蜂飼耳(詩人・作家)の書評

写真:蜂飼耳さん

蜂飼耳 (詩人・作家)
はちかい・みみ。1974年生まれ。詩集『いまにもうるおっていく陣地』(中原中也賞)、『食うものは食われる夜』(芸術選奨新人賞)、『顔をあらう水』(鮎川信夫賞)、絵本『うきわねこ』(産経児童出版文化賞ニッポン放送賞)。主な小説集に『紅水晶』、文集に『空席日誌』『おいしそうな草』など。

日本神話はいかに描かれてきたか―近代国家が求めたイメージ [著]及川智早

日本神話はいかに描かれてきたか―近代国家が求めたイメージ [著]及川智早

 『古事記』『日本書紀』などの日本神話や古代説話が、近代においてどのように受容されたかを、雑誌の口絵・挿絵、絵葉書や双六(すごろく)、薬の包み紙などに見られる図像の数々から探る。  研究史的には不毛とされてきた戦前期。し………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年12月03日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

遅れ時計の詩人―編集工房ノア著者追悼記 [著]涸沢純平

遅れ時計の詩人―編集工房ノア著者追悼記 [著]涸沢純平

 関西の重要な文芸専門出版社・編集工房ノアは、独自の判断と価値観を貫いてきた。本書は、その社主である涸沢(からさわ)純平が折に触れて綴(つづ)った著者たちとの交流、追悼の文章などから成る。ひっそりとした佇(たたず)まいの………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年11月26日
[ジャンル]文芸

擬 MODOKI―「世」あるいは別様の可能性 [著]松岡正剛

擬 MODOKI―「世」あるいは別様の可能性 [著]松岡正剛

 編集という行為に、きわめて独特の視点と広がりを与え続けてきた松岡正剛による本書は、ものの見方、とくに日本文化についての柔軟な論から成るエッセイだ。古今東西のさまざまな表現への言及を含みながら自在に積み上げられていく展開………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年11月12日
[ジャンル]社会

中原中也―沈黙の音楽 [著]佐々木幹郎

中原中也―沈黙の音楽 [著]佐々木幹郎

■日本語の「歌」、実作者の目から  中原中也における「歌」の問題を、本書は詩と詩集(『山羊の歌』『在りし日の歌』)の生成過程を独自の見方で追うことにより、従来にないレベルで解き明かす。中也や詩になじみのない読者にも、詩………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年10月29日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

岩塩の女王 [著]諏訪哲史

岩塩の女王 [著]諏訪哲史

■言葉発する行為、正面に見据え  言葉を一つ一つ確かめながら綴(つづ)る。書いては消し、消してはまた書く。そうした営為、言葉を連ねていくことの歓(よろこ)びと苦しみが、ありありと伝わってくる。諏訪哲史の小説集『岩塩の女………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年10月08日
[ジャンル]文芸

あのころのパラオをさがして―日本統治下の南洋を生きた人々 [著]寺尾紗穂

あのころのパラオをさがして―日本統治下の南洋を生きた人々 [著]寺尾紗穂

■心に触れる、ひろやかな考察  1920年から終戦まで日本の統治下にあったパラオについての、取材と考察をまとめた本書は、いまを生きる著者の伸びやかさが持ち味のルポだ。パラオといえば、南洋庁に赴任し現地で暮らした中島敦の………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年09月10日
[ジャンル]歴史

キマイラの原理―記憶の人類学 [著]カルロ・セヴェーリ

キマイラの原理―記憶の人類学 [著]カルロ・セヴェーリ

 近年の人類学は、従来の「自然/社会」「科学/文化」「近代/未開」といった近代的な分割を乗り越えようとする展開を見せている。本書は、人類学者カルロ・セヴェーリの研究を、初めて日本語で翻訳紹介する画期的な一冊。やや難しい箇………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年08月20日
[ジャンル]人文

動物奇譚集1・2 [著]アイリアノス

動物奇譚集1・2 [著]アイリアノス

■蟹や羊の伝承がいざなう遠い旅  生きている間に出会う人間が限られているのと同様、接する機会のある人間以外の生き物もまた限られている。これに気づくとき、自然だけが、人間に自然の前で頭を垂れることを教えられるのだと気づく………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年07月30日
[ジャンル]文芸

最愛の子ども [著]松浦理英子

最愛の子ども [著]松浦理英子

■恋愛?友情?友愛? いいえ…  世の中には恋愛や友情や友愛といった言葉があって、誰でも使うことができる。けれど、人と人との関係をじっと見つめるなら、どれも恐ろしいほどに唯一のものであり、本来的には名付けることなどでき………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年06月18日
[ジャンル]文芸

冬の日誌 、内面からの報告書 [著]ポール・オースター

冬の日誌 、内面からの報告書 [著]ポール・オースター

■生の痕跡から掘り起こす記憶  現代アメリカ文学の重要な作家ポール・オースターによる回想録的作品が二冊、続けて刊行された。『冬の日誌』は〈肉体と感覚〉をめぐる視点、『内面からの報告書』は〈精神〉をめぐる視点から描かれる………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年04月30日
[ジャンル]文芸 人文

松居直と絵本づくり [著]藤本朝巳

松居直と絵本づくり [著]藤本朝巳

 昨年創刊60周年を迎えた月刊絵本「こどものとも」(福音館書店)は名作を送り出してきた。茂田井武(もたいたけし)画の『セロひきのゴーシュ』や瀬田貞二訳『三びきのやぎのがらがらどん』、赤羽末吉画の『かさじぞう』、なかがわり………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年03月26日
[ジャンル]文芸

マティスとルオー 友情の手紙 [編]ジャクリーヌ・マンク

マティスとルオー 友情の手紙 [編]ジャクリーヌ・マンク

■間柄示す、彩り豊かな言葉の橋  マティスもルオーも画家なのだから、後世の受け手はまずは作品だけ観(み)ていればよい、とも言える。けれど、この書簡集に触れた結果、少なくとも私にとっては、それぞれの絵を思い浮かべるときの………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年02月26日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能

メシュガー [著]アイザック・B・シンガー [訳]大崎ふみ子

メシュガー [著]アイザック・B・シンガー [訳]大崎ふみ子

■人間の不可解さを直視する文学  この小説は、第2次世界大戦から7年後のニューヨークを舞台に始まる。戦前にヒトラーとナチズムの迫害を逃れて故郷ポーランドからアメリカへ渡った作家アーロン・グレイディンガーと、ユダヤ難民と………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年02月12日
[ジャンル]文芸

在りし、在らまほしかりし三島由紀夫 [著]高橋睦郎

在りし、在らまほしかりし三島由紀夫 [著]高橋睦郎

■魂の交わりと作品への冷徹な目  現代の最もすぐれた詩人の一人である高橋睦郎がついに、三島由紀夫との交流を一冊にまとめた。文章の他に、講演や対談も収録され、読み応えがある。  第2詩集『薔薇(ばら)の木 にせの恋人たち………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年01月29日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

ジュリエット [著]アリス・マンロー

ジュリエット [著]アリス・マンロー

■人生の分岐点、自然な手つきで  だれの人生にも、いくつもの岐路がある。意識できる分岐点もあれば、気づかないうちにそれが訪れる場合もある。アリス・マンローは、そんな事柄の扱い方と描写に長(た)けている。  読み進めるう………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年01月08日
[ジャンル]文芸

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