佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)の書評

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佐倉統 (東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
1960年東京都生まれ。進化生物学を軸に、生物学史、科学技術論、科学コミュニケーション論を専門とする。著書に『現代思想としての環境問題』『進化論の挑戦』『進化論という考えかた』『「便利」は人を不幸にする』など。

復興ストレス 失われゆく被災の言葉 [著]伊藤浩志 / 理性の起源 賢すぎる、愚かすぎる、それが人間だ [著]網谷祐一 / モラルの起源 実験社会科学からの問い [著]亀田達也

復興ストレス 失われゆく被災の言葉 [著]伊藤浩志 / 理性の起源 賢すぎる、愚かすぎる、それが人間だ [著]網谷祐一 / モラルの起源 実験社会科学からの問い [著]亀田達也

■情動や共感こそ心の基盤  科学は人の心にどこまで迫れるか? さまざまな角度から、さまざまな方法を使って肉薄した3冊をまとめて御紹介する。  自身の社会心理学的な研究を中心に、進化論や社会哲学を射程に入れつつ考察を進め………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年05月07日
[ジャンル]科学・生物

ロボットの歴史を作ったロボット100 [著]アナ・マトロニック

ロボットの歴史を作ったロボット100 [著]アナ・マトロニック

■問題知る手がかり、空想世界に  ロボット博物誌のバイブルだ。科学や技術について考える際には想像力が必須だということを、改めて思い知らせてくれる。  タイトルのとおり、ロボットが次から次へと出てくる。最初の4分の3は架………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年04月23日
[ジャンル]科学・生物

世界を変える「デザイン」の誕生―シリコンバレーと工業デザインの歴史 [著]バリー・M・カッツ

世界を変える「デザイン」の誕生―シリコンバレーと工業デザインの歴史 [著]バリー・M・カッツ

 ぼくの妻は機械音痴だが、はじめてマッキントッシュを触ったとき、もっと早くこのパソコンを使いたかったと言った。そう、マックはユーザーに心地よさをもたらすのだ。このような製品が、どういう経緯で実現するに至ったのか。本書はシ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年04月09日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

科学報道の真相 ジャーナリズムとマスメディア共同体 [著]瀬川至朗

科学報道の真相 ジャーナリズムとマスメディア共同体 [著]瀬川至朗

 科学ジャーナリズムは、複雑化する科学技術を一般に分かりやすく伝える重要な社会的役割を担っている。しかし、専門家からは不正確と批判され、一般社会からは難解と敬遠され、あまり評判がよろしくない。  なぜそうなるのか? どう………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年04月02日
[ジャンル]科学・生物

クラウド時代の思考術―Googleが教えてくれないただひとつのこと [著]ウィリアム・パウンドストーン

クラウド時代の思考術―Googleが教えてくれないただひとつのこと [著]ウィリアム・パウンドストーン

■適切な「検索」、知識・能力が必要  アメリカ人、とくにミレニアル世代がどんどんバカになっている。いや、ぼくが言っているのではない、この本にそう書いてあるのだ。著者は高名な科学ライター、彼自身の調査を含む多くのデータに………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]経済 IT・コンピューター

ふわとろ―SIZZLE WORD 「おいしい」言葉の使い方 [編]B・M・FTことばラボ

ふわとろ―SIZZLE WORD 「おいしい」言葉の使い方 [編]B・M・FTことばラボ

 食べ物の味を言葉で表すのは、とても難しい。その食べ物を食べたことのない人に、はたして言葉だけで美味(おい)しさや特徴を伝えることができるのだろうか。  この本は、そういった味覚の言語表現について、いろいろな角度から迫っ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年01月08日
[ジャンル]人文

生命、エネルギー、進化 [著]ニック・レーン

生命、エネルギー、進化 [著]ニック・レーン

■科学の力強さ、ストレートに  ここ数年、いや10年間に読んだ中で、科学のおもしろさと力強さをもっともストレートに伝えてくれる本だ。  生命の起源とその複雑化の過程について、現在わかる範囲でのもっとも具体的かつ詳細な解………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年12月11日
[ジャンル]科学・生物

