萱野稔人(津田塾大学教授・哲学)の書評

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萱野稔人 (津田塾大学教授・哲学)
1970年愛知県生まれ。著書に『国家とはなにか』『カネと暴力の系譜学』『権力の読みかた―状況と理論』『暴力はいけないことだと誰もがいうけれど』『新・現代思想講義 ナショナリズムは悪なのか』など。共著に『「生きづらさ」について 』『没落する文明』など。

成瀬巳喜男 映画の面影 [著]川本三郎

成瀬巳喜男 映画の面影 [著]川本三郎

■目立たなさこそが魅力、実力  よい映画論とはどのようなものだろうか。理論的に、もしくは美学的に、深く映画を分析していくのも映画論のひとつの方向性かもしれない。しかし、対象となっている当の映画をみているような心地よさで………[もっと読む]

[評者]萱野稔人(津田塾大学教授・哲学)
[掲載]2015年03月29日
[ジャンル]文芸

「日本人と英語」の社会学―なぜ英語教育論は誤解だらけなのか [著]寺沢拓敬

「日本人と英語」の社会学―なぜ英語教育論は誤解だらけなのか [著]寺沢拓敬

■根拠のない言説をただす  グローバル化の進展によって英語の必要性はますます高まっている——。教育現場でも、職場でも、マスコミでもよくいわれることだ。こうした言説にはしかし、何の根拠もないことを本書は緻密(ちみつ)なデ………[もっと読む]

[評者]萱野稔人(津田塾大学教授・哲学)
[掲載]2015年03月22日
[ジャンル]政治 社会

日本語の科学が世界を変える [著]松尾義之

日本語の科学が世界を変える [著]松尾義之

■英語に頼らずにすむ知的蓄積  日本語を母語とする人にとって、科学の分野でノーベル賞を受賞するにはどれぐらいの英語力が必要だろうか。たとえば2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英は、その受賞講演会で「アイキャン………[もっと読む]

[評者]萱野稔人(津田塾大学教授・哲学)
[掲載]2015年03月15日
[ジャンル]科学・生物

道徳性の起源—ボノボが教えてくれること [著]フランス・ドゥ・ヴァール

道徳性の起源—ボノボが教えてくれること [著]フランス・ドゥ・ヴァール

■人間と他の霊長類の連続性  人間の思考というのはきわめて自己中心的にできている。地動説を人間がなかなか受け入れられなかったのはその一例だが、いまでも人間を生物のなかで特別な存在だとみなす考えは根づよい。なぜ特別な存在………[もっと読む]

[評者]萱野稔人(津田塾大学教授・哲学)
[掲載]2015年03月01日
[ジャンル]科学・生物

突破者 外伝―私が生きた70年と戦後共同体 [著]宮崎学

突破者 外伝―私が生きた70年と戦後共同体 [著]宮崎学

■自由と共同体の間で揺れて  共同体は自由としばしば対立する。家族でも地縁共同体でもいい。共同体はたしかに個人に居場所を与えてくれるし、いざというときには互助的な精神によって個人を守ってくれる。ただ、その一方で共同体は………[もっと読む]

[評者]萱野稔人(津田塾大学教授・哲学)
[掲載]2014年11月02日
[ジャンル]政治 社会

「サル化」する人間社会 [著]山極寿一

「サル化」する人間社会 [著]山極寿一

■家族は何のため生まれたのか  私たちは家族という集団が人間の社会に存在することを当たり前のことだと思っている。しかし、人間のように一生涯つづく家族をもつ種は動物全体をみてもほかにない。ならば家族は近代社会が生みだした………[もっと読む]

[評者]萱野稔人(津田塾大学教授・哲学)
[掲載]2014年10月05日
[ジャンル]社会

フードトラップ―食品に仕掛けられた至福の罠 [著]マイケル・モス [訳]本間徳子

フードトラップ―食品に仕掛けられた至福の罠 [著]マイケル・モス [訳]本間徳子

■加工食品の「魔力」、取材で示す  よく米国の食事情を表すときに、貧困層ほど肥満が多くエリートほど健康だ、ということが言われるが、はたしてそれは本当なのだろうか。本書を読むと、どうやらそれはある程度本当のようだ。スナッ………[もっと読む]

