佐伯一麦 (作家)の書評

写真:佐伯一麦 さん

佐伯一麦  (作家)
1959年生まれ。作家。2017年4月より書評委員。

琉球文学論 [著]島尾敏雄

琉球文学論 [著]島尾敏雄

 奄美群島内の加計呂麻島を舞台に、島尾敏雄と妻ミホとの戦時下での出会いの物語を越川道夫監督が映画化した「海辺の生と死」の試写を観(み)て、満島ひかりのうたう哀切な島唄に惹(ひ)きつけられた。映画でも唄(うた)われる「やま………[もっと読む]

[評者]佐伯一麦 (作家)
[掲載]2017年07月16日
[ジャンル]社会

永遠の道は曲りくねる [著]宮内勝典

永遠の道は曲りくねる [著]宮内勝典

■生命の連続、宇宙的スケールで  3・11以降のいまを、地球的、いや宇宙的なスケールで描き切った長編小説である。戦争で約20万人の死者があった沖縄の海で始まり、23回の核実験が行われたビキニ環礁の海で終わる物語の主人公………[もっと読む]

[評者]佐伯一麦 (作家)
[掲載]2017年07月02日
[ジャンル]文芸

小林秀雄と河上徹太郎 [著]坂本忠雄

小林秀雄と河上徹太郎 [著]坂本忠雄

 開高健は、5歳下の著者に対しての敬愛を氏らしい言い方で、「“カツアゲ(脅迫)の坂本”と業界で日頃から呼ばれている辣腕(らつわん)家」と表現していた。  1959(昭和34)年から36年間にわたって文芸誌「新潮」の編集部………[もっと読む]

[評者]佐伯一麦 (作家)
[掲載]2017年06月25日
[ジャンル]文芸

開高健-生きた、書いた、ぶつかった!、美酒と黄昏 [著]小玉武

開高健-生きた、書いた、ぶつかった!、美酒と黄昏 [著]小玉武

■定説をやんわり修正して説得力  昭和5(1930)年に生まれ、平成元(89)年に58歳で亡くなった開高健は、昭和という時代と格闘し続けた作家だった。ベトナム戦争への従軍や、アマゾンへの冒険を伴う釣行など、旺盛な行動力………[もっと読む]

[評者]佐伯一麦 (作家)
[掲載]2017年06月11日
[ジャンル]人文

現代子ども文化考―「子ども」に寄り添って [著]山中恒

現代子ども文化考―「子ども」に寄り添って [著]山中恒

 皇国少年たちを描いた「ボクラ少国民」シリーズ、また『転校生』(原作は『おれがあいつで あいつがおれで』)など大林宣彦監督により映画化された作品の原作者として知られる著者は、高校生のときに宮沢賢治の『どんぐりと山猫』を読………[もっと読む]

[評者]佐伯一麦 (作家)
[掲載]2017年05月28日
[ジャンル]人文

日本手話とろう教育―日本語能力主義をこえて [著]クァク・ジョンナン

日本手話とろう教育―日本語能力主義をこえて [著]クァク・ジョンナン

■固有の言語を使う権利の尊重を  ろうの知人から、東日本大震災時の避難所でコミュニケーションがとれず苦労したことを筆談で教えられた。また、会議などで手話通訳が付くことはあるが、たわいもない雑談が交わされているようなとき………[もっと読む]

[評者]佐伯一麦 (作家)
[掲載]2017年05月14日
[ジャンル]政治 医学・福祉 社会

名誉と恍惚 [著]松浦寿輝

名誉と恍惚 [著]松浦寿輝

■スリリングな展開に潜む悦楽  音楽や映画、舞台といった芸術は、作品が要求する物理的な時間に観衆も立ち会うことを余儀なくされる。その点、文学は、読む速度は読者にゆだねられ、切れ切れの時間を繋(つな)いで読み通すことも可………[もっと読む]

[評者]佐伯一麦 (作家)
[掲載]2017年04月23日
[ジャンル]文芸

海と生きる作法 漁師から学ぶ災害観 [著]川島秀一

海と生きる作法 漁師から学ぶ災害観 [著]川島秀一

■恵みと災い、両面受けいれ共生  三陸の気仙沼市出身の民俗学者である著者は、東日本大震災による津波で実家が流失し、母を亡くした。気仙沼は生鮮カツオの水揚げ日本一を誇る港町で、震災の年も宮崎や高知、三重などの漁船が来港し………[もっと読む]

[評者]佐伯一麦 (作家)
[掲載]2017年04月02日
[ジャンル]社会

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