諸富徹(京都大学教授・経済学)の書評

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諸富徹 (京都大学教授・経済学)
もろとみ・とおる。1968年大阪府生まれ。環境税や政策課税の問題などを研究。著書に『環境税の理論と実際』(国際公共経済学会賞、日本地方財政学会佐藤賞など)『地域再生の新戦略』(日本公共政策学会著作賞)『私たちはなぜ税金を納めるのか 租税の経済思想史』など。

これがすべてを変える―資本主義vs.気候変動(上・下) [著]ナオミ・クライン

これがすべてを変える―資本主義vs.気候変動(上・下) [著]ナオミ・クライン

■経済のあり方根本から新しく  気象庁によれば2016年の世界平均気温は、1891年の統計開始以来、最高記録を3年連続で更新した。日本で頻発する集中豪雨、アメリカを襲う巨大ハリケーン。気候変動の兆候は、いまや誰の目にも………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年10月15日
[ジャンル]経済

ニュースクール―二〇世紀アメリカのしなやかな反骨者たち [著]紀平英作

ニュースクール―二〇世紀アメリカのしなやかな反骨者たち [著]紀平英作

■欧州の知性とリベラルな磁場  第1次世界大戦終結直後の1919年、ニューヨーク市に一風変わった学校が産声を上げた。社会人のための、総合的で実践的な人文社会科学の研究教育を掲げたニュースクール(新学院)である。哲学者デ………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年10月08日
[ジャンル]歴史

「大学改革」という病―学問の自由・財政基盤・競争主義から検証する [著]山口裕之

「大学改革」という病―学問の自由・財政基盤・競争主義から検証する [著]山口裕之

 2004年の国立大学の法人化で、大学への「トップダウン型ガバナンス」導入が図られた。だが、真理を探究する非営利組織としての大学には不適合だと、著者は批判する。  他方、大学の研究教育をめぐる状況は悪化している。大学予算………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年10月01日
[ジャンル]人文

乱流のホワイトハウス―トランプvs.オバマ [著]尾形聡彦

乱流のホワイトハウス―トランプvs.オバマ [著]尾形聡彦

■対極の政権運営、中枢から活写  本書は、米主要メディアとともにホワイトハウス中枢に入り込むことのできた著者が、「大統領の下す決断とは何か」を徹底的に追った、迫真の書だ。  どこの国でも、公式発表された最高権力者の決定………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年09月24日
[ジャンル]政治

人口減少時代の土地問題―「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ [著]吉原祥子

人口減少時代の土地問題―「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ [著]吉原祥子

■有効利用へ実態解明と問題提起  きっかけは、外資の森林買い占めだった。北海道庁は土地売買の事前届け出を義務づけ、登記簿上の土地所有者4千人余に通知した。だが、その45%が宛先不明で戻ってくる。こうした土地の「所有者不………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年09月03日
[ジャンル]社会

東芝 原子力敗戦 [著]大西康之

東芝 原子力敗戦 [著]大西康之

■「国策」の泥沼、責任とるべきは  我々が知りたいのは、東芝の決算をめぐる泥仕合や半導体事業売却の混迷ではなく、なぜこの会社が原発ビジネスの泥沼に引きずり込まれたかだ。本書はまさにこの点に、正面から迫る。  当初、東芝………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年08月27日
[ジャンル]経済

人民元の興亡―毛沢東・トウ小平・習近平が見た夢 [著]吉岡桂子

人民元の興亡―毛沢東・トウ小平・習近平が見た夢 [著]吉岡桂子

■日・中・米、国際通貨の攻防戦  本書は、人民元に加え、東アジア国際通貨システムをめぐる日・中・米3カ国間の熾烈(しれつ)な攻防戦を、ダイナミックに描いた好著だ。  遠い過去のようだが実は最近まで、日中の中央銀行のトッ………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年07月23日
[ジャンル]経済 ノンフィクション・評伝

