尾関章(本社論説副主幹)の書評

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尾関章 (本社論説副主幹)
1951年東京都生まれ。朝日新聞社編集委員。著書に『量子論の宿題は解けるか―31人の研究者に聞く最前線報告』『SF小説がリアルになる 量子の新時代』など。

人間らしさとはなにか?―人間のユニークさを明かす科学の最前線 [著]マイケル・S・ガザニガ

人間らしさとはなにか?―人間のユニークさを明かす科学の最前線 [著]マイケル・S・ガザニガ

■「物語」の存在こそ人の証しか  なんとも大風呂敷な題名ではないか。答えはとても出そうにない。脳と心の謎を追うベテランの科学者が、自分自身の専門にとらわれず、さまざまな新知見を全編にちりばめた。  多彩な説が並ぶので、………[もっと読む]

[評者]尾関章(本社論説副主幹)
[掲載]2010年03月28日
[ジャンル]人文 科学・生物

明日をどこまで計算できるか?―「予測する科学」の歴史と可能性 [著]デイヴィッド・オレル

明日をどこまで計算できるか?―「予測する科学」の歴史と可能性 [著]デイヴィッド・オレル

■新鮮な予測懐疑論、縦横無尽に  明日がどうなるか、それがわかったらどうなることか。読み終えてそんな思いを抱いた。  著者は、科学の未来予測志向を跡づける。原点はピタゴラス。「ピュタゴラス学派にとって、数は単に予言する………[もっと読む]

[評者]尾関章(本社論説副主幹)
[掲載]2010年03月21日
[ジャンル]科学・生物

クォンタム・ファミリーズ [著]東浩紀

クォンタム・ファミリーズ [著]東浩紀

■情報社会の果てに交錯する並行世界  こんな自分もありえた。あんな自分がいたかもしれない。人生は「なしとげられる《かもしれなかった》ことにも満たされている」。そんな可能世界に奇妙な現実感を吹き込む小説をいま、私たちは手………[もっと読む]

[評者]尾関章(本社論説副主幹)
[掲載]2010年02月21日
[ジャンル]文芸

重力の再発見―アインシュタインの相対論を超えて [著]ジョン・W・モファット

重力の再発見―アインシュタインの相対論を超えて [著]ジョン・W・モファット

■反骨精神あふれる暗黒物質無用論  宇宙の闇に潜むとされる暗黒物質の正体探しは、21世紀科学の一大テーマとなっている。そこに、ちょっと待った、と声を上げたのがこの本だ。  1930年代、目に見えない物質の重力なしには遠………[もっと読む]

[評者]尾関章(本社論説副主幹)
[掲載]2010年02月14日
[ジャンル]科学・生物

初夜 [著]イアン・マキューアン

初夜 [著]イアン・マキューアン

■性の重みを知る世代の物語  初夜という言葉に、まだ重みがあった時代の話である。  英国南部の海辺のホテル。新婚の二人は粛々と晩餐(ばんさん)をとりながら、寝室でまもなく始まるそのことに心を奪われていた。彼の緊張と彼女………[もっと読む]

[評者]尾関章(本社論説副主幹)
[掲載]2010年02月07日
[ジャンル]文芸

完全なる証明―100万ドルを拒否した天才数学者 [著]マーシャ・ガッセン

完全なる証明―100万ドルを拒否した天才数学者 [著]マーシャ・ガッセン

■「空想世界」に生きて、知の孤独体現する姿  数学のど真ん中を突く本ではない。それをめぐる知の孤独に迫る。  孤独を一身に体現するのは、難問中の難問である「ポアンカレ予想」の証明を成し遂げたロシアの数学者グリゴーリー・………[もっと読む]

[評者]尾関章(本社論説副主幹)
[掲載]2010年01月17日
[ジャンル]科学・生物 ノンフィクション・評伝

ブラックホール戦争-スティーヴン・ホーキングとの20年越しの闘い [著]レオナルド・サスキンド 

ブラックホール戦争-スティーヴン・ホーキングとの20年越しの闘い [著]レオナルド・サスキンド 

■人間の顔をした宇宙論争史  人より物に魅せられた変わり者と思われがちな物理学者こそ、実は人が好きで好きでしようがない人々かもしれない。  そう感じさせるのは、宇宙談議に織り交ぜた著者の交遊録。  若手時代には、ノーベ………[もっと読む]

[評者]尾関章(本社論説副主幹)
[掲載]2009年12月06日
[ジャンル]科学・生物

たまたま-日常に潜む「偶然」を科学する [著]レナード・ムロディナウ

たまたま-日常に潜む「偶然」を科学する [著]レナード・ムロディナウ

■偶然の重み増した時代の「心得」  ひいきの球団が日本シリーズに敗れても、この本を読めば少し気が晴れるのではないか。  ワールドシリーズがほぼ実力通りに決着することを望むなら、7試合制では無理があり、戦力差が小さければ………[もっと読む]

