立野純二(本社論説主幹代理)の書評

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立野純二 (本社論説主幹代理)
本社論説主幹代理。2016年春より書評委員。

ヒルビリー・エレジー―アメリカの繁栄から取り残された白人たち [著]J・D・ヴァンス

ヒルビリー・エレジー―アメリカの繁栄から取り残された白人たち [著]J・D・ヴァンス

■貧困層が蓄えた「怒り」の深層  米国が戦後世界に君臨していた1950年代、黒人作家ラルフ・エリスンが告発的な傑作小説を記した。  『見えない人間』  社会の底辺で、忘れられた存在としての黒人の葛藤を描き、のちの公民権………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2017年05月28日
[ジャンル]政治 社会

THE PIVOT―アメリカのアジア・シフト [著]カート・M・キャンベル

THE PIVOT―アメリカのアジア・シフト [著]カート・M・キャンベル

■米国の思考読み解く重要参考書    トランプ米大統領がシリア政権軍を攻撃した。中国国家主席との会食直前に下した異例の命令だった。  全米メディアの目は瞬時に中国から中東へ移った。太平洋よりも大西洋へと向かう関心の比重………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2017年04月16日
[ジャンル]政治

シリア難民―人類に突きつけられた21世紀最悪の難問 [著]パトリック・キングズレー

シリア難民―人類に突きつけられた21世紀最悪の難問 [著]パトリック・キングズレー

 「人道の危機」が「政治の危機」にすり替えられていないか。大戦後最大の難民問題がいつの間にか、欧米の政治異変として語られている。難民排斥を叫ぶ政治家が報道の主役を占め、当の難民の姿が見えない。  シリアだけで450万人超………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2017年03月12日
[ジャンル]政治 社会

ノーノー・ボーイ [著]ジョン・オカダ

ノーノー・ボーイ [著]ジョン・オカダ

■少数派へ絶望的な踏み絵の問い  見えない少数派。米国でアジア系移民は、そう呼ばれることがある。  行儀がよく、勤勉実直。裏返せば従順で、自己主張しない。黒人、ユダヤ人、南米系とは異質な存在だ。  とりわけ日系人は、社………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2017年01月29日
[ジャンル]文芸

使用人たちが見たホワイトハウス [著]K・A・ブラウワー

使用人たちが見たホワイトハウス [著]K・A・ブラウワー

 欧州の壮麗な宮殿と比べれば、質素というべき国家元首の公館である。装飾は単純で、廊下も狭い。  それなのに独特な重厚感と華やかさが漂う不思議な空間。それが米国のホワイトハウスである。  本書には、その秘密が詰まっている。………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2016年12月11日
[ジャンル]政治 社会

黒い司法―黒人死刑大国アメリカの冤罪と闘う [著]ブライアン・スティーヴンソン

黒い司法―黒人死刑大国アメリカの冤罪と闘う [著]ブライアン・スティーヴンソン

■強権の理不尽さ、和解への希望  米国の社会には、暗黙の「おきて」があった。  白人が人種差別をあらわにすれば、信用を失う。  黒人が社会に怒りをぶちまければ、人生を失う。  大統領選でのトランプ氏の勝利で、白人の不文………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2016年11月13日
[ジャンル]政治 社会 国際

炭坑の絵師―山本作兵衛 [著]宮田昭

炭坑の絵師―山本作兵衛 [著]宮田昭

 国内最大の産炭地だった筑豊は、炭坑(ヤマ)の文化のふるさとである。  過酷な労働と圧制の中にあっても、人情が紡ぐ無数の哀楽の物語があった。  山本作兵衛は、自らヤマの男として生涯を生き、65歳から主に明治・大正の炭坑を………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2016年09月25日
[ジャンル]人文

トランプ現象とアメリカ保守思想―崩れ落ちる理想国家 [著]会田弘継

トランプ現象とアメリカ保守思想―崩れ落ちる理想国家 [著]会田弘継

■南北戦争期の「人種秩序」に源流  どの国にもその成り立ちや過去に由来する葛藤がある。どれほど時代が変わっても拭えない課題があり、歴史の深層を貫く伏流水のように幾度も表出する。  米国の場合、それは人種問題である。民族………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2016年09月11日
[ジャンル]政治 社会

「イスラム国」の内部へ―悪夢の10日間 [著]ユルゲン・トーデンヘーファー

「イスラム国」の内部へ―悪夢の10日間 [著]ユルゲン・トーデンヘーファー

 世界を不条理な暴力が覆っている。動機も背景も不明瞭な殺戮(さつりく)が起きるたび、「イスラム国」(IS)の名が浮かび上がる。  実際は、いつも関与があるわけではない。ISは、理解しがたい反文明的な行動を総称する符丁の言………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2016年08月07日
[ジャンル]社会 国際

スノーデン・ショック―民主主義にひそむ監視の脅威 [著]デイヴィッド・ライアン

スノーデン・ショック―民主主義にひそむ監視の脅威 [著]デイヴィッド・ライアン

■自由の侵食、市民の力を弱める  民主社会がここまで監視と親密に共存できると誰が予想できただろう。  英作家オーウェルは約70年前の「1984年」で、監視を全体主義の象徴として描いた。主人公の男性は体制に抗(あらが)う………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2016年07月10日
[ジャンル]社会

ナパーム空爆史―日本人をもっとも多く殺した兵器 [著]ロバート・M・ニーア

ナパーム空爆史―日本人をもっとも多く殺した兵器 [著]ロバート・M・ニーア

■無差別の残虐、「核」でなくても  「核なき世界」では不十分だ。「戦争なき世界」をめざすべきである。オバマ米大統領は広島で、戦争のモラルを広く求めた。  核の特殊性に閉じこもらず、争いに走る人間の思考を演説の肝にしたの………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2016年06月05日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

「憲法改正」の真実 [著]樋口陽一、小林節

「憲法改正」の真実 [著]樋口陽一、小林節

 日本の憲法を「みっともない」と言う人々がいる。では、彼らが夢見る「美しい国」とは何か。  戦後平和を形づくってきたものを「押しつけ憲法」とさげすむ人々がいる。では、彼らが押しつけようとする「公益」とは何か。  問題はも………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2016年04月24日
[ジャンル]政治 社会

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