大不平等―エレファントカーブが予測する未来 [著]ブランコ・ミラノヴィッチ

大不平等―エレファントカーブが予測する未来 [著]ブランコ・ミラノヴィッチ

■グローバル格差は縮小へ  ピケティ『21世紀の資本』以来、久々に格差に関する問題作が現れた。本書は、グローバル化が格差拡大/縮小に与えた影響を、実証的に分析した好著。  著者はまず、グローバル化が加速した年代(198………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年07月16日
[ジャンル]経済

未来の学校―テスト教育は限界か [著]トニー・ワグナー

未来の学校―テスト教育は限界か [著]トニー・ワグナー

■21世紀の優れた授業・評価は  21世紀の世界に巣立っていく子供たちに求められる能力とは何だろうか。そのために学校教育は何を提供すべきか。これらの問いに、正面から回答を試みたのが本書である。  優れた業績を収める著名………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年06月25日
[ジャンル]人文

世界の田園回帰-11カ国の動向と日本の展望 [編著]大森彌、小田切徳美、藤山浩

世界の田園回帰-11カ国の動向と日本の展望 [編著]大森彌、小田切徳美、藤山浩

■「過疎→消滅」にしない取り組み  近年、「限界集落」や「消滅都市」といった言葉が一世を風靡(ふうび)した。だが、事態は本当に「消滅」へと突き進んでいるのか。本書は真っ向からこれに反証を突きつける。むしろ、起きているの………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年06月11日
[ジャンル]社会

グリーンスパンの隠し絵―中央銀行制の成熟と限界 上・下 [著]村井明彦

グリーンスパンの隠し絵―中央銀行制の成熟と限界 上・下 [著]村井明彦

 本書は、第13代米連邦準備制度理事会(FRB)議長を務めたアラン・グリーンスパンの金融政策が彼の哲学・経済学と整合的に理解可能なことを示す労作だ。  著者は、グリーンスパンが私有財産保護、徹底した経済的・政治的自由、そ………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年06月04日
[ジャンル]政治 経済

モラル・エコノミー―インセンティブか善き市民か [著]サミュエル・ボウルズ

モラル・エコノミー―インセンティブか善き市民か [著]サミュエル・ボウルズ

■損得より互恵的価値育む規範を  本書は、リベラルな市民社会の根本原理の解明を目指すという、凄(すさ)まじく野心的な作品だ。利己心の全面開花が許された近代社会で、「それでも社会秩序が成り立つのは、なぜか」と、ヒューム、………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年05月21日
[ジャンル]経済

アメリカ帝国の終焉-勃興するアジアと多極化世界 [著]進藤榮一

アメリカ帝国の終焉-勃興するアジアと多極化世界 [著]進藤榮一

■中心軸の移動、不可避的に進行  トランプ政権の誕生や、英国のEU離脱など、常識を覆す投票結果に我々は驚き、世界で何か大きな地殻変動が起きつつあると気づかされた。だが、まだ新しい国際秩序は見えていない。本書は、歴史の中………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年04月30日
[ジャンル]政治 社会

新潟県知事選では、どうして大逆転がおこったのか。 [著]横田一

新潟県知事選では、どうして大逆転がおこったのか。 [著]横田一

 いまなお、原発再稼働には6割近くの人々が反対している。本書は、柏崎刈羽原発の再稼働が争点となった昨年10月の新潟知事選で、なぜ当初は圧勝が予想された与党候補を破り米山隆一氏が当選できたのか、その背景を浮かび上がらせた大………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年04月16日
[ジャンル]政治

田中正造と足尾鉱毒問題―土から生まれたリベラル・デモクラシー [著]三浦顕一郎

田中正造と足尾鉱毒問題―土から生まれたリベラル・デモクラシー [著]三浦顕一郎

■闘争支えた国家構想、明晰に  本書は、足尾銅山で起きた鉱毒問題をめぐり、その解決に一生を捧げた田中正造の思想と行動を、非常に明晰(めいせき)な文体で解き明かした作品。今では想像しがたいが、銅は明治期日本の主要輸出品の………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]歴史 人文

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