赤坂真理(作家)の書評

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赤坂真理 (作家)
1964年東京都生まれ。アート誌の編集長を経て作家デビュー。小説には、毎日出版文化賞と司馬遼太郎賞を受賞した『東京プリズン』、映画化された『ヴァイブレータ』のほか、『蝶の皮膚の下』『ミューズ』(野間文芸新人賞)など。エッセー・評論に『肉体と読書」『モテたい理由』がある。

旧満洲の真実―親鸞の視座から歴史を捉え直す [著]張シン鳳

旧満洲の真実―親鸞の視座から歴史を捉え直す [著]張シン鳳

■痛み伴い描いた美しき異形の国  満洲国というものを、考えてみてほしい。善悪の判断は、ひとまず横において。  1932(昭和7)年2月16日。「奉天(現・瀋陽)のヤマトホテルで『満洲建国会議』が開かれた。(中略)馬占山………[もっと読む]

[評者]赤坂真理(作家)
[掲載]2015年02月22日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

熱風の日本史 [著]井上亮

熱風の日本史 [著]井上亮

■「私たち」動かす「空気」を探る  このごろとみに思うのは、現在の問題を知るには、戦後だけでなく、少なくとも、開国から明治政府の成立期にまでは遡(さかのぼ)らないといけない、ということである。現在の問題のひな型は、すで………[もっと読む]

[評者]赤坂真理(作家)
[掲載]2015年02月15日
[ジャンル]歴史

現代の超克 本当の「読む」を取り戻す [著]中島岳志、若松英輔

現代の超克 本当の「読む」を取り戻す [著]中島岳志、若松英輔

■歴史の現場へ立ち返る批評家  ここ数年、気鋭の批評家と言われる人の本をふと手に取り、たましいが震えるような体験をすることが多くあった。何が起きていたのか。本書を読んで、理解した。私は、「批評の再生」というべきものに立………[もっと読む]

[評者]赤坂真理(作家)
[掲載]2014年10月26日
[ジャンル]人文

浮浪児1945−戦争が生んだ子供たち [著]石井光太

浮浪児1945−戦争が生んだ子供たち [著]石井光太

■存在を消された者たちの物語  「浮浪児」とは主に戦災孤児、戦後最も存在を消された戦争被害者である。子供が生き延びるのは「自己責任」だった。政府は彼らに保護や安全を与える代わりに、「浮浪児狩り」をした。70年代ごろまで………[もっと読む]

[評者]赤坂真理(作家)
[掲載]2014年10月05日
[ジャンル]社会

サイボーグ昆虫、フェロモンを追う [著]神崎亮平

サイボーグ昆虫、フェロモンを追う [著]神崎亮平

■「完全形生物」の驚異的世界  昆虫は、地球上で最も繁栄している種である。いわば、神の手で開発され、自ら進化・適応した完全なサイボーグ。その「最新型」が、そこにいる。唐突なほど自然に、静かに。昆虫にぎょっとする人が多い………[もっと読む]

[評者]赤坂真理(作家)
[掲載]2014年09月21日
[ジャンル]科学・生物

「孟子」の革命思想と日本―天皇家にはなぜ姓がないのか [著]松本健一

「孟子」の革命思想と日本―天皇家にはなぜ姓がないのか [著]松本健一

■あらゆる物語、引き受けうる器  天皇家には、なぜ姓がないの? 子供みたいな問いだからこそ、根源的である。  本書を読み進むにつれ、天皇とは「何者であるかを意図的に隠した」存在であることがわかってくる。松本健一は平明な………[もっと読む]

[評者]赤坂真理(作家)
[掲載]2014年09月14日
[ジャンル]人文

声の世界を旅する [著]増野亜子

声の世界を旅する [著]増野亜子

■体と感情に響く、古き息の歌  声の芸術芸能がなかった民はない。人間は、泣いて生まれてきて、死ぬときに息をひきとる。声とは息。歌は息とともにある人間の、最古の表現の一つだろう。そして最古の歌とは「泣き」であり、それはそ………[もっと読む]

