保阪正康(ノンフィクション作家)の書評

写真:保阪正康さん

保阪正康 (ノンフィクション作家)
ほさか・まさやす。1939年北海道生まれ。ジャーナリスト。著書に『東條英機と天皇の時代』『陸軍省軍務局と日米開戦』『安楽死と尊厳死』『医療崩壊』『官僚亡国―軍部と霞が関エリート、失敗の本質』など。主宰する「昭和史を語り継ぐ会」の会誌「昭和史講座」で菊池寛賞。

漱石を知っていますか [著]阿刀田高

漱石を知っていますか [著]阿刀田高

■独自のものさしで文豪を採点  夏目漱石をどのように読むか。現代文学の主軸に位置する著者が、漱石文学を一作ごとに解剖し、その作品についての採点を試みた異色の書である。  『吾輩は猫である』を皮切りに『明暗』までの13作………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2018年02月18日
[ジャンル]文芸

アメリカの汚名―第二次世界大戦下の日系人強制収容所 [著]リチャード・リーヴス

アメリカの汚名―第二次世界大戦下の日系人強制収容所 [著]リチャード・リーヴス

■憎悪のあらゆる構図を追跡調査  1941年12月、日本軍の真珠湾奇襲攻撃により太平洋戦争が始まった。このときからアメリカ国内(とくに西海岸)に住む日系アメリカ人はどのような状況に置かれたか、その詳細なリポートがアメリ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2018年02月04日
[ジャンル]歴史

戦争調査会―幻の政府文書を読み解く [著]井上寿一

戦争調査会―幻の政府文書を読み解く [著]井上寿一

■資料に語らしめる敗戦の原因  日本はなぜ対米英蘭戦争に突入したのか、国策はいつどの段階で誤ったのか。太平洋戦争の敗戦後、東久邇宮内閣に続いて首相に就任した幣原喜重郎は、自らの内閣でこの解明を行うことが歴史的使命だと考………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2018年01月21日
[ジャンル]歴史 政治

改訂を重ねる『ゴドーを待ちながら』―演出家としてのベケット [著]堀真理子

改訂を重ねる『ゴドーを待ちながら』―演出家としてのベケット [著]堀真理子

■20世紀後半の人間示す不条理劇  登場人物は大人の男性四人、少年一人。「初老の浮浪者らしい男二人が、ゴドーという名前の何者かを待っている」、そこへ地主と奴隷と称する男が登場、四人のやりとり、次に少年が現れ、「ゴドーさ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年12月17日
[ジャンル]文芸

学童集団疎開―受入れ地域から考える [著]一條三子

学童集団疎開―受入れ地域から考える [著]一條三子

 「学童疎開促進要綱」が閣議決定されたのは1944年6月、縁故疎開を原則としつつ帝都の児童(3年生以上)は集団疎開させる内容だ。もともと消極的な軍部もサイパン陥落で本土空襲が想定されるとそうは言っておられなくなった。  ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年12月03日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ナチの子どもたち―第三帝国指導者の父のもとに生まれて [著]タニア・クラスニアンスキ

ナチの子どもたち―第三帝国指導者の父のもとに生まれて [著]タニア・クラスニアンスキ

■憎むか正当化か、両極の葛藤  ヒトラーを支えた第三帝国の指導者たち、彼らを「父」にもった子どもたちはどのような生き方を強いられたのか。いや彼らは「父」をどう受けとめたのか。フランス生まれの著述家が、8人の側近の子ども………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年11月26日
[ジャンル]歴史

戦争の大問題―それでも戦争を選ぶのか。 [著]丹羽宇一郎

戦争の大問題―それでも戦争を選ぶのか。 [著]丹羽宇一郎

■歴史を知らずに大人になる不幸  一冊の書はときに生命体になりうる。本書はまさにそうだ。  伊藤忠商事名誉理事、元中国大使、日中友好協会会長、それに幾つかの大学で教鞭(きょうべん)をとる。著者はいわば日本を動かす指導層………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年10月29日
[ジャンル]政治

