辻篤子(本社論説委員)の書評

写真:辻篤子さん

辻篤子 (本社論説委員)
1953年京都府生まれ。朝日新聞社論説委員。共著に『岩波講座 科学/技術と人間〈2〉専門家集団の思考と行動』『新聞学』、共訳にカール・セーガン『惑星へ』など。

なぜデザインが必要なのか [著]エレン・ラプトンほか

なぜデザインが必要なのか [著]エレン・ラプトンほか

■問題解決への知恵と技術  「デザイン」と聞いたときにすぐ頭に浮かぶのは、「意匠」、つまり、さまざまな製品の色や形、模様のことかもしれない。  だが、英和辞典をひもとけば、考案する、計画する、設計する、といった言葉が並………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2012年03月25日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

水を守りに、森へ 地下水の持続可能性を求めて [著]山田健

水を守りに、森へ 地下水の持続可能性を求めて [著]山田健

■社会貢献でなく企業の本業で  サントリーで長くコピーライターを務めた著者は21世紀が迫ってきたころ、ふと、同社の事業がいかに「地下水」に依存しているかに気づく。同時に、その地下水が、森林の荒廃によっていかに危うい状況………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2012年02月26日
[ジャンル]人文

偶然の科学 [著]ダンカン・ワッツ

偶然の科学 [著]ダンカン・ワッツ

■実験と観察で社会現象に迫る  レオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザはなぜ有名か。いろいろと要因を挙げて説明を試みても、結局のところ、モナリザ的だから、といっているに過ぎないのでは?  19世紀にはルーブル美術館でも目立………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2012年02月12日
[ジャンル]科学・生物

ホーダー 捨てられない・片づけられない病 [著]ランディ・O・フロスト、ゲイル・スティケティー

ホーダー 捨てられない・片づけられない病 [著]ランディ・O・フロスト、ゲイル・スティケティー

■人にとってモノとは何か  ホード(hoard)とは金や財宝、あるいは知識を蓄積することで、そこに決して否定的な意味合いはない。  蓄積が高じ、社会生活に破綻(はたん)を来すまでなるとホーディング(ガラクタ収集癖)と呼………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2012年02月05日
[ジャンル]社会

あやしい統計フィールドガイド―ニュースのウソの見抜き方 [著]ジョエル・ベスト [訳]林大

あやしい統計フィールドガイド―ニュースのウソの見抜き方 [著]ジョエル・ベスト [訳]林大

■見分けるポイント、実践的に  私たちの社会は、ありとあらゆる種類の数字で語られる。どんな種類の犯罪が増えているのか、どんな病気が増えているのか、あるいは、子どもの学力は? 人々の収入は? それが、私たちの社会観を形作………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2012年01月22日
[ジャンル]社会

LOVE THE LIGHT,LOVE THE LIFE―時空を超える光を創る [著]石井幹子

LOVE THE LIGHT,LOVE THE LIFE―時空を超える光を創る [著]石井幹子

■景観照明、パイオニアの歩み  東京タワーもどこか、新しい年への期待をまとって輝いているように見える年明けである。この年末年始、全国のあちこちで、ライトアップの光にさまざまな思いが託されたのではないか。  こうした景観………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2012年01月08日
[ジャンル]人文

結核と日本人―医療政策を検証する [著]常石敬一 

結核と日本人―医療政策を検証する [著]常石敬一 

■制圧計画の成否を鋭く問う  人気タレントが結核に感染して休養したニュースはまだ記憶に新しい。結核の集団感染も時折報じられる。実は、日本は先進国の中では際だって患者の多い結核の「中蔓延(まんえん)国」なのだ。  結核は………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年12月18日
[ジャンル]医学・福祉

