佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)の書評

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佐倉統 (東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
1960年東京都生まれ。進化生物学を軸に、生物学史、科学技術論、科学コミュニケーション論を専門とする。著書に『現代思想としての環境問題』『進化論の挑戦』『進化論という考えかた』『「便利」は人を不幸にする』など。

ライト兄弟―イノベーション・マインドの力 [著]デヴィッド・マカルー

ライト兄弟―イノベーション・マインドの力 [著]デヴィッド・マカルー

■発明には「がまん」が必要なのだ  この本を読まずしてイノベーションを語るなかれ。人類初の動力飛行に成功したライト兄弟の本格的な伝記である。かの有名な兄弟のこと、伝記はたくさんあるだろうと思いきや、日本語では子供向けの………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年08月13日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ちいさな国で [著]ガエル・ファイユ

ちいさな国で [著]ガエル・ファイユ

 人は、なぜ、争うのだろう。なぜ、憎み合うのだろう。誰も幸せにならないのに。そんなことはみんなわかっているのに。  著者はフランスの詩人、ラッパー。ブルンジで生まれ育ち、フツ族とツチ族の民族抗争を逃れてパリに移住した。こ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年07月30日
[ジャンル]文芸

そろそろ、人工知能の真実を話そう [著]ジャン=ガブリエル・ガナシア/人工知能の哲学―生命から紐解く知能の謎 [著]松田雄馬

そろそろ、人工知能の真実を話そう [著]ジャン=ガブリエル・ガナシア/人工知能の哲学―生命から紐解く知能の謎 [著]松田雄馬

■AIは人間を凌駕するのか  司会「みなさんこんにちは。今日の激論コーナーは、いま注目のAI、人工知能についてです」  反対派「なんで今回は対談なんですか?」  司会「最近、やわらかい形式の書評が流行なんですよ。〈山室………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年07月23日
[ジャンル]科学・生物 IT・コンピューター

我々みんなが科学の専門家なのか? [著]ハリー・コリンズ

我々みんなが科学の専門家なのか? [著]ハリー・コリンズ

 今の世の中、その道の専門家に頼らなければできないことばかりだけれども、肝心のその専門家が、どうにも信頼できない。私たちは専門家をどのように使いこなせばいいのか? 本書は、専門知や専門家の特徴を分析した導きの糸だ。  著………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年07月09日
[ジャンル]人文 科学・生物

情報と秩序―原子から経済までを動かす根本原理を求めて [著]セザー・ヒダルゴ

情報と秩序―原子から経済までを動かす根本原理を求めて [著]セザー・ヒダルゴ

■話題各種が七変化する複雑系  とっちらかった本である。でもそこが、他書にない強烈な魅力を放っている。テーマはざっくり二つ。経済を情報の自己再生産過程とみなすと何がわかるか。そして、そもそも情報って何なのか。  著者は………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年06月25日
[ジャンル]経済 科学・生物

復興ストレス 失われゆく被災の言葉 [著]伊藤浩志 / 理性の起源 賢すぎる、愚かすぎる、それが人間だ [著]網谷祐一 / モラルの起源 実験社会科学からの問い [著]亀田達也

復興ストレス 失われゆく被災の言葉 [著]伊藤浩志 / 理性の起源 賢すぎる、愚かすぎる、それが人間だ [著]網谷祐一 / モラルの起源 実験社会科学からの問い [著]亀田達也

■情動や共感こそ心の基盤  科学は人の心にどこまで迫れるか? さまざまな角度から、さまざまな方法を使って肉薄した3冊をまとめて御紹介する。  自身の社会心理学的な研究を中心に、進化論や社会哲学を射程に入れつつ考察を進め………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年05月07日
[ジャンル]科学・生物

ロボットの歴史を作ったロボット100 [著]アナ・マトロニック

ロボットの歴史を作ったロボット100 [著]アナ・マトロニック

■問題知る手がかり、空想世界に  ロボット博物誌のバイブルだ。科学や技術について考える際には想像力が必須だということを、改めて思い知らせてくれる。  タイトルのとおり、ロボットが次から次へと出てくる。最初の4分の3は架………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年04月23日
[ジャンル]科学・生物