『写真週報』とその時代(上・下) [編著]玉井清

『写真週報』とその時代(上・下) [編著]玉井清

■国のプロパガンダ多角的に分析  平時と戦時、その違いは何か。価値観、倫理観の逆転現象である。友好が憎悪に変わることであり、そのようなシステムを戦時指導者がつくりあげることである。その手法のひとつが、国民に向けての、写………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年10月08日
[ジャンル]歴史 政治

戦禍に生きた演劇人たち―演出家・八田元夫と「桜隊」の悲劇 [著]堀川惠子

戦禍に生きた演劇人たち―演出家・八田元夫と「桜隊」の悲劇 [著]堀川惠子

 演出家八田元夫(1903〜76)の人生を繙(ひもと)きながら、近代日本の新劇の歴史を俯瞰(ふかん)した書である。演劇人がいかに時代の波に翻弄(ほんろう)されたか、八田と同時代人の丸山定夫、三好十郎、先輩にあたる土方与志………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年10月01日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

戸籍と無戸籍―「日本人」の輪郭 [著]遠藤正敬

戸籍と無戸籍―「日本人」の輪郭 [著]遠藤正敬

■籍に捉われず生きられる社会を  「無戸籍」とは、著者によれば4通りに分類できるそうだ。記載されるべき戸籍に記載されていない、もともと戸籍がない、戸籍から抹消された、記載されていた戸籍が消失した……。この中で一般的なの………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年08月13日
[ジャンル]社会

特高と國體の下で―離散、特高警察、そして内戦 [著]孫栄健

特高と國體の下で―離散、特高警察、そして内戦 [著]孫栄健

■拷問受けた「在日」の心象を描く  1918年2月に朝鮮の慶尚南道に生まれた朴庸徳の歩みを在日3世の著者が追跡調査する。朴は7歳で家族と共に来日、飯場を転々として小学校も12回転校しながら日本社会に身を置く。最下層の仕………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年07月16日
[ジャンル]歴史

中国文化大革命「受難者伝」と「文革大年表」―崇高なる政治スローガンと残酷非道な実態 [共編共著]王友琴・小林一美・安藤正士・安藤久美子

中国文化大革命「受難者伝」と「文革大年表」―崇高なる政治スローガンと残酷非道な実態 [共編共著]王友琴・小林一美・安藤正士・安藤久美子

■道徳心を腐敗させた「人民専政」  文化大革命(文革)は、現代中国の最大の傷である。ある年代以上の中国人の心底には、今なおその悲劇が沈殿していて、私自身、「あの時代は悪夢というより地獄でした」との言を何度も聞いた。  ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年06月25日
[ジャンル]歴史

宮柊二『山西省』論 [著]佐藤通雅

宮柊二『山西省』論 [著]佐藤通雅

 日中戦争下で、山西省は象徴的な意味をもつ。激しい戦闘と軍事上は「戦争」の残酷さを、政治上も戦後は軍閥閻錫山(えんしゃくざん)に組みこまれ日本兵が国共内戦に巻きこまれた。歌人の宮柊二は、この山西省で「一兵」として4年間戦………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年06月11日
[ジャンル]歴史 文芸

昭和解体―国鉄分割・民営化30年目の真実 [著]牧久

昭和解体―国鉄分割・民営化30年目の真実 [著]牧久

■対立となれあい、戦後の縮図  本書のタイトルはなぜ「国鉄解体」ではなく、「昭和解体」なのだろう。その思いで読み進むうちに単に日本国有鉄道や国鉄労働組合(国労)の歴史が昭和を代表しているだけでなく、革命の前哨戦のような………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年05月28日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

父と私 [著]田中眞紀子

父と私 [著]田中眞紀子

 田中角栄の娘として生まれること、その人生は「歴史的証言者」たらざるを得ない。老境の今、著者はその役を果たした。  幼少期から現在までを五章に分け、自立するまでと自立後とを語っていく。父親には、著者をアメリカ留学にだし、………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年05月21日
[ジャンル]政治 ノンフィクション・評伝

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