佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)の書評

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佐々木敦 (批評家・早稲田大学教授)
1964年名古屋市生まれ。映画、音楽、小説やサブカルチャーの評論を手がける。雑誌「エクス・ポ」「ヒアホン」編集人。著書に『「批評」とは何か? 批評家養成ギブス』『即興の解体/懐胎 演奏と演劇のアポリア』『小説家の饒舌』『批評時空間』など。音楽レーベル「HEADZ」代表。

フューチャー・オブ・マインド―心の未来を科学する [著]ミチオ・カク

フューチャー・オブ・マインド―心の未来を科学する [著]ミチオ・カク

■科学の力で「超能力」も現実に?  「ひもの場の理論」で知られる理論物理学者のミチオ・カクは、先端科学の達成を一般向けにわかりやすく解説するノンフィクションを旺盛に執筆してきた。『サイエンス・インポッシブル』は、SF小………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2015年03月29日
[ジャンル]科学・生物

教団X [著]中村文則

教団X [著]中村文則

■思索と欲望、人間の底抉る戯画  狭義の「文学」の範疇(はんちゅう)には留まらない話題作、問題作を連発している中村文則だが、彼のキャリアにおいて最も長大なこの小説は、極めつきの問題作と言っていいだろう。  とつぜん消え………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2015年03月01日
[ジャンル]文芸

批評メディア論―戦前期日本の論壇と文壇 [著]大澤聡

批評メディア論―戦前期日本の論壇と文壇 [著]大澤聡

■浮動する言葉たち 現在の状況に酷似  本書の企図はある意味でシンプルだ。それは一行目に掲げられている。「言論でも思想でもよい。もちろん批評でも。それらの名に値する営為は日本に存在しただろうか?」。存在した、とも、存在………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2015年02月15日
[ジャンル]政治 社会

営繕かるかや怪異譚 [著]小野不由美

営繕かるかや怪異譚 [著]小野不由美

■ひとの想い解放する「建築小説」  この連作短編集の主役は「家」である。いや、すまいと言った方が正しいかもしれない。全六編、いずれの物語でも、それぞれのすまいの中で、或(ある)いはそのすぐそばで、ふと妙な出来事が起こり………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2015年02月08日
[ジャンル]文芸

サラバ!(上・下) [著]西加奈子

サラバ!(上・下) [著]西加奈子

■波瀾万丈、自伝的「和解」の物語  サラバとは、日本語の「さらば」とアラビア語の「マッサラーマ(さようなら)」を掛け合わせて、この小説の語り手である「僕」こと圷(あくつ)(のちに今橋)歩と、彼が小学生の時に家族で住んで………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2015年02月01日
[ジャンル]文芸

ルンタ [著]山下澄人

ルンタ [著]山下澄人

■「生まれてはじめて」の気持ちで  「ルンタ」を読むときは、生まれてはじめて小説を読むような、いや、生まれてはじめて言葉を読むような気持ちで読まなくてはならない。今まで読んできたあらゆる言葉を、文章を、物語を、小説を、………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2015年01月18日
[ジャンル]文芸

キャプテンサンダーボルト [著]阿部和重、伊坂幸太郎

キャプテンサンダーボルト [著]阿部和重、伊坂幸太郎

■才気と技術が融合した合作  合作小説という試み、先例がないわけではない。だが、阿部和重と伊坂幸太郎という、当代きっての人気作家二人の合作となると、話は別である。期待するなという方が無理な話だし、ともすれば期待は膨らみ………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2015年01月11日
[ジャンル]文芸

古事記―日本文学全集01 [訳]池澤夏樹

古事記―日本文学全集01 [訳]池澤夏樹

■脚注と文体、野心的な新訳  「日本文学全集」の第一巻として、この全集の個人編集を手掛ける池澤夏樹自身の訳による『古事記』が登場した。日本最古の「文学」といわれる『古事記』の現代語訳には幾つもの偉業が存在しているが、本………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2014年12月21日
[ジャンル]歴史

献灯使 [著]多和田葉子

献灯使 [著]多和田葉子

■震災後の不吉な未来を予言  本書収録の「不死の島」を最初に読んだときの、深く暗い深淵(しんえん)にたたき落とされるような衝撃は、今も忘れられない。東日本大震災と原発事故以後の時間に小説家たちがどう対峙(たいじ)するか………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2014年12月14日
[ジャンル]文芸

朝露通信 [著]保坂和志

朝露通信 [著]保坂和志

■とめどなく語られる記憶の塊  「たびたびあなたに話してきたことだが僕は鎌倉が好きだ」。こんな印象的な一文から本作は開始される。だが呼び掛けられた筈(はず)の「あなた」はあっけなく姿を消してしまい、それから「僕」は三歳………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2014年12月07日

処刑までの十章/女王 [著]連城三紀彦

処刑までの十章/女王 [著]連城三紀彦

■たおやかで繊細、「物語り」の大技  ごく短い掌編であれ、大作であれ、連城三紀彦の小説はどれも、とにかく大技という感じがする。強烈な芳香を放つ謎と、めくるめくどんでん返しの連続は、この作家のトレードマークだったが、その………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2014年11月30日
[ジャンル]文芸

トリュフォー—最後のインタビュー [著]山田宏一、蓮實重彦

トリュフォー—最後のインタビュー [著]山田宏一、蓮實重彦

■映画愛に満ちた会話の応酬  フランソワ・トリュフォーは、一九八四年に五十二歳の若さで亡くなった仏の映画監督。ゴダールやシャブロルと同じくヌーヴェルヴァーグの一員であり、没後三十年となる今年、日本でも映画祭が行われ、長………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2014年11月23日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

渋谷系 [著]若杉実

渋谷系 [著]若杉実

■今はなき音楽都市へのレクイエム  渋谷系とは、90年代前半に音楽シーンを席巻した、当時次々と現れた新鋭ミュージシャンによる一連のポップ・ミュージックを指す。なぜ渋谷なのかといえば、彼らが渋谷出身だったからでも、渋谷を………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2014年11月09日
[ジャンル]文芸 アート・ファッション・芸能

繁栄の昭和 [著]筒井康隆

繁栄の昭和 [著]筒井康隆

■過去を慈しむ過激な前衛  冒頭に置かれた表題作では、モダンな二階建ての、法律事務所と探偵社と芸能事務所が入居しているビルで、殺人事件が起こる。法律事務所で経理をしている「私」は、あれこれ推理をめぐらせる。彼女は探偵小………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2014年11月02日
[ジャンル]文芸

離陸 [著]絲山秋子

離陸 [著]絲山秋子

■時空をも超え、はるか遠くへ  絲山秋子の小説はいつも、始まりからは想像もつかないほどの遠くへと、読者を連れてゆく。その「遠く」を示すのは、登場人物の関係の変化であったり、意想外のストーリーであったり、エモーショナルな………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2014年10月26日
[ジャンル]文芸

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