平松洋子(エッセイスト)の書評

写真:平松洋子さん

平松洋子 (エッセイスト)
1958年岡山県生まれ。エッセイスト、フードジャーナリスト。著書に『わたしの沖縄食紀行』『ベトナムとタイ 毎日のごはん』『買えない味』(ドゥマゴ文学賞)『夜中にジャムを煮る』『平松洋子の台所』『食べる旅 国むかしの味』など。

建築とは何か―藤森照信の言葉 [著]藤森照信 

建築とは何か―藤森照信の言葉 [著]藤森照信 

■過去、現在、未知へ縦断する思索  藤森照信の言葉は、建築を語りながら、同時にべつのだいじなことを物語っている。ずっとそう感じてきた。  建築の意味をさぐる思考が、過去、現在、未知、意識や無意識の領域へ触手を伸ばす。つ………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2011年03月27日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

TOKYOオリンピック物語 [著]野地秩嘉 

TOKYOオリンピック物語 [著]野地秩嘉 

■喪失からの回復、晴れやかに  敗戦がもたらした焼け野原。失うものはなにもなかった。まるはだかの喪失をこそ回復の原動力に変えてきたのが、わたしたち日本人ではなかったか。  東京オリンピックを成功に導いた舞台裏のプロたち………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2011年03月20日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

パリが愛した娼婦 [著]鹿島茂

パリが愛した娼婦 [著]鹿島茂

■19世紀、都会の夜闇に時間旅行  「高級」娼婦(しょうふ)ってなんだ? つい先日も、新国立劇場でヴェルディのオペラ「椿姫」を観(み)ながらそう思ったのだった。この名作オペラのヒロインは高級娼婦ヴィオレッタ。原作者デュ………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2011年03月06日
[ジャンル]歴史 国際

日本の刺青と英国王室―明治期から第一次世界大戦まで [著]小山騰

日本の刺青と英国王室―明治期から第一次世界大戦まで [著]小山騰

■「野蛮」に憧れた、奇妙な交流史  カバーの肖像写真に息をのんだ。笑みを浮かべた妙齢の英国女性が身にまとっているのは繊細なレース模様のドレスではなく、全身にほどこされた刺青なのだった。彼女は「刺青師の王様(キング)」と………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2011年02月06日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能 国際

耄碌寸前 [著]森於菟

耄碌寸前 [著]森於菟

■老いを照らす乾いたユーモア  「父の名をはずかしめたくないので、己の能力の限界を知った私は文学よりもむしろ基礎医学の研究生活を選んだ」  収録された二十一の随想、そのうち一編の冒頭である。虚飾を嫌う清潔で抑制のきいた………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2011年01月23日
[ジャンル]文芸

鏡のなかの薄明 [著]苅部直著 

鏡のなかの薄明 [著]苅部直著 

■視界を開く、本との真摯な対話  小熊英二の大著『1968』の論評にはじまり、神田神保町のちいさな喫茶店「きゃんどる」に思いを寄せた文章でおわる。そのあいだに時評、書評、美術評、読書ガイド。悠揚自在ぶりがまず、本書の魅………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2010年12月05日
[ジャンル]文芸 人文

明るい原田病日記―私の体の中で内戦が起こった [著]森まゆみ

明るい原田病日記―私の体の中で内戦が起こった [著]森まゆみ

■霧を晴らすようにつづる闘病記    この本を手にとるまで「原田病」の病名を聞いたことがなかった。実際にかかった著者自身も知らなかった。病気などしたことがないのに三年前とつぜん視界が崩れ、頭痛、耳鳴り。検査を受けると百………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2010年11月21日
[ジャンル]医学・福祉 ノンフィクション・評伝

夫の死に救われる妻たち [著]ジェニファー・エリソン、クリス・マゴニーグル

夫の死に救われる妻たち [著]ジェニファー・エリソン、クリス・マゴニーグル

■喪失を受けいれる厳粛と優しさ    タイトルはあざといが、原著の副題はとてもおだやかである。「When Death Brings Relief」。直訳すれば「死が安らぎをもたらすとき」。  この「安らぎ」とは、遺(の………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2010年11月14日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

熊―人類との「共存」の歴史 [著]ベルント・ブルンナー

熊―人類との「共存」の歴史 [著]ベルント・ブルンナー

■思索誘う、隔たりとかかわりと    「クマ襲撃」「大量出没」「クマ射殺される」……騒然とする日本の秋だが、熊との距離のとりかたがいまひとつ定まらない。  獰猛(どうもう)な野獣なのか。愛らしいプーさん、テディベアなの………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2010年10月31日
[ジャンル]科学・生物 ノンフィクション・評伝

いちばんここに似合う人 [著]ミランダ・ジュライ

いちばんここに似合う人 [著]ミランダ・ジュライ

■世界にはぐれた、哀しみの短編集  贅沢(ぜいたく)だなあ。ほとんど奇跡みたい。ミランダ・ジュライが文章になってパフォーマンスしているよ。岸本佐知子のおかげで、日本語になってアクトしているよ。映像作品「ボタンのつくり方………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2010年10月17日
[ジャンル]文芸

絶倫食 [著]小泉武夫 

絶倫食 [著]小泉武夫 

■人間の発想力に、随喜の涙  わたし、おののいたんです。  小泉先生ったら、すごい。  いきなり「男の勝負食」だなンて、そんな。  ——もういいですか、すみません。宇能鴻一郎もむっくり、過酷な夏を無事にくぐり抜けた紳士………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2010年09月26日
[ジャンル]科学・生物 医学・福祉

ひそやかな花園 [著]角田光代 

ひそやかな花園 [著]角田光代 

■生の全肯定、あまねく降り注いで  開けたいのに、押せない扉。すくんで昇れない階段。誰のこころのなかにも、ひっそりとなりを潜める暗闇の入りぐちがある。見えないふりをしていても、いっぽう、暗闇は増長して光を塞(ふさ)いで………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2010年09月05日
[ジャンル]文芸

ニッポンの風景をつくりなおせ [著]梅原真/おまんのモノサシ持ちや [著]篠原匡

ニッポンの風景をつくりなおせ [著]梅原真/おまんのモノサシ持ちや [著]篠原匡

■直球勝負、いごっそうデザイナー  でたっ。それも同時に二冊!  わたしはぴょんぴょん跳ねて駆け回りたかった。梅原真はそういうキモチにさせる男です。  一冊はデザインの作品集、もう一冊は仕事の流儀の解説。その副題に「土………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2010年08月22日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

ほろにが菜時記 [著]塚本邦雄著 

ほろにが菜時記 [著]塚本邦雄著 

■「味覚美」に迫る、博覧強記ぶり  わあ贅沢(ぜいたく)だなあ、塚本邦雄の味覚随筆を読めるなんて。粛々と読まなくちゃいけないかしら、と端座して「序」を開いたら、反写実主義を貫いた前衛短歌運動の先鋒(せんぽう)、美の王国………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2010年07月25日
[ジャンル]文芸

ナマコを歩く 現場から考える生物多様性と文化多様性 [著]赤嶺淳

ナマコを歩く 現場から考える生物多様性と文化多様性 [著]赤嶺淳

■ナマコから浮かぶアジアの歴史  ちょうど二十年前、衝撃的な大作ルポルタージュが登場した。文化人類学、歴史学、生物学、民俗学、水産学……縦横に境界を超え、さらには神話の趣をも持ち合わせた。その本こそ鶴見良行著『ナマコの………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2010年07月11日
[ジャンル]科学・生物 ノンフィクション・評伝

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