末國善己(文芸評論家)の書評

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末國善己 (文芸評論家)

鬼神 [著]矢野隆 / 燕雀の夢 [著]天野純希

鬼神 [著]矢野隆 / 燕雀の夢 [著]天野純希

■乱世の生き方探し、若者が共感    最近は歴史小説も増えている矢野隆だが、頼光四天王と酒呑童子の戦いを新解釈で描いた『鬼神(おにがみ)』は、デビュー作『蛇衆』を思わせる迫力の伝奇活劇である。  足柄山で母と暮らす野生………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年05月07日
[ジャンル]歴史

スウィングしなけりゃ意味がない [著]佐藤亜紀

スウィングしなけりゃ意味がない [著]佐藤亜紀

■反ナチスの悪ガキがあける風穴    ナチスは、青少年を教化し愛国心を育てるため、ヒトラー・ユーゲントを組織した。だがナチス的な規律や美徳に反抗する少年少女もいたようだ。この史実をベースにした本書は、ナチスが「退廃音楽………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年04月16日
[ジャンル]文芸

ぼくのミステリ・クロニクル [著]戸川安宣 [編]空犬太郎

ぼくのミステリ・クロニクル [著]戸川安宣 [編]空犬太郎

 ミステリーファンなら、東京創元社の編集者として数多くの名作を世に出した戸川安宣の名を知らない人はいないのではないか。  本書は、少年の頃に江戸川乱歩の〈少年探偵団〉シリーズを愛読し、編集者時代には1980年代後半から始………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年02月19日
[ジャンル]文芸

土の記(上・下) [著]高村薫

土の記(上・下) [著]高村薫

■自然への畏怖の欠如に一撃  日本が抱えている問題を暴いてきた著者の新作は、農業を題材にしている。  物語の舞台は、奈良県の山間集落。主人公は、交通事故に遭い、長年、植物状態だった妻を半年前に亡くした72歳の伊佐夫であ………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年02月12日
[ジャンル]文芸

月と太陽の盤―碁盤師・吉井利仙の事件簿/カブールの園 [著]宮内悠介

月と太陽の盤―碁盤師・吉井利仙の事件簿/カブールの園 [著]宮内悠介

■推理(ミステリー)も純文学も人類の課題問う  宮内悠介は、『盤上の夜』で日本SF大賞を受賞し、直木賞の候補にもなる鮮烈なデビューを飾った。その後もジャンルを問わず活躍し、先日は「カブールの園」が芥川賞の候補になり話題………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年01月29日
[ジャンル]文芸

Dの殺人事件、まことに恐ろしきは [著]歌野晶午

Dの殺人事件、まことに恐ろしきは [著]歌野晶午

■闇に切り込む、乱歩の意志継承  日本のミステリー史に偉大な足跡を残した江戸川乱歩の名作を、スマホ、人工知能、拡張現実などの最新技術を使ってアレンジした短編集。著者は、約25年前に、発見された乱歩の未発表原稿にまつわる………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年01月22日
[ジャンル]文芸 人文

全裸監督―村西とおる伝 [著]本橋信宏

全裸監督―村西とおる伝 [著]本橋信宏

 アダルトビデオ(AV)の「帝王」であり、今では「前科7犯、借金50億」をウリにしている村西とおる。本書は、AV監督になる前から村西を知る著者による渾身(こんしん)の評伝である。  村西は、福島県から上京し、水商売、英語………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年01月15日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

壁の男 [著]貫井徳郎

壁の男 [著]貫井徳郎

■問いを投げかける“最後の一撃”  貫井徳郎の新作は、陰惨な殺人事件を追うライターが、関係者の意外な過去にたどり着く『愚行録』『微笑(ほほえ)む人』を思わせるテイストになっている。ただ今回の題材は殺人ではなく、町中の壁………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年01月08日
[ジャンル]文芸

最も危険なアメリカ映画 [著]町山智浩

最も危険なアメリカ映画 [著]町山智浩

 人種差別を煽(あお)り、白人労働者階級の心をくすぐる過激な言動で物議を醸したトランプが、アメリカ次期大統領に選ばれた。だが著者は、トランプに熱狂した不寛容で、反知性主義的なアメリカは、既に多くの映画で描かれてきたという………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年12月18日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

死者は語らずとも [著]フィリップ・カー

死者は語らずとも [著]フィリップ・カー

■差別や社会の闇に挑むヒーロー  ナチ嫌いのグンターが活躍するシリーズは、1936年のベルリンに始まり、第5弾は50年のアルゼンチンが舞台となっていた。  第6弾の本書は、第1弾の2年前のエピソードなので、シリーズ初見………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年12月11日
[ジャンル]政治 社会

ニッポン エロ・グロ・ナンセンス―昭和モダン歌謡の光と影 [著]毛利眞人

ニッポン エロ・グロ・ナンセンス―昭和モダン歌謡の光と影 [著]毛利眞人

 昭和初期のモダン文化の特徴は、エロ、グロ、ナンセンスだった。表現の規制を受けながらも小説、映画などで華開いた昭和モダンの中に、色恋が題材のエロ歌謡があったことは、本書を読むまで知らなかった。  著者は、モボ、モガ、カフ………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年12月04日
[ジャンル]文芸 アート・ファッション・芸能

室町無頼 [著]垣根涼介

室町無頼 [著]垣根涼介

■常識を疑う力、閉塞感打ち破る  垣根涼介の2作目の歴史小説は、寛正の土一揆をクライマックスにしている。そのため、南米移民が、自分たちを切り捨てた日本政府に復讐(ふくしゅう)する著者の代表作『ワイルド・ソウル』を思わせ………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年11月27日
[ジャンル]歴史 文芸

分かれ道ノストラダムス [著]深緑野分

分かれ道ノストラダムス [著]深緑野分

 『戦場のコックたち』が高く評価された著者の新作は、ノストラダムスの大予言が注目を集めていた1999年の日本を舞台にした青春ミステリーである。  高1のあさぎは、2年前に死んだ友人・基(もとき)の祖母から、日記を渡される………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年11月13日
[ジャンル]文芸

エスカルゴ兄弟 [著]津原泰水

エスカルゴ兄弟 [著]津原泰水

 幅広いジャンルで活躍している著者の新作は、料理小説。高級なエスカルゴから油揚げにチーズをはさんだ庶民派まで、おいしそうな料理が出てくるので、読めばお腹(なか)がへるだろう。  出版社をリストラされた柳楽尚登は、カメラマ………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年10月30日
[ジャンル]文芸

現代ゲーム全史―文明の遊戯史観から [著]中川大地

現代ゲーム全史―文明の遊戯史観から [著]中川大地

■社会変えた歴史に迫る本格批評  今年6月に出た小山友介『日本デジタルゲーム産業史』(人文書院)など、デジタルゲームの歴史を総括する労作が増えている。本書もその一つで、黎明期(れいめいき)から「ポケモンGO」に至る日米………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年10月09日
[ジャンル]政治 社会

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