姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)の書評

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姜尚中 (東京大学教授・政治学、政治思想史)
1950年熊本県生まれ。著書に『マックス・ウェーバーと近代』『オリエンタリズムの彼方へ』『姜尚中の政治学入門』『日朝関係の克服』『在日』『ニッポン・サバイバル』『愛国の作法』『悩む力』、共著に『ナショナリズムの克服』など。

韓国 民主化2.0 「二〇一三年体制」を構想する [著]白楽晴 [訳]青柳純一

韓国 民主化2.0 「二〇一三年体制」を構想する [著]白楽晴 [訳]青柳純一

■分断体制をどう克服するのか  竹島(韓国名・独島〈トクト〉)訪問や天皇陛下への謝罪要求など、韓国大統領の言動が波紋を投じているが、その歴史的かつ構造的な背景を知るためには韓国の置かれた分断体制を知ることが不可欠だ。 ………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2012年08月26日
[ジャンル]政治 社会

福島原発事故独立検証委員会調査・検証報告書 [著]福島原発事故独立検証委員会

福島原発事故独立検証委員会調査・検証報告書 [著]福島原発事故独立検証委員会

■「国策民営」の構造と病理を抉る  本書を読み進みながら、まるで丸山真男の「軍国支配者の精神形態」(1949年)を読んでいるような錯覚に襲われた。例外状態によって照らし出される体制のデカダンスという点で、大日本帝国の戦………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2012年05月13日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

失われた二〇世紀(上・下) [著]トニー・ジャット

失われた二〇世紀(上・下) [著]トニー・ジャット

■野蛮と悲劇の時代、知識人たちの航海  ヴァルター・ベンヤミンは「プルーストのイメージについて」で「無意志的記憶」について語っているが、本書はまさしく「追想を横糸に、忘却を縦糸としてなされる、自発的想起」による20世紀………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2012年02月12日
[ジャンル]歴史 人文

カール・ポランニー―市場社会・民主主義・人間の自由 [著]若森みどり

カール・ポランニー―市場社会・民主主義・人間の自由 [著]若森みどり

■産業文明の人間化へ心血を注いだ先駆者  市場経済の行き詰まりと、それを打開すべき民主的政府の無能、原子力など人間の制御能力を超えた巨大技術システムの限界と、経済決定論によって歪(ゆが)められた自由の危機、さらに格差や………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2012年01月08日
[ジャンル]人文

ロールズ 政治哲学史講義1・2 [著]ジョン・ロールズ

ロールズ 政治哲学史講義1・2 [著]ジョン・ロールズ

■率直、簡潔に「正義」を読み解く  本書はロールズによるハーバード大学での講義録であるが、現代の古典(カノン)として名高い『正義論』の読解に不可欠なテキストである。講義という形式のせいか、ロールズは率直かつ簡潔にリベラ………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2011年11月20日
[ジャンル]人文

記憶を和解のために―第二世代に託されたホロコーストの遺産 [著]エヴァ・ホフマン

記憶を和解のために―第二世代に託されたホロコーストの遺産 [著]エヴァ・ホフマン

■親を襲った殺戮、魂の葛藤の軌跡  ホロコースト(ショア)の闇の中で産声をあげ、母親の乳をすするようにその恐怖と悲しみ、いたみの体験を体内に取り入れた子どもたちはどうなるだろうか。おそらく親たちのトラウマと同化しようと………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2011年10月16日
[ジャンル]歴史 社会

アイデンティティと暴力―運命は幻想である [著]アマルティア・セン

アイデンティティと暴力―運命は幻想である [著]アマルティア・セン

■「単一帰属」の幻想を打ち砕く  グローバル経済の格差と貧困を温床とするテロと暴力の連鎖。この、それこそグローバルなテーマにどう向き合ったらいいのか。  本書は、ノーベル経済学賞受賞のセンによる渾身(こんしん)の処方箋………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2011年10月02日
[ジャンル]人文

