末國善己(文芸評論家)の書評

写真:末國善己さん

末國善己 (文芸評論家)

ミライミライ [著]古川日出男

ミライミライ [著]古川日出男

■もう一つの戦後から「今」を見る  太平洋戦争後、ソ連が北海道を占領した。冷戦下に主権を回復した日本は、インドと連邦国家を作る。そして21世紀、本土復帰後もロシアの基地が残った北海道の4人の若者が結成した「最新(サイジ………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2018年03月25日
[ジャンル]文芸

ヒトごろし [著]京極夏彦

ヒトごろし [著]京極夏彦

■思わぬ形で新選組を読み替え    京極夏彦が新選組に挑んだ本書は、“鬼の副長”の異名を持つ土方歳三を人外(にんがい)のモノとして描いている。  といっても、本書はホラーではない。7歳の時、密通した武家の妻が斬殺される………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2018年03月04日
[ジャンル]歴史 文芸

少女を殺す100の方法 [著]白井智之

少女を殺す100の方法 [著]白井智之

 白井智之は、全身に人面瘡(そう)ができる奇病が流行した日本など、グロテスクで特殊な設定を活(い)かしたミステリーで注目を集めている。  著者初の短編集となる本書は、タイトルに偽りなく二十数人の少女が惨殺される5作が収録………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2018年02月25日
[ジャンル]文芸

風神の手 [著]道尾秀介

風神の手 [著]道尾秀介

■うそで複雑にからむ因果の糸  『球体の蛇』『水の柩(ひつぎ)』など、道尾秀介は“嘘(うそ)”が重要な役割を果たす名作を発表しているが、本書はその到達点といえるだろう。  物語の舞台は、松明(たいまつ)の火で鮎(あゆ)………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2018年01月28日
[ジャンル]文芸

大獄―西郷青嵐賦/天翔ける [著]葉室麟

大獄―西郷青嵐賦/天翔ける [著]葉室麟

■このバランス感覚が今必要だ  昨年の12月23日、歴史小説作家の葉室麟氏が急逝された。享年66。まだ早すぎる死が惜しまれてならない。  今年は、明治維新から150年の節目にあたる。それを踏まえて連載を続けていた著者は………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2018年01月14日
[ジャンル]歴史

火定 [著]澤田瞳子

火定 [著]澤田瞳子

■猛威ふるう疫病と社会の闇  古代史ものの歴史小説が増えている。このブームを牽引(けんいん)している澤田瞳子の新作は、直木賞の候補にも選ばれた傑作である。  奈良時代。民を救うために設置された施薬院(せやくいん)と悲田………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2018年01月07日
[ジャンル]歴史 社会

皇帝と拳銃と [著]倉知淳

皇帝と拳銃と [著]倉知淳

 ドラマ「刑事コロンボ」のように、犯人が殺人を実行し、探偵役が完璧に見える犯罪計画のミスを暴くのが倒叙ミステリーである。  狡猾(こうかつ)な犯人と死神のような乙姫警部が頭脳戦を繰り広げる本書は、著者初の倒叙ものの連作集………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年12月17日
[ジャンル]人文

ヒストリア [著]池上永一

ヒストリア [著]池上永一

■沖縄からボリビアへ、魂の奔走  故郷の沖縄を描き続けている著者の4年ぶりの新作は、第2次大戦後に沖縄県人が南米のボリビアに移民した知られざる歴史を題材にした壮大な物語である。  沖縄戦を生き抜いた少女・知花煉(ちばな………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年10月22日
[ジャンル]文芸

いくさの底 [著]古処誠二

いくさの底 [著]古処誠二

■なぜ殺されたのか、苦悩する良心  密室状態にある自衛隊基地の隊長室に盗聴器が仕掛けられるミステリー『UNKNOWN』でデビューした古処誠二だが、近年は戦闘シーンのない戦争小説で注目を集めている。太平洋戦争中のビルマを………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年09月24日
[ジャンル]文芸

フォマルハウトの三つの燭台〈倭篇〉 [著]神林長平

フォマルハウトの三つの燭台〈倭篇〉 [著]神林長平

■奇妙な事件の先に哲学的な問い  神林長平は、SF的な想像力を使い、“私(人間)とは何か”“リアルとは何か”を問い続けてきた。人工知能(AI)が将棋、囲碁のプロに勝利するほど人間の思考を再現し、仮想現実(VR)の技術が………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年08月20日
[ジャンル]文芸

カストロの尻 [著]金井美恵子

カストロの尻 [著]金井美恵子

■芥川的で谷崎的な快楽を味わう  金井美恵子の新作は、谷崎潤一郎や後藤明生らの文章を引用しながら「小説家の『幸福』」について書くエッセイから始まるが、文体も内容もまったく変わっていないのに、いつのまにか短編小説「破船」………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年08月06日
[ジャンル]文芸

PTAという国家装置 [著]岩竹美加子/ある日うっかりPTA [著]杉江松恋

PTAという国家装置 [著]岩竹美加子/ある日うっかりPTA [著]杉江松恋

■経験者が教える変えるヒント  役員を押し付けられた、無駄な仕事が多いなどPTAへの不満は多いのではないか。今回は、公立小学校のPTAで仕事をした経験がある2人の著者が、誰もが抱く疑問に答えてくれるPTA本を紹介したい………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年07月16日
[ジャンル]人文

落語魅捨理全集―坊主の愉しみ [著]山口雅也

落語魅捨理全集―坊主の愉しみ [著]山口雅也

 落語家が探偵だったり、演目がヒントになったりする落語ミステリーは多い。著者5年ぶりの新作も落語ミステリーだが、従来の作品とは一線を画している。  著者は、古典落語と同じ江戸を舞台に、マクラ、本題、サゲと進む落語のルール………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年07月02日
[ジャンル]歴史 文芸

おもちゃ絵芳藤 [著]谷津矢車

おもちゃ絵芳藤 [著]谷津矢車

■一途な絵師がたどり着いた境地  谷津矢車は、27歳だった2013年に、若き日の狩野永徳を描く『洛中洛外画狂伝』でデビューした。その後の活躍は凄(すさ)まじく、『しゃらくせえ鼠小僧伝』『信長さまはもういない』など、戦国………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年06月11日
[ジャンル]歴史 人文 アート・ファッション・芸能

原点 THE ORIGIN―戦争を描く、人間を描く [著]安彦良和、斉藤光政

原点 THE ORIGIN―戦争を描く、人間を描く [著]安彦良和、斉藤光政

■歴史と向き合う団塊世代の人生  安彦良和がメインスタッフを務めた「機動戦士ガンダム」の直撃を受けた世代だ。『クルドの星』でクルド人問題を知るなど、安彦のマンガも愛読している。  そんな自分にとって、丹念な取材のノンフ………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年06月04日
[ジャンル]人文

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