椹木野衣 (美術評論家)の書評

写真:椹木野衣 さん

椹木野衣  (美術評論家)
さわらぎ・のい。1962年生まれ。美術評論家。2017年4月より書評委員。

現代アートとは何か [著]小崎哲哉

現代アートとは何か [著]小崎哲哉

 本書の書き出しは「『現代アートを知りたいと思ったら、まずヴェネツィア・ビエンナーレを観(み)に行けばよい』とよく言われる」。「よく言われる」という留保に本書の特徴が表れている。実際はいきなり行っても混乱するだけだろう。………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2018年05月19日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

エレクトリック・ギター革命史 [著]B・トリンスキー、A・D・ペルナ

エレクトリック・ギター革命史 [著]B・トリンスキー、A・D・ペルナ

■アウトサイダーが育んだ音色  中学生の頃、フォーク・ギターからエレクトリック・ギターに持ち替えた時、あっと驚いてしまった。これが同じギターなのか。音が手元ではなく目の前のアンプから出ている。比べものにならないほど音が………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2018年04月28日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

すごい廃炉―福島第1原発・工事秘録〈2011〜17年〉 [写]篠山紀信 [文]木村駿

すごい廃炉―福島第1原発・工事秘録〈2011〜17年〉 [写]篠山紀信 [文]木村駿

■何も生産しない技術を競い合う  震災後、福島第一原発の視察で構内に入った。緊張して臨んだが、すでに防護服が必要ない場所も多いと聞いて驚いた。「フェーシング」(表面遮水)を始めとする作業が進んだ成果らしい。  ほかにも………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2018年04月21日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

石を聴く―イサム・ノグチの芸術と生涯 [著]ヘイデン・ヘレーラ

石を聴く―イサム・ノグチの芸術と生涯 [著]ヘイデン・ヘレーラ

■孤独を代償に、自由を武器に  イサム・ノグチの凄(すご)さを初めて実感したのは、札幌の郊外にあるモエレ沼公園を訪ねた時のことだった。ノグチはすでに鬼籍に入っていたが、未完ながらその全容は着実に姿を現しつつあった。  ………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2018年04月14日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

すゞしろ日記―参 [著]山口晃

すゞしろ日記―参 [著]山口晃

 すずしろ、とは大根のこと。他に由来があるのかもしれないが、もう3巻目なので触れられていない。当て推量で言えば大根の余白が短冊に似ているからか。その白地によしなしごとを書きつける著者の画文は本巻でいよいよ飄々(ひょうひょ………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2018年03月18日
[ジャンル]文芸

原発災害と地元コミュニティ―福島県川内村奮闘記 [編]鳥越皓之

原発災害と地元コミュニティ―福島県川内村奮闘記 [編]鳥越皓之

■揺れ動く村の姿、克明な記録  3・11から今日でちょうど七年を迎える。私は2015年から自治体の認可する公益事業の一環で定期的に帰還困難区域に入り記録を行ってきた。ここに来て現地は大きく様変わりしている。居住制限区域………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2018年03月11日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

共感のレッスン―超情報化社会を生きる [著]植島啓司、伊藤俊治

共感のレッスン―超情報化社会を生きる [著]植島啓司、伊藤俊治

 かつて対談集『ディスコミュニケーション』を刊行した2人の著者による、なんと30年ぶりの「続編」である。時を経て私たちを巡る環境は激変した。だが全く変わっていないものがある。身体だ。もともと前著のタイトルは、新しいコミュ………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2018年02月11日
[ジャンル]社会

インパール作戦従軍記―葦平「従軍手帖」全文翻刻 [著]火野葦平

インパール作戦従軍記―葦平「従軍手帖」全文翻刻 [著]火野葦平

■実相に極限まで迫る作家の執念  小津安二郎の映画「麦秋」を初めて見たとき、なぜ「麦」なのか考えなかった。内容は小津映画の典型で、婚期を逃した長女(原節子)を抱える家の顛末(てんまつ)が淡々と描かれる。だが、これは戦争………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2018年01月28日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

文化資本―クリエイティブ・ブリテンの盛衰 [著]ロバート・ヒューイソン

文化資本―クリエイティブ・ブリテンの盛衰 [著]ロバート・ヒューイソン

■五輪へ向かう政策、混乱の果て  初めて読むのに、なぜだか既視感を禁じえなかった。クール・ブリタニア、オリンピック招致、オリンピアード、アーツ・カウンシル、そしてレガシー。そう、本書は、1997年にイギリスでブレア政権………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2018年01月14日
[ジャンル]経済

私がアルビノについて調べ考えて書いた本―当事者から始める社会学 [著]矢吹康夫

私がアルビノについて調べ考えて書いた本―当事者から始める社会学 [著]矢吹康夫

■マイナーな語り、多様な受け皿  昨年、大阪の高校で、生まれつき茶色い髪の黒染めを教諭らから何度も強要されたとして、在校の女子生徒が健康被害と精神的な苦痛から訴訟を起こしたのは記憶に新しい。なぜ、そこまでして黒い髪を優………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2018年01月07日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

最後のソ連世代―ブレジネフからペレストロイカまで [著]アレクセイ・ユルチャク

最後のソ連世代―ブレジネフからペレストロイカまで [著]アレクセイ・ユルチャク

■ロックに熱狂した「彼ら」の青春  本書で「最後のソ連世代」とは「ペレストロイカ時に大学入学年齢から三十代だった人」を指す。停滞を代名詞とするブレジネフ時代の落とし子と言ってもいい。だが、ソ連全体でかれらが占める割合は………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年12月17日
[ジャンル]政治 アート・ファッション・芸能

ハーフ・ブリード [著]今福龍太

ハーフ・ブリード [著]今福龍太

■得体の知れぬ混淆の創造力  「ハーフ・ブリード」? 慌てて訳語を充てる前に本そのものに向き合ってみよう。試しにカバーを外してみるのもいい。すると目が吸い込まれるほど深い「赤の本」が姿をあらわす。正しくは赤い本体を持つ………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年12月03日
[ジャンル]人文

他人の始まり 因果の終わり [著]ECD

他人の始まり 因果の終わり [著]ECD

 作者はラッパー。書き下ろしは10年ぶり。「アル中」体験を題材にした前作同様、過酷な状況を他人事(ひとごと)のように突き放す。  だが「なんとなくボンヤリと家族のありさまを書いてみよう」と書き始めたエッセイは、警察からの………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年11月19日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

都市は人なり―Sukurappu ando Birudoプロジェクト 全記録 [著]Chim↑Pom

都市は人なり―Sukurappu ando Birudoプロジェクト 全記録 [著]Chim↑Pom

■野生で切り拓く冒険的なアート  昨今、美術館での展示を巡る表現規制が目立つ。冒険的な企画の実現は次第に難しくなりつつある。アートが自然や都市の渦中に飛び出し、芸術祭と同化していく傾向には、そんな苦しい背景もあるように………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年11月05日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 社会

浮世絵細見 [著]浅野秀剛

浮世絵細見 [著]浅野秀剛

 浮世絵は誰もが身近に感じる日本美術の代表。欧米での人気もうなぎのぼり。が、こんなにわかっていないことが多かったとは。  そもそも洋画や日本画さえ西洋の美術をモデルに明治時代に作り出された。浮世絵の全盛期に「美術」という………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年10月22日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

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