中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)の書評

写真:中島岳志さん

中島岳志 (北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
1975年大阪府生まれ。著書に『中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義』(大佛次郎論壇賞)『ヒンドゥー・ナショナリズム―印パ緊張の背景』『パール判事―東京裁判批判と絶対平和主義』など。

差別と反逆 平野小剣の生涯 [著]朝治武

差別と反逆 平野小剣の生涯 [著]朝治武

■平等求め、天皇に託した希望  被差別部落に生まれ、初期水平運動で華々しく活躍した平野小剣。長髪で髭(ひげ)を伸ばし、人一倍、スタイリッシュだった。しかし、その名は忘却され、否定的評価が下される。理由は、後半生が熱烈な………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2013年03月24日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

飛雄馬、インドの星になれ! [著]古賀義章

飛雄馬、インドの星になれ! [著]古賀義章

■ちゃぶ台返しにNG、交渉奮闘記  昨年12月、インドの3大人気チャンネルの一つで、アニメ番組が始まった。番組名は「スーラジ ザ・ライジングスター」。あの「巨人の星」のインド版だ。本書は、番組の仕掛け人が放送までの紆余………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2013年03月10日
[ジャンル]経済

居場所を探して 累犯障害者たち [著]長崎新聞社・累犯障害者問題取材班

居場所を探して 累犯障害者たち [著]長崎新聞社・累犯障害者問題取材班

■孤立と困窮の連鎖を断ち切る  知的・精神障害がありながら福祉の支援を受けられず、結果的に犯罪を繰り返す「累犯障害者」。服役中の知的障害者の7割が再犯者で、3人に1人は出所後3カ月以内に再び罪を犯すという。『長崎新聞』………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2013年01月27日
[ジャンル]社会

冷血〈上・下〉  [著]高村薫

冷血〈上・下〉  [著]高村薫

■言葉寄せ付けぬ、むきだしの生命  東京の住宅地で、一家惨殺事件が起こる。犯人はネットで知り合った男性2人。あやふやな苛立(いらだ)ちと無根拠な昂揚(こうよう)感の中で殺人を犯す。明確な犯行理由はない。すべてが行き当た………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2013年01月20日
[ジャンル]文芸

戦後沖縄と米軍基地―「受容」と「拒絶」のはざまで [著]平良好利

戦後沖縄と米軍基地―「受容」と「拒絶」のはざまで [著]平良好利

■固定化を進めた奇妙な連携  沖縄の米軍基地問題には、多様な主体が絡まる。立場の異なる住民、沖縄の政治リーダー、日本政府、そしてアメリカ。複数の思惑が交錯する中、米軍基地は残存し、現在に至る。問題の枠組みが構造化したの………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2013年01月06日
[ジャンル]政治

社会運動の戸惑い [著]山口智美・斉藤正美・荻上チキ

社会運動の戸惑い [著]山口智美・斉藤正美・荻上チキ

■フェミニズムと保守との対話  1990年代半ばに登場した「ジェンダーフリー」という言葉は、フェミニストによって政治化され、99年の男女共同参画社会基本法成立を牽引(けんいん)した。しかし、自治体による条例づくりの過程………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2012年12月16日
[ジャンル]社会

昭和戦前期の政党政治 二大政党制はなぜ挫折したのか [著]筒井清忠

昭和戦前期の政党政治 二大政党制はなぜ挫折したのか [著]筒井清忠

■「劇場政治」の末、翼賛体制に転落  大正末から昭和初期にかけて、政友会と民政党の二大政党制が形成されていった。加藤高明内閣以降の本格的政党政治は、5・15事件による犬養毅内閣崩壊によって潰(つい)える。その間、約8年………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2012年12月02日
[ジャンル]政治

一揆の原理―日本中世の一揆から現代のSNSまで [著]呉座勇一

一揆の原理―日本中世の一揆から現代のSNSまで [著]呉座勇一

■現代に通じる 人と人のつながり  一揆というと、農民が竹槍(たけやり)を持って武装蜂起する革命的イメージが共有されている。実際、「前近代日本の固有の階級闘争」という枠組みが与えられ、弱き者の連帯による権力への抵抗とい………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2012年11月25日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

大阪の神さん仏さん [著]釈徹宗・高島幸次

大阪の神さん仏さん [著]釈徹宗・高島幸次

■宗教都市の横顔、縦横に議論  住吉大社、四天王寺、大阪天満宮、石山本願寺……。大阪という都市の形成には、思いのほか、社寺が深く関わっている。本書は、仏教・神道のスペシャリストであり、生粋の大阪人である二人が、縦横無尽………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2012年10月28日
[ジャンル]歴史 社会

大川周明 アジア独立の夢―志を継いだ青年たちの物語 [著]玉居子精宏

大川周明 アジア独立の夢―志を継いだ青年たちの物語 [著]玉居子精宏

■二元論に収まらぬ若き主体性  アジア主義者であり、革命家だった大川周明。彼は5・15事件に関与し、獄中生活を送った。そして出所後の1938年、東亜経済調査局附属(ふぞく)研究所(通称、大川塾)を設立し、教育活動を開始………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2012年10月14日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 新書

死体は見世物か 「人体の不思議展」をめぐって [著]末永恵子

死体は見世物か 「人体の不思議展」をめぐって [著]末永恵子

■死者と生者の関係 問い直す  90年代から全国で開催され、話題となった「人体の不思議展」。近くて遠い人体の展示は、多くの観客を動員した。しかし、展示された人体は、特定の誰かの死体である。「その人」は人格を持ち、他者と………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2012年10月07日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

ヒーローを待っていても世界は変わらない [著]湯浅誠

ヒーローを待っていても世界は変わらない [著]湯浅誠

■面倒な民主主義と向き合う  2008年末の年越し派遣村で村長として活躍した湯浅誠。彼は通算2年、内閣府参与を務め、現在は大阪を拠点に活動する。民間と行政を経験した湯浅が考える民主主義とは何か。橋下徹現象をどう見るか。………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2012年09月23日
[ジャンル]政治

みんなの家。建築家一年生の初仕事 [著]光嶋裕介

みんなの家。建築家一年生の初仕事 [著]光嶋裕介

■仲間と職人が奏でる「交響曲」  僕たちの時代の建築家が姿を現した。  「みんなの家」とは、思想家・内田樹の自宅兼道場「凱風館(がいふうかん)」。内田は設計をこれまで一軒も家を建てたことがない若者に託した。しかも、ほぼ………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2012年09月09日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

福田恆存 人間は弱い [著]川久保剛

福田恆存 人間は弱い [著]川久保剛

■庶民への愛と知的俗物への嫌悪  今年は福田恆存(つねあり)生誕100年にあたる。近年、福田に注目が集まり、再評価が進んでいる。本書は若手研究者による本格的な評伝である。  福田は東京・神田の下町で職人に囲まれて育った………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2012年09月02日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

核エネルギー言説の戦後史1945—1960 「被爆の記憶」と「原子力の夢」 [著]山本昭宏

核エネルギー言説の戦後史1945—1960 「被爆の記憶」と「原子力の夢」 [著]山本昭宏

■軍事・平和利用、互いの機動力に  戦後日本は、広島・長崎への原子爆弾投下の経験から、原子力への恐れと平和の願いを抱いてきたはずだった。しかし、被爆の記憶は原子力の夢へと接続する。この逆説は一体、どのようにして成立した………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2012年08月26日
[ジャンル]科学・生物

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