科学ジャーナリズムの先駆者 評伝 石原純 [著]西尾成子

科学ジャーナリズムの先駆者 評伝 石原純 [著]西尾成子

■物理学のあり方論じた真の学者  「石原純」という名前は、多くの人にまずなじみがないことだろう。とすると、「科学ジャーナリズムの先駆者」という表題だけでは、やや誤解を招くかもしれない。  著者が冒頭で記しているように、………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年11月13日
[ジャンル]科学・生物 ノンフィクション・評伝

モラルのある人は、そんなことはしない―科学の進歩と倫理のはざま [著]アクセル・カーン

モラルのある人は、そんなことはしない―科学の進歩と倫理のはざま [著]アクセル・カーン

■生命操作の技術をどう考える  カズオ・イシグロ原作の映画「わたしを離さないで」の切ないシーンがよみがえった。クローン技術で臓器提供のためだけに生まれてきた少年少女の物語だ。  この想定こそ荒唐無稽に思えても、きょうだ………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年10月16日
[ジャンル]科学・生物 社会

IBM 奇跡の“ワトソン”プロジェクト [著]スティーヴン・ベイカー

IBM 奇跡の“ワトソン”プロジェクト [著]スティーヴン・ベイカー

■人とキカイの未来に思いはせる  ワトソン君といえば、ご存じ名探偵シャーロック・ホームズの助手である。  もう一つの顔が加わった。米国で人気のテレビのクイズ番組「ジョパディ」で今年初め、人間のチャンピオン2人を破ったI………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年10月09日
[ジャンル]IT・コンピューター

旅するウナギ―1億年の時空をこえて [著]黒木真理、塚本勝巳

旅するウナギ―1億年の時空をこえて [著]黒木真理、塚本勝巳

■どこでどのように生まれるのか  おなじみなのに、謎に包まれている。ウナギは、そんな生き物の代表格に違いない。  卵を持った親も生まれたばかりの子どもも見当たらない。どこでどう生まれるのか。紀元前4世紀、ギリシャの哲学………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年09月25日
[ジャンル]科学・生物

偏愛的数学 1驚異の数・2魅惑の図形 [著]A・S・ポザマンティエ、I・レーマン

偏愛的数学 1驚異の数・2魅惑の図形 [著]A・S・ポザマンティエ、I・レーマン

■世界が違って見える数の不思議  「偏愛的」数学とは、よくも名づけたものである。  本書は、こんな書き出しの訳者による序文から始まる。原題は「数学の驚異」とごくごく平凡で、「偏愛」なる表現はむろんない。邦訳に当たって編………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年09月11日
[ジャンル]科学・生物

ユニコード戦記―文字符号の国際標準化バトル [著]小林龍生

ユニコード戦記―文字符号の国際標準化バトル [著]小林龍生

■多様な言語文化守る善戦苦闘  ユニコードとは、コンピューターで使われる文字コードの国際標準だ。そこにいかに漢字を取り込むか。そのための活動記録である。  母体は米企業を中心とする任意参加の民間団体だから、各国が1票ず………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年08月21日
[ジャンル]IT・コンピューター ノンフィクション・評伝

火山と地震の国に暮らす [著]鎌田浩毅

火山と地震の国に暮らす [著]鎌田浩毅

■噴火は「忘れた頃」のさらに後  洞爺湖温泉は1910年の有珠山の噴火で誕生した比較的新しい温泉だ。以来3度目となった2000年の噴火は温泉街に迫り、今度は観光に打撃を与えた。今年初め、北大の火山研究者の案内で現地を訪………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年08月07日
[ジャンル]科学・生物

不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠(とわ)なる人生 [著]レベッカ・スクルート

不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠(とわ)なる人生 [著]レベッカ・スクルート

■細胞は誰のものか、「彼女」と家族追う  「ヒーラ」という名前に全く覚えがなくても、私たちの誰もがその恩恵を被っていることはほぼ間違いない。  ヒーラ細胞は、世界で初めて培養に成功したヒト細胞で、がんや肝炎、遺伝子の研………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年07月17日
[ジャンル]科学・生物

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