田中優子(法政大学教授・近世比較文化)の書評

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田中優子 (法政大学教授・近世比較文化)
1952年横浜市生まれ。専門は江戸近世文化・アジア比較文化。著書に『江戸の想像力』(芸術選奨文部大臣新人賞)『江戸百夢』(サントリー学芸賞)『カムイ伝講義』『布のちから―江戸から現在へ』『樋口一葉「いやだ!」と云ふ』」など。田中優子プライベートサイト

〈世界史〉の哲学 東洋篇 [著]大澤真幸

〈世界史〉の哲学 東洋篇 [著]大澤真幸

■贈与の論理で解く西洋と東洋の違い  「世界史」と聞くと広大すぎて難しそう、と思うかも知れない。そこに「哲学」なのだから敬遠される題名だ。しかし、それではもったいないくらい面白い。  なぜヨーロッパはアジアを凌駕(りょ………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2014年03月02日
[ジャンル]歴史 人文 国際

国家のシロアリ―復興予算流用の真相 [著]福場ひとみ

国家のシロアリ―復興予算流用の真相 [著]福場ひとみ

■生みだすのは国民の無関心  十九兆円の大震災復興予算の大半が、国会議事堂や合同庁舎の修繕をはじめとする、被災地と関係のない事業に使われた。その事実は多くの人が知っている。なぜそんなことが可能だったのか。本書ではその仕………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2014年02月23日
[ジャンル]社会

誕生日を知らない女の子―虐待——その後の子どもたち [著]黒川祥子

誕生日を知らない女の子―虐待——その後の子どもたち [著]黒川祥子

■「根っこが張れる場所」を社会に  本書は虐待の後遺症を、事実をもって詳細に書いたドキュメンタリーである。  本書の最初に「一体どれほど、子どもの側に立って虐待を見ていたのだろう」という著者の述懐がある。私自身もしだい………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2014年02月09日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

バリの息吹―王族と庶民生活の融合 [撮影・文]小野隆彦

バリの息吹―王族と庶民生活の融合 [撮影・文]小野隆彦

■信仰と芸能を愛し、楽しむ日常  単なるバリの観光写真集ではない。副題にあるように、バリの王族が、保護しているその伝統芸能や儀式を軸に、庶民とともに毎日を生きている貴重な記録である。  具体的に言えば、芸術村ウブドの隣………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2014年02月02日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 国際

白洲正子 ひたすら確かなものが見たい [著]挾本佳代

白洲正子 ひたすら確かなものが見たい [著]挾本佳代

■型を通してこそ、個性が現れる  これは白洲正子「論」なのだろうか? 読みながら、白洲正子が触れた日本文化の肌触りを、感じるようになってくる。そのまなざしがとらえたものを、共に見たような気がしてくる。論じているというよ………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2014年01月26日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

復興文化論―日本的創造の系譜 [著]福嶋亮大

復興文化論―日本的創造の系譜 [著]福嶋亮大

■柿本人麻呂から宮崎駿まで  柿本人麻呂から『平家物語』『太平記』『椿説弓張月』、三島由紀夫、太宰治、村上春樹、手塚治虫、宮崎駿まで盛りだくさんの文化論である。壬申の乱から源平合戦、応仁の乱、日露戦争、第二次大戦など数………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2014年01月12日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

ミツバチの会議―なぜ常に最良の意思決定ができるのか [著] トーマス・D・シーリー

ミツバチの会議―なぜ常に最良の意思決定ができるのか [著] トーマス・D・シーリー

■多様な解答を探り、優れた結論へ  コーネル大学で学科長をしている著者は教授会を極めて民主的に運営している。それはミツバチから学んだことなのだ。ではいったいどんな風にミツバチは社会を運営しているのだろう。  本書は、働………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年12月15日
[ジャンル]科学・生物

