸子

■自由と民主主義、命懸けの告発    「道路を造ってほしい」  「橋を架けてほしい」  地方議員らが中央官庁や国会議員に「陳情」する。地方は土木工事などでお金がもたらされることを期待し、国会議員は票をめあてに世話をする………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年09月16日
[ジャンル]政治 国際

一人ひとりの大久野島 毒ガス工場からの証言 [編著]行武正刀

一人ひとりの大久野島 毒ガス工場からの証言 [編著]行武正刀

■医師が聞き取った工員の体験  瀬戸内海に浮かぶ周囲4キロの大久野島(広島県)には、戦時中、毒ガス兵器を製造する陸軍の秘密工場が置かれていた。ずさんな安全管理体制の下、工場で働く人々は、毒ガスで体をむしばまれ、火事や爆………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年09月02日
[ジャンル]歴史 社会

天皇と戦争と歴史家 [著]今谷明

天皇と戦争と歴史家 [著]今谷明

■皇国史観から自由になれたか  近代日本の歴史家たちは、「天皇」や「戦争」とどう向き合ったのか。  『室町の王権』『信長と天皇』などの著書で知られる日本中世史の専門家が、そうした視点から「皇国史観」の平泉澄(きよし)を………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年08月26日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

詩文集 哀悼と怒り―桜の国の悲しみ [著]御庄博実・石川逸子

詩文集 哀悼と怒り―桜の国の悲しみ [著]御庄博実・石川逸子

■牛の遺体のささやきを聴け  被爆2日後の1945年8月8日、医学生の御庄博実は山口県の岩国から広島に入った。知人を捜して一日中、市内を歩き、横たわる瀕死(ひんし)の重傷者の名札をめくって歩いた(御庄『ヒロシマにつなが………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年08月05日
[ジャンル]文芸

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