共同体の救済と病理 [著]長崎浩

共同体の救済と病理 [著]長崎浩

■革命への熱狂が生む、逆ユートピアの悲惨  もっと自由を、もっと共同性を。この救済共同体への渇望が大衆を駆動し、歴史を動かすモメンタムに転化するとき、どのような悲惨な逆ユートピアが待ち構えているのか。この点を明らかにす………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2011年08月21日
[ジャンル]政治 社会

北京のアダム・スミス―21世紀の諸系譜 [著]ジョヴァンニ・アリギ

北京のアダム・スミス―21世紀の諸系譜 [著]ジョヴァンニ・アリギ

  ■欧米こそ「特殊」、野心的な中国論  内部に数々の矛盾を抱えながら昇竜のように台頭する巨大国家、中国はどこに行くのか。その未来を予測することは難しいが、目前の変化から引きのいて、数百年の長期波動でとらえたら、中国の………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2011年07月03日
[ジャンル]国際

金大中自伝1―死刑囚から大統領へ 民主化への道/金大中自伝2―歴史を信じて 平和統一への道 [著]金大中

金大中自伝1―死刑囚から大統領へ 民主化への道/金大中自伝2―歴史を信じて 平和統一への道 [著]金大中

■絶望と希望に満ちた極端な時代の申し子  理想の政治家とはどんな人物をさすのか。マックス・ウェーバーの言葉を借りれば、信条倫理と責任倫理の葛藤に懊悩(おうのう)しながらも、歴史の審判に耐える「結果」をもたらすことのでき………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2011年04月24日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝 国際

未完の平和―米中和解と朝鮮問題の変容 1969〜1975年 [著]李東俊

未完の平和―米中和解と朝鮮問題の変容 1969〜1975年 [著]李東俊

■南北分断の固定化、デタント期に進行  グローバルな冷戦の終結にもかかわらず、なぜ朝鮮半島だけは、「歴史の孤児」のように凍(い)てついた冷戦の厳冬のただ中にあるのか。確かに朝鮮戦争の体験が決定的な影を落としていることは………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2011年02月20日
[ジャンル]歴史 政治 国際

荒廃する世界のなかで―これからの「社会民主主義」を語ろう  [著]トニー・ジャット

荒廃する世界のなかで―これからの「社会民主主義」を語ろう  [著]トニー・ジャット

■政治の軽さ批判した「白鳥の歌」  市場経済を中心とする経済のグローバル化とは、18世紀のフィジオクラート(重農主義者)が主張していたように、自然によって定められた「摂理」のようなものなのか。とすれば、わたしたちは、そ………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2011年01月16日
[ジャンル]歴史 政治 人文

戦後日本人の中国像―日本敗戦から文化大革命・日中復交まで [著]馬場公彦

戦後日本人の中国像―日本敗戦から文化大革命・日中復交まで [著]馬場公彦

■中国という「意味空間」形成の歴史    テレビや雑誌には扇情的な中国イメージが氾濫(はんらん)し、中国という存在それ自体が巨大なリスクと化した感がある。ただ、それが多分に日本人の願望やイメージを反映していることは否定………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2010年12月05日
[ジャンル]歴史 国際

自我の源泉 近代的アイデンティティの形成 [著]チャールズ・テイラー

自我の源泉 近代的アイデンティティの形成 [著]チャールズ・テイラー

■善と結びつき広がる、近代的自我の可能性    本書を読みながら思い出したのは、夏目漱石のことである。小説『こころ』で、自殺する主人公の先生に、自由と独立と己をほしいままにして現代に生きるわれわれはこの寂しさを味わわな………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2010年11月07日
[ジャンル]人文

「日米安保」とは何か [編]藤原書店編集部 [著]塩川正十郎、中馬清福ほか

「日米安保」とは何か [編]藤原書店編集部 [著]塩川正十郎、中馬清福ほか

■平和と繁栄の「安定剤」か脅威か  「日米安保」とは何か。  大戦の勝者と敗者を結びつけ、その締結からおよそ60年近くにわたって存続し続けてきた日米安保は、時間とともに変化し、また同時に変わらなかったとも言える。安保の………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2010年10月03日
[ジャンル]政治 国際

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