円城塔  (作家)の書評

写真:円城塔  さん

円城塔  (作家)
作家。2016年春より書評委員。

書架の探偵 [著]ジーン・ウルフ

書架の探偵 [著]ジーン・ウルフ

 図書館の棚に、男が一人横になっている。彼はかつて存在した作家の記憶を植えつけられたクローンである。オリジナルはミステリ作家だった。要望があれば貸し出される。  生物学的には人間だが、完全に物として扱われる。制度上、そう………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年08月20日
[ジャンル]文芸

すごい物理学講義 [著]カルロ・ロヴェッリ/ジョルジュ・ペレック―制約と実存 [著]塩塚秀一郎

すごい物理学講義 [著]カルロ・ロヴェッリ/ジョルジュ・ペレック―制約と実存 [著]塩塚秀一郎

■規則の果てに生まれる独創性  世の中には法則がある。  自然法則であれば、自分でつくることはできないから、発見するということになる。理由はわからないなりに、とにかくそうなっている現象を説明しようと試みる。  二十世紀………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年07月30日
[ジャンル]文芸 科学・生物

ソヴィエト・ファンタスチカの歴史 [著]ルスタム・カーツ

ソヴィエト・ファンタスチカの歴史 [著]ルスタム・カーツ

 ソビエト社会主義共和国連邦は、「正しい科学」や「正しい文学」のありかたを国が定めようとした。  結果、「政治的に正しい科学にのっとった空想科学小説」という珍妙な分野が、国の支援の下に花開くことになった。  といったあた………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年07月23日
[ジャンル]歴史

ホサナ [著]町田康

ホサナ [著]町田康

■わかるとはどういうことなのか  いまさらながら、日本語とは不思議なものである。  ちょっとながめるだけでも、漢字と平仮名、片仮名がいりまじっている。なんならアルファベットをまぜることも可能だ。  日本語の文章は明治期………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年07月09日
[ジャンル]人文

なぜ世界中が、ハローキティを愛するのか?―“カワイイ”を世界共通語にしたキャラクター [著]クリスティン・ヤノ

なぜ世界中が、ハローキティを愛するのか?―“カワイイ”を世界共通語にしたキャラクター [著]クリスティン・ヤノ

■謎多いクールジャパンの象徴  百年後にも残っている日本文化はなにかという話をすると、ハローキティかマリオブラザーズではないかとなることが多い。いや日本にはまだまだ素晴らしい文化があると言ってみても、実際に海外の街中で………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年07月02日
[ジャンル]社会

物語論 基礎と応用 [著]橋本陽介

物語論 基礎と応用 [著]橋本陽介

■面白さを技術として解き明かす  好きな小説を一冊、手元に用意して欲しい。  登場人物の名前や、あらすじを言える人は多いだろう。ではそのお話は、三人称で書かれていただろうか、一人称で書かれていただろうか。文章は、過去形………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年06月18日
[ジャンル]文芸

植民地の腹話術師たち―朝鮮の近代小説を読む [著]金哲

植民地の腹話術師たち―朝鮮の近代小説を読む [著]金哲

■言葉の強制、拒否と受容の間  趣味や仕事で外国語を話したり書いたりすることと、強制的に言葉を押しつけられることは根本的に違うできごとである。  なにごとかを強制された場合の反応は一般に、拒否か受容の二つにわかれる。 ………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年05月28日
[ジャンル]文芸

人はこうして「食べる」を学ぶ [著]ビー・ウィルソン

人はこうして「食べる」を学ぶ [著]ビー・ウィルソン

■体が求めるもの、選びとる技術  終章で著者はこう記す。 「食べることは技術である」  本書が示すのは、食べることは本人の嗜好(しこう)に加えて習慣や文化の影響が大きいという事実である。  たとえば、幼児に様々な食品を………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年05月07日
[ジャンル]医学・福祉

系外惑星と太陽系 [著]井田茂

系外惑星と太陽系 [著]井田茂

 夜空に浮かぶ星のまわりにも、惑星が回っているのかどうか。  実に1995年になるまでこの問いの答えはわからなかった。現在では、それ以前の観測技術によっても太陽系とは別の惑星系の発見が可能だったとわかっている。  観測の………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年04月23日
[ジャンル]科学・生物

時間のないホテル[著]ウィル・ワイルズ

時間のないホテル[著]ウィル・ワイルズ

■未来かホラーか、巨大建築の怪  カンファレンスというのはなかなか日本語にしにくい単語で、会議、研究会、セミナー、見本市など多様なものに使われる。  一口にカンファレンス・センターといっても、数千人から数万人、場合によ………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年04月09日
[ジャンル]文芸

ゴジラ幻論―日本産怪獣類の一般と個別の博物誌 [著]倉谷滋

ゴジラ幻論―日本産怪獣類の一般と個別の博物誌 [著]倉谷滋

■フィクションが導く科学の世界  ゴジラを中心に、怪獣を形態学的、進化発生生物学的に考察する本である。  形態学という言葉はあまり耳にしたことがないかもしれない。おおざっぱにいってしまえば、生き物の体をじっくりと観察す………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]科学・生物

脳はなぜ都合よく記憶するのか―記憶科学が教える脳と人間の不思議 [著]ジュリア・ショウ

脳はなぜ都合よく記憶するのか―記憶科学が教える脳と人間の不思議 [著]ジュリア・ショウ

■あなたの思い出、本物ですか?  人間誰しも、自分の記憶力に自信を持っているものだ。メモなんて不要だと思いがちだし、自分の意見はずっと一貫しているとつい考える。  ここで、どうしてそう信じられるのかと問われると、意外に………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]医学・福祉

自生の夢 [著]飛浩隆

自生の夢 [著]飛浩隆

■「すこし・ふしぎ」な思弁的小説  飛浩隆、十年ぶりの作品集である。七編を収録し、これで二〇〇二年以降に発表された短編、中編のうち、書籍に未収録のもの全てとなる。  寡作であるが、収録作のうち二作は、SF読者のファン投………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年02月19日
[ジャンル]文芸

10分後にうんこが出ます―排泄予知デバイス開発物語 [著]中西敦士

10分後にうんこが出ます―排泄予知デバイス開発物語 [著]中西敦士

 うんこは直接的に感情にゆさぶりかけてくる。うんこときくと誰もが顔をしかめたり、軽く笑い出したりするものだ。  著者はそんなうんこが出るタイミングを教えてくれる、携帯可能な装置をつくろうと試みる。資金を集め、試作機をつく………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年02月12日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ユリシーズ 1−12 [著]ジェイムズ・ジョイス

ユリシーズ 1−12 [著]ジェイムズ・ジョイス

■柳瀬尚紀の翻訳が切り開いた道  まだまだ小さかった頃、同じ本に複数の翻訳版があることに戸惑いを覚えた記憶がある。言葉を正確に翻訳すれば、訳文は同じになるはずではないかと素朴に信じていたらしい。  世の中には、複数の翻………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年02月05日
[ジャンル]文芸 人文

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