角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)の書評

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角幡唯介 (ノンフィクション作家・探検家)
1976年北海道生まれ。早大探検部OB。朝日新聞退社後に踏査して執筆した『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』で、開高健ノンフィクション賞、大宅賞、梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞。著書に『雪男は向こうからやって来た』(新田次郎文学賞)など。

オートメーション・バカ―先端技術がわたしたちにしていること [著]ニコラス・G・カー

オートメーション・バカ―先端技術がわたしたちにしていること [著]ニコラス・G・カー

■機械任せで加速度的に能力が劣化  ネット検索、スマホにカーナビ。近年、加速度的に進化する情報技術により我々の生活は大きな変貌(へんぼう)をとげた。だが変わったのは生活だけではない。あらゆる作業が自動化(オートメーショ………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2015年03月29日
[ジャンル]政治 社会

ヒトラーと哲学者―哲学はナチズムとどう関わったか [著]イヴォンヌ・シェラット

ヒトラーと哲学者―哲学はナチズムとどう関わったか [著]イヴォンヌ・シェラット

■言葉生み出す行動にも責任を  冒頭に哲学はドイツの文化の象徴であり哲学者は名士であるとの言葉が出てくる。これまで精査されてこなかったナチスと哲学者との関係に著者が切り込んだ背景には、まさにこのような理由があった。ドイ………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2015年03月22日
[ジャンル]人文

さまよえる町—フクシマ曝心地の「心の声」を追って [著]三山喬

さまよえる町—フクシマ曝心地の「心の声」を追って [著]三山喬

■地方に対する中央の無関心を突く  物語は一人の男が群馬県の渡良瀬川を訪ねるシーンから始まる。男が訪ねたのは百年以上前に起きたあの足尾鉱毒事件の現場だ。事件の記念碑を見て男は物思いに沈む。なぜなら彼の故郷は原発事故があ………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2015年01月25日
[ジャンル]社会

「立入禁止」をゆく―都市の足下・頭上に広がる未開地 [著]ブラッドリー・L・ギャレット

「立入禁止」をゆく―都市の足下・頭上に広がる未開地 [著]ブラッドリー・L・ギャレット

■強硬な都市探検で、真の姿を多角的に  以前、新聞記者をしていた時に埼玉県の地下水路を探検したことがある。住宅地を流れる都市河川の源流を探り、記事にするのが名目だったが、本音は単に覗(のぞ)いてみたいだけ。電灯を頼りに………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2015年01月18日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

アルピニズムと死―僕が登り続けてこられた理由 [著]山野井泰史

アルピニズムと死―僕が登り続けてこられた理由 [著]山野井泰史

■死の危険漂う妥協なき人生  山野井泰史が日本登山史上、最も傑出したクライマーであることに異論をはさむ者はいないだろう。単純な登攀(とうはん)技術なら彼より優れている者が何人かいる。しかし彼ほど死の危険を漂わせた者はい………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2015年01月11日
[ジャンル]新書

天人―深代惇郎と新聞の時代 [著]後藤正治

天人―深代惇郎と新聞の時代 [著]後藤正治

■沈思黙考を促し、にじむ余韻  新聞の一面コラムを読み、執筆者の苦悩と呻吟(しんぎん)に思いをはせることがある。コラムは新聞の顔。日々味わい深い文章で時代を切り取らねばならないし、駄文を書くと新聞そのものが読者から見損………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2014年11月09日
[ジャンル]政治 ノンフィクション・評伝

石の虚塔―発見と捏造、考古学に憑かれた男たち [著]上原善広

石の虚塔―発見と捏造、考古学に憑かれた男たち [著]上原善広

■科学的議論ではなく、自己実現の場と化す  毎日新聞による2000年の旧石器捏造(ねつぞう)事件スクープは今も記憶に鮮やかだ。数十万年前の石器を次々と掘り当て「神の手」とまでもてはやされた男が、明け方こっそり偽物を土の………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2014年10月12日
[ジャンル]歴史

