本郷和人(東京大学教授・日本中世史)の書評

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本郷和人 (東京大学教授・日本中世史)
1960年東京都生まれ。日本中世政治史、中世古文書学、中世寺院史を専門とする一方、「AKB史」にも明るい。著書に『中世朝廷訴訟の研究』『武士から王へ お上の物語』『天皇はなぜ生き残ったか』『謎とき平清盛』『武士とはなにか 中世の王権を読み解く』など。

琉球王国と戦国大名—島津侵入までの半世紀 [著]黒嶋敏

琉球王国と戦国大名—島津侵入までの半世紀 [著]黒嶋敏

■丹念に追った、変化する関係  1609年、鹿児島藩主の島津家久は、3000人の軍兵を琉球(中山)王国に派遣した。ほとんど戦闘を経ることなく島津軍は首里王城を制圧。国王尚寧(しょうねい)は鹿児島を経て江戸に赴き、徳川将………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2016年03月27日
[ジャンル]歴史 社会

戦国大名の兵粮事情 [著]久保健一郎

戦国大名の兵粮事情 [著]久保健一郎

■武士たちは、いかに食べ、戦ったか  戦争は戦術・戦略・兵站(へいたん)の3要素から成る。戦術とは戦場でどういう作戦をとるかであり、戦略とは政治や外交を含む幅広い視野のこと。対して兵站とは物資(武器や馬など)の補給であ………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2016年03月13日
[ジャンル]歴史

クローザー マリアノ・リベラ自伝 [著]マリアノ・リベラ、ウェイン・コフィー

クローザー マリアノ・リベラ自伝 [著]マリアノ・リベラ、ウェイン・コフィー

■カットボールの名手が大活躍  カットボールをご存じだろうか。速球のようにホームベースに近づき、打者の手元で小さく、鋭く曲がる、もしくは沈む。打者は芯でとらえることができず、空振りするか、凡打に終わる。  この変化球を………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2016年03月06日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

完本 信長私記 [著]花村萬月 信長の肖像 [著]志野靖史

完本 信長私記 [著]花村萬月 信長の肖像 [著]志野靖史

■正面から描く力業、内面理解し軽妙に  織田信長は歴史の変革者である。だが日本史学界は今、信長はごくごく普通の戦国大名だったと大合唱している。唯物史観を信奉する人たちは「英雄はいらない」し、手早く成果が欲しい人たちは、………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2016年02月28日
[ジャンル]歴史 人文

毒親の棄て方 [著]スーザン・フォワード 謎の毒親 [著]姫野カオルコ

毒親の棄て方 [著]スーザン・フォワード 謎の毒親 [著]姫野カオルコ

■呪縛を解けず、まるで妖怪  子どもに精神的、肉体的な害悪を及ぼす親がいる。アメリカの精神医学者スーザン・フォワードはこれを「毒になる親(toxic parents)」と呼び、日本では2013年頃(ごろ)から「毒親(ど………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2016年02月14日
[ジャンル]歴史 社会

異類婚姻譚 [著]本谷有希子

異類婚姻譚 [著]本谷有希子

■夫婦を冷徹に見通す普遍性  異類が婚姻するというタイトルを見たぼくは『南総里見八犬伝』の伏姫(ふせひめ)と八房(やつふさ)のような話かと思って読み始めた。違った。結婚した男と女が自分のろくでもない部分を相手にさらけ出………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2016年02月07日
[ジャンル]文芸

芭蕉の風雅―あるいは虚と実について [著]長谷川櫂

芭蕉の風雅―あるいは虚と実について [著]長谷川櫂

■世俗を超越し、現実の世界に遊ぶ  俳聖・松尾芭蕉の名を知らぬ者はいない。だが俳句の名人・上手という評価は正確ではない。彼はこう言ったという。「(現代でいう)俳句であるならば、私と同じようにうまく詠む人はたくさんいるの………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2016年01月24日
[ジャンル]文芸

ロゴスの市 [著]乙川優三郎

ロゴスの市 [著]乙川優三郎

■「友人で同志」の清冽な交わり  昭和五十五年初夏、「せっかち」な女と「のんびり」な男は大学のサークルで出会った。ともに二十歳・英文科二年生、英語漬けの毎日を送っていた。女がせっかちなのは性分もあろうが、育った家庭の事………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2016年01月10日
[ジャンル]文芸

お菓子の図書館―ドーナツの歴史物語 [著]ヘザー・デランシー・ハンウィック

お菓子の図書館―ドーナツの歴史物語 [著]ヘザー・デランシー・ハンウィック

■愛した国や社会を丹念に追う  ドーナツはむろんご存じだろうが、それを定義すると? これが実にたいへん。「ドーナツとは、卵を加えることもある、(100字略)内側はしっとりふんわり、ケーキのような食感の揚げ菓子をいう」。………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年12月20日
[ジャンル]歴史

〈お受験〉の歴史学 選択される私立小学校 選抜される親と子 [著]小針誠

〈お受験〉の歴史学 選択される私立小学校 選抜される親と子 [著]小針誠

■時代の要望がわかる「教育史」  高校受験、大学受験はみなが知る。中学受験も都市部では普通に行われている。けれども小学受験は他に比べ特殊である。あまり話題にならないし、どの家庭でも参加できるとは、主に経済的理由からいい………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年12月13日
[ジャンル]歴史 教育

我が家のヒミツ [著]奥田英朗

我が家のヒミツ [著]奥田英朗

■家族がいれば、なんとかなる  人生には色々あって一人で生きていくのは時にしんどい。でも家族がいれば、結構何とかなるんだよね……。本を閉じたときに、うまく説明できないのだけれど、というより、あれこれ説明すると台無しとい………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年11月22日
[ジャンル]文芸

民間社会の天と神仏—江戸時代人の超越観念 [著]深谷克己

民間社会の天と神仏—江戸時代人の超越観念 [著]深谷克己

■民衆意識への浸透を実証的に  天と神と仏の「超越観念」が民間社会にどう浸透していったか、民衆は超越観念にいかなる崇敬を捧げたかを、江戸時代を舞台として探る。  著者の視線は為政者ではなく、民衆に注がれる。そのため、当………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年11月15日
[ジャンル]歴史 社会

鬼神の如く―黒田叛臣伝 [著]葉室麟

鬼神の如く―黒田叛臣伝 [著]葉室麟

■「お家騒動」の謎を骨太に追う  江戸時代はじめ、筑前(福岡県)福岡藩の第二代藩主・黒田忠之(有名な軍師・官兵衛の孫)は、倉八十太夫(くらはちじゅうだゆう)を抜擢(ばってき)して専制を行った。そのうちには、大型船の建造………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年11月01日
[ジャンル]歴史

介護民俗学へようこそ!—「すまいるほーむ」の物語 [著]六車由実

介護民俗学へようこそ!—「すまいるほーむ」の物語 [著]六車由実

■「聞き書き」を活かし、共生目指す  著者は気鋭の民俗学者でありつつ、介護の現場で働いている。彼女は今、沼津市のデイサービス、すまいるほーむの管理者を務める。同所には15人のお年寄りが登録していて、かわるがわるやって来………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年10月18日
[ジャンル]社会

“ひとり出版社”という働きかた [編]西山雅子

“ひとり出版社”という働きかた [編]西山雅子

■編集者の思いを本に凝縮  全力投球で10冊、本を書いてきたけど売れないなあ。そうぼやいたら、向かいの席の編集者が呻(うめ)いた。ぼくなんか、キミ並みには誠実な著者10人とつきあっているけどヒットが出ないよ……。  そ………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年10月11日
[ジャンル]政治 人文 社会

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