石川直樹(写真家・作家)の書評

写真:石川直樹さん

石川直樹 (写真家・作家)
1977年東京都生まれ。写真家。多摩美術大学芸術人類学研究所研究員。専門は文化人類学・民俗学・映像人類学。写真集に『NEW DIMENSION』(講談社出版文化賞)『COLONA』(土門拳賞)、他に『この地球を受け継ぐ者へ』『最後の冒険家』(開高健ノンフィクション賞)など。

図説 尻叩きの文化史 [著]ジャン・フェクサス

図説 尻叩きの文化史 [著]ジャン・フェクサス

■愛と人間味にじみ出る奇書  奇書である。先日、野村萬斎氏が演出した『サド侯爵夫人』(三島由紀夫原作)を観劇し、その余韻のなかで本書を手に取った。タイトルに「図説」と銘打たれているとおり、古今東西の尻叩きに関する図版が………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2012年03月25日
[ジャンル]歴史

屋根裏プラハ [著]田中長徳

屋根裏プラハ [著]田中長徳

■革命を境にたゆたう古都の光  ウィーンで写真家の古屋誠一さんと話していたときに、田中長徳氏の名を聞いた。他愛(たわい)のない思い出話のなかで唐突にその名が出てきて、チョートクさんへの認識がぼくの中でがらりと変わったの………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2012年03月18日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

写真の読み方―初期から現代までの世界の大写真家67人 [著]イアン・ジェフリー

写真の読み方―初期から現代までの世界の大写真家67人 [著]イアン・ジェフリー

■挑発的に響きあう熱い含意  著者は、これまで写真史、美術批評の分野で卓越した知見を示してきた。本書では、写真の黎明(れいめい)期から現代までの写真家67人と2度の大戦中に撮影された写真を取り上げ、写真に包含される様々………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2012年03月11日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

考えるとはどういうことか [著]外山滋比古

考えるとはどういうことか [著]外山滋比古

■「知っているつもり」を覆す  取っつきにくいテーマをわかりやすくコンパクトに伝えるというコンセプトで生まれた「知のトレッキング」叢書(そうしょ)の第一弾である。『思考の整理学』で知られる著者が、編集者との対話をもとに………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2012年03月04日
[ジャンル]教育 人文

写真の秘密 [著]ロジェ・グルニエ

写真の秘密 [著]ロジェ・グルニエ

■老作家が綴る言葉のアルバム  つい最近、米イーストマン・コダック社の経営破綻(はたん)が発表されて、落胆の念を拭えなかった。というのも、自分はいまだにアナログの中判カメラを使っており、今日までカラーネガフィルムを愛用………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2012年02月19日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

曾根崎心中 [著]角田光代

曾根崎心中 [著]角田光代

■恋によって瞬く生の凄まじさ  読み始めると、ページをめくる手が止まらなくなった。近松門左衛門と曽根崎心中については高校の授業で覚え聞いた程度で、原作を手にとる機会など一度もなかった。角田さんという名手が書き下ろしてく………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2012年02月05日
[ジャンル]文芸

怒れ!憤れ! [著]ステファン・エセル

怒れ!憤れ! [著]ステファン・エセル

■不正義に個人として立ち向かえ  著者はレジスタンス運動の活動家であり、ナチスに抵抗し続けた自由フランス軍の兵士だった男で、現在は94歳である。強制収容所に送られて処刑される寸前に脱走し、後に外交官となって、国連の世界………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2012年01月15日
[ジャンル]社会

生老病死のエコロジー-チベット・ヒマラヤに生きる [編]奥宮清人

生老病死のエコロジー-チベット・ヒマラヤに生きる [編]奥宮清人

■高地に暮らす人々と向きあう  標高5300メートルのエベレスト・ベースキャンプで、ぼくはこの原稿を書いている。本書によると、この5300メートルという高さこそが「人間の居住の最高高度」である。低酸素環境でのろのろと行………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2011年05月01日
[ジャンル]医学・福祉 ノンフィクション・評伝

空白の五マイル―チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む [著]角幡唯介

空白の五マイル―チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む [著]角幡唯介

■命すり減らしつかむ、一瞬の生  角幡さんと出会ったのは15年前、大学の探検部の部室だったと記憶している。ぼくは10代の新入生で、角幡さんも20歳になったばかりの頃だった。「四階までしかないはずの古い校舎の、なぜか五階………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2011年02月20日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 国際

ヒマラヤのドン・キホーテ ネパール人になった日本人・宮原巍の挑戦  [著]根深誠

ヒマラヤのドン・キホーテ ネパール人になった日本人・宮原巍の挑戦  [著]根深誠

■終わりなき情熱、貫いて生きる    昨年ぼくは春と秋の二回にわたってネパールのヒマラヤ山中を歩いた。世界最高峰の麓(ふもと)へと続く気持ちのいいトレッキングルートはエベレスト街道と呼ばれて、世界中の観光客に人気がある………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2011年01月16日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝 国際

野宿入門―ちょっと自由になる生き方 [著]かとうちあき

野宿入門―ちょっと自由になる生き方 [著]かとうちあき

■常識に切り込む都市の冒険者    本書を読む前は、都市や街中で行う野宿を「楽しい。ただそれだけです。」と言い切ってしまう帯文に少しばかり疑問を抱いていた。経済状況を理由に、世の中にはしたくもない野宿をせざるをえない人………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2010年11月28日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

不完全なレンズで 回想と肖像 [著]ロベール・ドアノー

不完全なレンズで 回想と肖像 [著]ロベール・ドアノー

■視線ひきつける写真家の反骨精神  「創造者である以上に、観察者であること」。そう語ったのは他でもない、写真家ロベール・ドアノーである。流れゆく群衆の中で抱擁するカップルをやや低い視点から写した「パリ市庁舎前のキス」は………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2010年11月07日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

写真のこころ [著]平木収 

写真のこころ [著]平木収 

■写真との出会い求める人に  まだ10代だった大学時代に、ぼくは平木収さんの写真史の授業を受けていた。旅に明け暮れていた学生時代にあって、まともに出席した数少ない授業の一つである。暗くなった教室でスクリーンに投影される………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2010年10月24日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

話す写真-見えないものに向かって [著]畠山直哉 

話す写真-見えないものに向かって [著]畠山直哉 

■見慣れた世界を揺さぶって  自身の作品制作の裏側から、これまで写真とつきあってきた過程、写真史やアートとは何かということまで、畠山直哉が写真についてあますところなく語ったのが、本書である。これまで彼がおこなった講演や………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2010年09月19日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

渡りの足跡 [著]梨木香歩

渡りの足跡 [著]梨木香歩

■「たったひとつの道」をゆく鳥たち  渡りの季節になると、インドガンは標高九千メートル近くまで上昇し、ヒマラヤ山脈を越えて旅をするという。人間を拒絶するその高さを悠々と、しかし命懸けで飛ぶ鳥たちの話を聞いて以来、ぼくは………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2010年07月25日
[ジャンル]文芸

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