ブラックウォーター——世界最強の傭兵企業 [著]ジェレミー・スケイヒル

ブラックウォーター——世界最強の傭兵企業 [著]ジェレミー・スケイヒル

■許されるのか、私企業の武装  戦争とは国と国とが争うものだと常識的に考えていたが、最近ではそうとも限らないらしい。イラク戦争を機にブッシュ政権が要人警護や兵站(へいたん)輸送の分野で民営化をつよく押し進めた結果、世界………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2014年10月05日
[ジャンル]社会

テクニウム テクノロジーはどこへ向かうのか? [著]ケヴィン・ケリー

テクニウム テクノロジーはどこへ向かうのか? [著]ケヴィン・ケリー

■慣性で組織化するテクノロジーの系  最近テクノロジーについていけないと感じることが増えてきた。過剰とも思われる便利さや本当に必要なのかと首を傾(かし)げたくなる複雑な機能。それゆえ煩雑になる日々。その進展は今や使用者………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2014年09月07日
[ジャンル]科学・生物 IT・コンピューター

サルなりに思い出す事など 神経科学者がヒヒと暮らした奇天烈な日々 [著]ロバート・M・サポルスキー

サルなりに思い出す事など 神経科学者がヒヒと暮らした奇天烈な日々 [著]ロバート・M・サポルスキー

■アフリカとの裸のつきあい  ケニヤの森で20年以上にわたりヒヒの群れを観察した神経科学者の回想録だ。裏表紙にある「抱腹絶倒のノンフィクション」という謳(うた)い文句は看板倒れではない。ニヤニヤ笑いが込み上げるという点………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2014年07月20日
[ジャンル]科学・生物 社会

壽屋コピーライター 開高健 [著]坪松博之

壽屋コピーライター 開高健 [著]坪松博之

■庶民を代弁し簡潔に時代を貫く  やっぱり最後は開高健という本好きは少なくないと思う。釣り、酒、旅に酔った自由な生き方。そこから生まれるズドンと腹に堪(こた)える言葉の数々。同じ文筆でメシを食っている人間に自分の文章を………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2014年06月15日
[ジャンル]人文 社会

素顔の孫文―国父になった大ぼら吹き [著]横山宏章

素顔の孫文―国父になった大ぼら吹き [著]横山宏章

■歴史を動かした革命家の実像  三民主義を掲げ、辛亥革命をリードした近代中国の国父孫文。日本の歴史の教科書にも威厳のある口ひげを蓄えて登場するこの偉人が、実は大言壮語ばかりする困った人物だったらしいというのは何かで読ん………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2014年06月08日
[ジャンル]歴史 政治

犬と、走る [著]本多有香

犬と、走る [著]本多有香

■一期一会大事に、人生を楽しむ  なまじっか著者と面識がないわけではないので、実は読む前はこの本の書評をするつもりはあまりなかった。でも読んでみて気が変わった。これはいい本だ。多くの人に紹介されるべき本である。  本書………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2014年06月01日
[ジャンル]人文 社会

おじさんの哲学 [著]永江朗

おじさんの哲学 [著]永江朗

■肩の力を抜いた言葉に説得力  本書でいうおじさんはいわゆるオッサンではなく、父母の兄弟のおじさんのこと。おじさんは父親とちがって自由な風を運んでくれる存在だと誰かから聞いたことがあるが、本書は様々な著述家の言動や考え………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2014年05月11日
[ジャンル]文芸

犬が私たちをパートナーに選んだわけ [著]ジョン・ホーマンズ

犬が私たちをパートナーに選んだわけ [著]ジョン・ホーマンズ

■自然からの使者、関係が一変  この冬、一匹の若い犬を連れて一緒に橇(そり)をひきながらグリーンランド北西部を旅していた。白熊が来た時に吠(ほ)えてもらうための番犬だ。賢いのかどうかはよくわからなかったが、でも複雑な感………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2014年04月20日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

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