[評者]赤坂真理(作家)
[掲載]2014年08月24日
[ジャンル]人文

小学4年生の世界平和 [著]ジョン・ハンター

小学4年生の世界平和 [著]ジョン・ハンター

■ゲームが育む、勇気、独創、貢献  一人のアフリカ系アメリカ人の男性が、人種差別の1950〜60年代に少年時代を過ごし、あえて白人教区の教会に粘り強く通った両親の静かな勇気を見、ヴェトナム戦争に徴兵される危機を肌身で感………[もっと読む]

[評者]赤坂真理(作家)
[掲載]2014年06月22日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

これを語りて日本人を戦慄せしめよ——柳田国男が言いたかったこと [著]山折哲雄

これを語りて日本人を戦慄せしめよ——柳田国男が言いたかったこと [著]山折哲雄

■人間苦追う「経世済民」の人  経済効率が至上となったこの国で、忘れられたのは、「経済」というまさにその語が、「経世済民(世を経〈おさ〉め民を済〈すく〉う)」の略だったことではないだろうか? 法制局参事官として「経世済………[もっと読む]

[評者]赤坂真理(作家)
[掲載]2014年06月15日
[ジャンル]人文

南方熊楠の見た夢―パサージュに立つ者 [著]唐澤太輔

南方熊楠の見た夢―パサージュに立つ者 [著]唐澤太輔

■「境なき男」の柔らかな肖像  熊楠が取り組んだ領域は膨大だ。ゆえに今まで研究書等を読むと、かえってとりとめないことがあった。全部合わせるとほとんど一人の人間に思えなかったことすらある。  いや。熊楠とは本当に、一人の………[もっと読む]

[評者]赤坂真理(作家)
[掲載]2014年06月08日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

日本を再発明する―時間、空間、ネーション [著]テッサ・モーリス=スズキ

日本を再発明する―時間、空間、ネーション [著]テッサ・モーリス=スズキ

■虚をつく「発明」、明治期の国家  すぐれた外国人研究者による日本研究には、ひとことで、鮮やかに本質をつき、同時に、日本人の虚をつくものがある。この場合、それがすでにタイトルだったので、さらに衝撃的だった。  なぜって………[もっと読む]

[評者]赤坂真理(作家)
[掲載]2014年05月18日
[ジャンル]政治 社会

東北を聴く 民謡の原点を訪ねて [著]佐々木幹郎

東北を聴く 民謡の原点を訪ねて [著]佐々木幹郎

■祈りの空間に耳を傾けてみる  「がんばろう東北」。あなたは本当はそんなことが言いたいのだろうか? 言葉が見つからないだけではないだろうか? ならば、いっそ沈黙し、耳を傾けてみてはどうだろうか。東北に。東北が何を語りか………[もっと読む]

[評者]赤坂真理(作家)
[掲載]2014年05月04日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

数学 想像力の科学 [著]瀬山士郎

数学 想像力の科学 [著]瀬山士郎

■いちばん正確に伝わる外国語  数学の教科書が、この本であればいい! 回り道で理解が深まるからではない。こっちが数学の本質だから。  始まりからしびれる。「数とは想像力の産物だ」。数をものに対応させることはできるが、数………[もっと読む]

[評者]赤坂真理(作家)
[掲載]2014年03月30日
[ジャンル]教育

昭和の子供だ君たちも [著]坪内祐三

昭和の子供だ君たちも [著]坪内祐三

■時代の断層に傷ついた者たち  「世代」をちゃんと定義した世代論を初めて読んだ気がする。物心つく六歳くらいから成人前後にその目に何を映し、どんな空気を吸ったか。それが世代感覚をつくる。  最初の昭和生まれは、終戦の年に………[もっと読む]

[評者]赤坂真理(作家)
[掲載]2014年03月16日
[ジャンル]社会

『ユダ福音書』の謎を解く [著]エレーヌ・ペイゲルス、カレン・L・キング

『ユダ福音書』の謎を解く [著]エレーヌ・ペイゲルス、カレン・L・キング

■イエスの死に異説、新たなユダ像  子供の頃、キリスト教は魅惑的で、少し恐怖だった。その素朴で複雑な感情を言葉にすればこんなだ――“拷問されて死んだ男のイメージを崇(あが)めるとは!?”  イエス・キリストが、ローマ帝………[もっと読む]

[評者]赤坂真理(作家)
[掲載]2014年01月12日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

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