世界を変える「デザイン」の誕生―シリコンバレーと工業デザインの歴史 [著]バリー・M・カッツ

世界を変える「デザイン」の誕生―シリコンバレーと工業デザインの歴史 [著]バリー・M・カッツ

 ぼくの妻は機械音痴だが、はじめてマッキントッシュを触ったとき、もっと早くこのパソコンを使いたかったと言った。そう、マックはユーザーに心地よさをもたらすのだ。このような製品が、どういう経緯で実現するに至ったのか。本書はシ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年04月09日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

科学報道の真相 ジャーナリズムとマスメディア共同体 [著]瀬川至朗

科学報道の真相 ジャーナリズムとマスメディア共同体 [著]瀬川至朗

 科学ジャーナリズムは、複雑化する科学技術を一般に分かりやすく伝える重要な社会的役割を担っている。しかし、専門家からは不正確と批判され、一般社会からは難解と敬遠され、あまり評判がよろしくない。  なぜそうなるのか? どう………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年04月02日
[ジャンル]科学・生物

クラウド時代の思考術―Googleが教えてくれないただひとつのこと [著]ウィリアム・パウンドストーン

クラウド時代の思考術―Googleが教えてくれないただひとつのこと [著]ウィリアム・パウンドストーン

■適切な「検索」、知識・能力が必要  アメリカ人、とくにミレニアル世代がどんどんバカになっている。いや、ぼくが言っているのではない、この本にそう書いてあるのだ。著者は高名な科学ライター、彼自身の調査を含む多くのデータに………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]経済 IT・コンピューター

ふわとろ―SIZZLE WORD 「おいしい」言葉の使い方 [編]B・M・FTことばラボ

ふわとろ―SIZZLE WORD 「おいしい」言葉の使い方 [編]B・M・FTことばラボ

 食べ物の味を言葉で表すのは、とても難しい。その食べ物を食べたことのない人に、はたして言葉だけで美味(おい)しさや特徴を伝えることができるのだろうか。  この本は、そういった味覚の言語表現について、いろいろな角度から迫っ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年01月08日
[ジャンル]人文

生命、エネルギー、進化 [著]ニック・レーン

生命、エネルギー、進化 [著]ニック・レーン

■科学の力強さ、ストレートに  ここ数年、いや10年間に読んだ中で、科学のおもしろさと力強さをもっともストレートに伝えてくれる本だ。  生命の起源とその複雑化の過程について、現在わかる範囲でのもっとも具体的かつ詳細な解………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年12月11日
[ジャンル]科学・生物

ヒトラーと物理学者たち―科学が国家に仕えるとき [著]フィリップ・ボール

ヒトラーと物理学者たち―科学が国家に仕えるとき [著]フィリップ・ボール

■改めて問われる研究者の政治観  戦争における科学者の社会的責任は何か? この古くて新しい課題を、ヒトラー政権下でドイツの物理学者たちがどのように活動したかを題材として、綿密かつ明快に解き明かす。  著者は、科学雑誌『………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年11月13日
[ジャンル]歴史 政治 科学・生物

外来種は本当に悪者か?新しい野生 THE NEW WILD [著]フレッド・ピアス [訳]藤井留美

外来種は本当に悪者か?新しい野生 THE NEW WILD [著]フレッド・ピアス [訳]藤井留美

■絶賛と否定、評価割れる話題作  すでに多くの書評が出て、ネット上でもなにかと話題の本である。評価は絶賛と全否定と、真っ二つに分かれている。ここではそれを踏まえて、論じたい。  本書の内容は以下の通りだ。自然保護運動で………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年10月23日
[ジャンル]科学・生物 社会

ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす―ビッグデータの残酷な現実 [著]C・ラダー

ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす―ビッグデータの残酷な現実 [著]C・ラダー

 著者は出会いサイトの運営者、邦題は安っぽいハウツー本のようとくれば、いかがわしい本と思われるかもしれないが、あにはからんや、中身はいたって真っ当なデータサイエンスの入門書だ。統計や手法の詳細には触れられていないが、ほと………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年10月09日
[ジャンル]科学・生物

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