変り兜―戦国のCOOL DESIGN [著]橋本麻里

変り兜―戦国のCOOL DESIGN [著]橋本麻里

■日本人のデザイン感覚はすごい  とにかく、何はともあれ見て欲しい。日本人のデザイン感覚を改めて「すごい!」と思うはずだ。  兜(かぶと)や甲冑(かっちゅう)は今までも博物館で見ることができた。しかし問題は見せ方である………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年11月17日
[ジャンル]歴史

11/22/63(上・下) [著]スティーヴン・キング

11/22/63(上・下) [著]スティーヴン・キング

■過去を変えれば幸せになるのか  わかりにくい題名だが、つまり一九六三年十一月二十二日という意味だ。この日(日本時間で二十三日祝日)、私は確かにテレビでケネディ暗殺のシーンを見た。親戚の家を訪問中で、その部屋の様子まで………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年11月10日
[ジャンル]文芸

「老年症候群」の診察室―超高齢社会を生きる [著]大蔵暢

「老年症候群」の診察室―超高齢社会を生きる [著]大蔵暢

■人間の全体を見る医療を取り戻す  高齢の母が複数の病院に通い、たくさんの薬を服用していた。それでもひどく具合が悪くなったことがあった。「何かおかしい」と自分で感じていくつかの薬をやめ、いくつかの医療機関をやめたら調子………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年10月27日
[ジャンル]医学・福祉

「曽良旅日記」を読む―もうひとつの『おくのほそ道』 [著]金森敦子

「曽良旅日記」を読む―もうひとつの『おくのほそ道』 [著]金森敦子

■芭蕉らの旅を楽しく追体験  本当に江戸時代の旅をしているようで、わくわくする一冊だ。「曽良(そら)旅日記」とは芭蕉の奥州、北陸の旅に同行した弟子、河合曽良の日記のことである。『おくのほそ道』が再構成された文学であるの………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年10月20日
[ジャンル]文芸

沖縄の自立と日本―「復帰」40年の問いかけ [著]大田昌秀、新川明、稲嶺惠一、新崎盛暉/夕凪の島―八重山歴史文化誌 [著]大田静男

沖縄の自立と日本―「復帰」40年の問いかけ [著]大田昌秀、新川明、稲嶺惠一、新崎盛暉/夕凪の島―八重山歴史文化誌 [著]大田静男

■沖縄の側から日本を語る  『沖縄の自立と日本』は、2012年11月に法政大学でおこなわれたシンポジウムをもとにした本である。  座談会をそのまま起こしたものではない。会場で語られた主張をさらに鮮明にするため、沖縄県知………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年10月13日
[ジャンル]歴史

猿まわし 被差別の民俗学 [著]筒井功

猿まわし 被差別の民俗学 [著]筒井功

■あがめられ差別された祈る人々  人と猿の関係を解く書物は今までにもあった。猿とは何かを民俗学的に解説する書物も存在する。むろん、芸能民としての猿まわしや猿引きについても、民俗芸能のテーマとして、あるいは差別の問題とし………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年10月06日
[ジャンル]歴史

『青鞜』の冒険―女が集まって雑誌をつくるということ [著]森まゆみ

『青鞜』の冒険―女が集まって雑誌をつくるということ [著]森まゆみ

■面白さ・難しさ、「編集」から迫る  平塚らいてうが中心となり、日本で初めて女性たちの手によって刊行された雑誌『青鞜』(一九一一年創刊)を、編集という側面から徹底的に追った本である。表紙、目次、編集後記を丹念にみつめ、………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年08月25日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

メディアとしての紙の文化史 [著]ローター・ミュラー

メディアとしての紙の文化史 [著]ローター・ミュラー

■製紙技術をめぐる発見満載  中国起源の紙はアジアで広まり、パピルスはヨーロッパで広まったと思っていた。しかしそうではなく、パピルスは消え去り、紙が世界を席巻したという。集積された語り物である『千夜一夜物語』も紙に記録………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年08月04日
[ジャンル]歴史

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