末國善己(文芸評論家)の書評

写真:末國善己さん

末國善己 (文芸評論家)

カストロの尻 [著]金井美恵子

カストロの尻 [著]金井美恵子

■芥川的で谷崎的な快楽を味わう  金井美恵子の新作は、谷崎潤一郎や後藤明生らの文章を引用しながら「小説家の『幸福』」について書くエッセイから始まるが、文体も内容もまったく変わっていないのに、いつのまにか短編小説「破船」………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年08月06日
[ジャンル]文芸

PTAという国家装置 [著]岩竹美加子/ある日うっかりPTA [著]杉江松恋

PTAという国家装置 [著]岩竹美加子/ある日うっかりPTA [著]杉江松恋

■経験者が教える変えるヒント  役員を押し付けられた、無駄な仕事が多いなどPTAへの不満は多いのではないか。今回は、公立小学校のPTAで仕事をした経験がある2人の著者が、誰もが抱く疑問に答えてくれるPTA本を紹介したい………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年07月16日
[ジャンル]人文

落語魅捨理全集―坊主の愉しみ [著]山口雅也

落語魅捨理全集―坊主の愉しみ [著]山口雅也

 落語家が探偵だったり、演目がヒントになったりする落語ミステリーは多い。著者5年ぶりの新作も落語ミステリーだが、従来の作品とは一線を画している。  著者は、古典落語と同じ江戸を舞台に、マクラ、本題、サゲと進む落語のルール………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年07月02日
[ジャンル]歴史 文芸

おもちゃ絵芳藤 [著]谷津矢車

おもちゃ絵芳藤 [著]谷津矢車

■一途な絵師がたどり着いた境地  谷津矢車は、27歳だった2013年に、若き日の狩野永徳を描く『洛中洛外画狂伝』でデビューした。その後の活躍は凄(すさ)まじく、『しゃらくせえ鼠小僧伝』『信長さまはもういない』など、戦国………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年06月11日
[ジャンル]歴史 人文 アート・ファッション・芸能

原点 THE ORIGIN―戦争を描く、人間を描く [著]安彦良和、斉藤光政

原点 THE ORIGIN―戦争を描く、人間を描く [著]安彦良和、斉藤光政

■歴史と向き合う団塊世代の人生  安彦良和がメインスタッフを務めた「機動戦士ガンダム」の直撃を受けた世代だ。『クルドの星』でクルド人問題を知るなど、安彦のマンガも愛読している。  そんな自分にとって、丹念な取材のノンフ………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年06月04日
[ジャンル]人文

鬼神 [著]矢野隆 / 燕雀の夢 [著]天野純希

鬼神 [著]矢野隆 / 燕雀の夢 [著]天野純希

■乱世の生き方探し、若者が共感    最近は歴史小説も増えている矢野隆だが、頼光四天王と酒呑童子の戦いを新解釈で描いた『鬼神(おにがみ)』は、デビュー作『蛇衆』を思わせる迫力の伝奇活劇である。  足柄山で母と暮らす野生………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年05月07日
[ジャンル]歴史

スウィングしなけりゃ意味がない [著]佐藤亜紀

スウィングしなけりゃ意味がない [著]佐藤亜紀

■反ナチスの悪ガキがあける風穴    ナチスは、青少年を教化し愛国心を育てるため、ヒトラー・ユーゲントを組織した。だがナチス的な規律や美徳に反抗する少年少女もいたようだ。この史実をベースにした本書は、ナチスが「退廃音楽………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年04月16日
[ジャンル]文芸

ぼくのミステリ・クロニクル [著]戸川安宣 [編]空犬太郎

ぼくのミステリ・クロニクル [著]戸川安宣 [編]空犬太郎

 ミステリーファンなら、東京創元社の編集者として数多くの名作を世に出した戸川安宣の名を知らない人はいないのではないか。  本書は、少年の頃に江戸川乱歩の〈少年探偵団〉シリーズを愛読し、編集者時代には1980年代後半から始………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年02月19日
[ジャンル]文芸

土の記(上・下) [著]高村薫

土の記(上・下) [著]高村薫

■自然への畏怖の欠如に一撃  日本が抱えている問題を暴いてきた著者の新作は、農業を題材にしている。  物語の舞台は、奈良県の山間集落。主人公は、交通事故に遭い、長年、植物状態だった妻を半年前に亡くした72歳の伊佐夫であ………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年02月12日
[ジャンル]文芸

月と太陽の盤―碁盤師・吉井利仙の事件簿/カブールの園 [著]宮内悠介

月と太陽の盤―碁盤師・吉井利仙の事件簿/カブールの園 [著]宮内悠介

■推理(ミステリー)も純文学も人類の課題問う  宮内悠介は、『盤上の夜』で日本SF大賞を受賞し、直木賞の候補にもなる鮮烈なデビューを飾った。その後もジャンルを問わず活躍し、先日は「カブールの園」が芥川賞の候補になり話題………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年01月29日
[ジャンル]文芸

Dの殺人事件、まことに恐ろしきは [著]歌野晶午

Dの殺人事件、まことに恐ろしきは [著]歌野晶午

■闇に切り込む、乱歩の意志継承  日本のミステリー史に偉大な足跡を残した江戸川乱歩の名作を、スマホ、人工知能、拡張現実などの最新技術を使ってアレンジした短編集。著者は、約25年前に、発見された乱歩の未発表原稿にまつわる………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年01月22日
[ジャンル]文芸 人文

全裸監督―村西とおる伝 [著]本橋信宏

全裸監督―村西とおる伝 [著]本橋信宏

 アダルトビデオ(AV)の「帝王」であり、今では「前科7犯、借金50億」をウリにしている村西とおる。本書は、AV監督になる前から村西を知る著者による渾身(こんしん)の評伝である。  村西は、福島県から上京し、水商売、英語………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年01月15日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

壁の男 [著]貫井徳郎

壁の男 [著]貫井徳郎

■問いを投げかける“最後の一撃”  貫井徳郎の新作は、陰惨な殺人事件を追うライターが、関係者の意外な過去にたどり着く『愚行録』『微笑(ほほえ)む人』を思わせるテイストになっている。ただ今回の題材は殺人ではなく、町中の壁………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年01月08日
[ジャンル]文芸

最も危険なアメリカ映画 [著]町山智浩

最も危険なアメリカ映画 [著]町山智浩

 人種差別を煽(あお)り、白人労働者階級の心をくすぐる過激な言動で物議を醸したトランプが、アメリカ次期大統領に選ばれた。だが著者は、トランプに熱狂した不寛容で、反知性主義的なアメリカは、既に多くの映画で描かれてきたという………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年12月18日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

死者は語らずとも [著]フィリップ・カー

死者は語らずとも [著]フィリップ・カー

■差別や社会の闇に挑むヒーロー  ナチ嫌いのグンターが活躍するシリーズは、1936年のベルリンに始まり、第5弾は50年のアルゼンチンが舞台となっていた。  第6弾の本書は、第1弾の2年前のエピソードなので、シリーズ初見………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年12月11日
[ジャンル]政治 社会

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る