[評者]ビジネス
[掲載]2014年08月31日

協力と罰の生物学 [著]大槻久

協力と罰の生物学 [著]大槻久

■罰する行動、進化のなかで説明  つくづく人間というのは罰することが好きな生き物だと思う。たとえば日本では死刑を容認する人が8割以上にのぼる(2009年内閣府世論調査)。もちろんそんな大げさな数字をだすまでもなく、私た………[もっと読む]

[評者]萱野稔人(津田塾大学教授・哲学)
[掲載]2014年07月27日
[ジャンル]人文 科学・生物

〈働く〉は、これから―成熟社会の労働を考える [編]猪木武徳

〈働く〉は、これから―成熟社会の労働を考える [編]猪木武徳

■魔法の解決策はないからこそ  日本の社会で、働くということがここまで盛んに論じられるようになった時代もめずらしいかもしれない。拡大する非正規雇用やリストラの問題、ブラック企業の内実、女性の就業や高齢者の雇用など、その………[もっと読む]

[評者]萱野稔人(津田塾大学教授・哲学)
[掲載]2014年05月11日
[ジャンル]経済 社会

自由か、さもなくば幸福か? 二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う [著]大屋雄裕

自由か、さもなくば幸福か? 二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う [著]大屋雄裕

■監視社会化を積極的に評価  全ての人間の身体にGPS機能付きのチップが埋め込まれた社会を想定してみよう。GPSとは、人工衛星を用いてその対象が地球上のどこにいるのかを正確に測定するシステムのことだ。つまり、あらゆる人………[もっと読む]

[評者]萱野稔人(津田塾大学教授・哲学)
[掲載]2014年05月04日
[ジャンル]社会

教養としての冤罪論 [著]森炎

教養としての冤罪論 [著]森炎

■市民が誤判を回避する方法論  人を裁くことには責任がともなう。その責任はこれまで職業裁判官が一手に引き受けてきた。しかし裁判員制度の導入によって、一般市民もそれを引き受けなくてはならなくなった。  これは、もし冤罪(………[もっと読む]

[評者]萱野稔人(津田塾大学教授・哲学)
[掲載]2014年03月30日
[ジャンル]人文 社会

寿命100歳以上の世界―20××年、仕事・家族・社会はこう変わる [著]ソニア・アリソン

寿命100歳以上の世界―20××年、仕事・家族・社会はこう変わる [著]ソニア・アリソン

■150歳まで死なない未来を予測  もし私たちの平均寿命が150歳になったら、生き方や社会のあり方はどのように変わるだろうか。働き方ひとつとっても、65歳定年とはいかなくなるだろう。家族についても、孫やひ孫だけでなく玄………[もっと読む]

[評者]萱野稔人(津田塾大学教授・哲学)
[掲載]2014年01月19日
[ジャンル]科学・生物 社会

人類が絶滅する6のシナリオ もはや空想ではない終焉の科学 [著]フレッド・グテル

人類が絶滅する6のシナリオ もはや空想ではない終焉の科学 [著]フレッド・グテル

■地球史レベルでみる「私たち」  人類の絶滅というとどこかSF的な話にしか聞こえないかもしれない。しかし、たとえば1億年後にも人類が生存していると断言できる人はどれぐらいいるだろうか。なにしろ地球に生命が誕生してから4………[もっと読む]

[評者]萱野稔人(津田塾大学教授・哲学)
[掲載]2013年11月24日
[ジャンル]科学・生物

北方領土・竹島・尖閣、これが解決策 [著]岩下明裕

北方領土・竹島・尖閣、これが解決策 [著]岩下明裕

■「国境とは何か」が見えてくる  本書の著者はかつて『北方領土問題』(中公新書)で北方領土の「三島返還」を提起し、マスコミや国政をも巻き込んだ議論を引き起こした。その議論は著者の予想を超えてセンセーショナルにあつかわれ………[もっと読む]

[評者]萱野稔人(津田塾大学教授・哲学)
[掲載]2013年10月06日
[ジャンル]歴史 国際

炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす [著]佐藤健太郎

炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす [著]佐藤健太郎

■希少元素をめぐる人類の争い  炭素は人類にとってなくてはならない元素である。人類の存在はまさに炭素のもとでなりたっているとさえいっていい。たとえば人体から水分を除いた体重の半分は炭素によって占められているという。人類………[もっと読む]

[評者]萱野稔人(津田塾大学教授・哲学)
[掲載]2013年09月29日
[ジャンル]科学・生物

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