ヒトラーと物理学者たち―科学が国家に仕えるとき [著]フィリップ・ボール

ヒトラーと物理学者たち―科学が国家に仕えるとき [著]フィリップ・ボール

■改めて問われる研究者の政治観  戦争における科学者の社会的責任は何か? この古くて新しい課題を、ヒトラー政権下でドイツの物理学者たちがどのように活動したかを題材として、綿密かつ明快に解き明かす。  著者は、科学雑誌『………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年11月13日
[ジャンル]歴史 政治 科学・生物

外来種は本当に悪者か?新しい野生 THE NEW WILD [著]フレッド・ピアス [訳]藤井留美

外来種は本当に悪者か?新しい野生 THE NEW WILD [著]フレッド・ピアス [訳]藤井留美

■絶賛と否定、評価割れる話題作  すでに多くの書評が出て、ネット上でもなにかと話題の本である。評価は絶賛と全否定と、真っ二つに分かれている。ここではそれを踏まえて、論じたい。  本書の内容は以下の通りだ。自然保護運動で………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年10月23日
[ジャンル]科学・生物 社会

ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす―ビッグデータの残酷な現実 [著]C・ラダー

ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす―ビッグデータの残酷な現実 [著]C・ラダー

 著者は出会いサイトの運営者、邦題は安っぽいハウツー本のようとくれば、いかがわしい本と思われるかもしれないが、あにはからんや、中身はいたって真っ当なデータサイエンスの入門書だ。統計や手法の詳細には触れられていないが、ほと………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年10月09日
[ジャンル]科学・生物

文字を作る仕事 [著]鳥海修

文字を作る仕事 [著]鳥海修

 爽涼たる書体(フォント)デザイナー鳥海修の半自伝。ヒラギノや游書体を作った人だ。いずれも、すっきりとしていて読みやすく、それでいて心に刻み込まれる書体である。怜悧(れいり)にして清澄な湧き水を連想させる。  鳥海は、文………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年09月11日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 IT・コンピューター

世界の不思議な音 [著]トレヴァー・コックス

世界の不思議な音 [著]トレヴァー・コックス

■「理」と「情」で解き明かす音文化  〈音〉を言葉で説明するのは難しい。自然の音や楽音はさまざまな情感を呼び起こすから論理的に解説しづらく、いきおい、情感と理屈のバランスが取りにくくなる。だがこの本は、音について語ると………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年08月14日
[ジャンル]人文 科学・生物

未確認動物UMAを科学する [著]D・ロクストン、D・R・プロセロ

未確認動物UMAを科学する [著]D・ロクストン、D・R・プロセロ

■“それ”を見させるものは何か?  雪男。ネッシー。一度でいいから見てみたい。考えただけでワクワクしてくる。だが残念なことに、どちらもこの世には存在しない。目撃談はたくさんあるが、信頼できる証拠は皆無だ。  本書は、未………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年07月24日
[ジャンル]人文

科学の発見 [著]スティーヴン・ワインバーグ 科学の経済学 [著]ポーラ・ステファン 科学の曲がり角 [著]フィン・オーセルー

科学の発見 [著]スティーヴン・ワインバーグ 科学の経済学 [著]ポーラ・ステファン 科学の曲がり角 [著]フィン・オーセルー

■「科学とは何か?」への挑戦  科学とは何か? それはどのように発展し、その知識にはどのような特徴があるのか?  ノーベル物理学賞を受賞したワインバーグは、科学知識そのものに注目し、いわば科学を「内側」から眺めてその軌………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年07月03日
[ジャンル]科学・生物

明治のワーグナー・ブーム―近代日本の音楽移転 [著]竹中亨

明治のワーグナー・ブーム―近代日本の音楽移転 [著]竹中亨

 クラシック音楽は好きだがワーグナーは苦手で、2番目に嫌いな作曲家だ。それが明治時代後半に大ブームになっていたという。その理由やいかに?が本書のテーマだが、ワーグナーの出番はごくわずか。むしろ、西洋音楽導入に格闘した明治………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年06月26日

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