[評者]尾関章(本社論説副主幹)
[掲載]2009年11月08日
[ジャンル]科学・生物

シルフ警視と宇宙の謎 [著]ユーリ・ツェー 

シルフ警視と宇宙の謎 [著]ユーリ・ツェー 

■量子論仕立て、「並行世界」の真相  SFの仕掛けを扱いながらSFではない。並行世界が語られても、誰かがそこに横っ跳びしたりはしない。滋味に富む洞察にあふれ、うたい文句の通りの「哲学的ミステリ」である。  主人公の一人………[もっと読む]

[評者]尾関章(本社論説副主幹)
[掲載]2009年10月25日
[ジャンル]文芸

サイバービア-電脳郊外が“あなた”を変える [著]ジェイムス・ハーキン

サイバービア-電脳郊外が“あなた”を変える [著]ジェイムス・ハーキン

■思考回路をも変えた情報化の大波  軍事とヒッピー。水と油のはずの二つが化学反応してネット時代に火をつけた。これぞ米国のダイナミズムか。そんな裏面史にも踏み込んで、情報社会の底知れなさを見せつける。  書名は「郊外」を………[もっと読む]

[評者]尾関章(本社論説副主幹)
[掲載]2009年10月04日
[ジャンル]IT・コンピューター 社会

生命の音楽 ゲノムを超えて——システムズバイオロジーへの招待 [著]デニス・ノーブル

生命の音楽 ゲノムを超えて——システムズバイオロジーへの招待 [著]デニス・ノーブル

■「私」もプロセスという生命観  人のゲノム(全遺伝情報)が解読された今だからこそ、読んでおきたい一冊。文中の言葉を借りれば「遺伝子がすべてをプログラムする」という見方に対して「解毒剤」を処方する。  著者は、心筋の生………[もっと読む]

[評者]尾関章(本社論説副主幹)
[掲載]2009年09月13日
[ジャンル]人文 科学・生物

ナノ・ハイプ狂騒―アメリカのナノテク戦略 上・下 [著]D・M・ベルーベ

ナノ・ハイプ狂騒―アメリカのナノテク戦略 上・下 [著]D・M・ベルーベ

■科学の「大風呂敷」、議論続出の概観図  科学技術は夢とロマン。そんな紋切り型の形容を吹き飛ばす大著だ。  「ハイプ」とは大風呂敷のこと。10億分の1を意味する「ナノ」は、今や研究者らが「予算を増やしてもらうために予算………[もっと読む]

[評者]尾関章(本社論説副主幹)
[掲載]2009年08月30日
[ジャンル]政治 経済 科学・生物

素数たちの孤独 [著]パオロ・ジョルダーノ

素数たちの孤独 [著]パオロ・ジョルダーノ

■連ならない不器用な二人の物語  理系男は、どうしてこうも不器用なのか。  パーティーに出ても、コップに注いだ飲み物が表面張力で盛り上がり、揺れ動く様子に見とれたりする。「ねえ、わたしのこと好き?」の一言に「分からない………[もっと読む]

[評者]尾関章(本社論説副主幹)
[掲載]2009年08月02日
[ジャンル]文芸

ミラーニューロンの発見 [著]マルコ・イアコボーニ著/ミラーニューロン [著]ジャコモ・リゾラッティ、コラド・シニガリア

ミラーニューロンの発見 [著]マルコ・イアコボーニ著/ミラーニューロン [著]ジャコモ・リゾラッティ、コラド・シニガリア

■他者と世界を共有するための鏡  映画館を出るとき、ヒュー・グラントやジュリア・ロバーツになりきった自分に気づくことはないだろうか。「スクリーン上で映画スターがキスしているのを見たならば? そのとき私たちの脳内で発火し………[もっと読む]

[評者]尾関章(本社論説副主幹)
[掲載]2009年07月05日
[ジャンル]医学・福祉 新書

思考する言語―「ことばの意味」から人間性に迫る(上・中・下) [著]スティーブン・ピンカー

思考する言語―「ことばの意味」から人間性に迫る(上・中・下) [著]スティーブン・ピンカー

■言葉の魔力は世界を覆うのか  半クエスチョンともいわれる語尾上げの会話がふえて久しい。英語圏でも同様で「標準的アメリカ英語の中立的な特徴になりつつある」という。  米国の学者が書いた、英語の文例たっぷりの言語学の本が………[もっと読む]

[評者]尾関章(本社論説副主幹)
[掲載]2009年06月14日
[ジャンル]人文

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