椹木野衣 (美術評論家)の書評

写真:椹木野衣 さん

椹木野衣  (美術評論家)
さわらぎ・のい。1962年生まれ。美術評論家。2017年4月より書評委員。

性食考 [著]赤坂憲雄

性食考 [著]赤坂憲雄

■容赦なく開陳される生の循環  レストランやカフェで、ネットに投稿するため注文した品を写真に収めるのをよく見かける。うまく撮れれば、きっとたくさんの「いいね!」がもらえるだろう。でも、食べかけを進んでネットにあげる人は………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年09月17日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

日本の夜の公共圏―スナック研究序説 [編著]谷口功一・スナック研究会

日本の夜の公共圏―スナック研究序説 [編著]谷口功一・スナック研究会

 スナックでは不思議と話がはずむ。酒を出す店ならほかにもある。やはり他に代えがたい魅力があるのだ。その数や全国で10万軒に及ぶという。  ところが、スナックについての学術的な研究はこれまで皆無であった。それも無理はない。………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年09月10日
[ジャンル]社会

ゲイリー・バートン自伝 [著]ゲイリー・バートン

ゲイリー・バートン自伝 [著]ゲイリー・バートン

■涙ぐましきヴィブラフォン愛  ヴィブラフォンをご存知(ぞんじ)だろうか。鍵盤のように並んだ金属製の音板を叩(たた)いて音を出す打楽器の一種で、下部に設置された共鳴管の中の円盤がモーターで回転し、音に振動を与える特別な………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年09月03日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

血のいろの降る雪―木原孝一アンソロジー [著]木原孝一 [編]山下洪文

血のいろの降る雪―木原孝一アンソロジー [著]木原孝一 [編]山下洪文

 22歳の時、初の詩集を北園克衛に託し建築技師として戦時下の硫黄島に渡った木原は1945年2月、病のため内地に帰還した。翌3月、硫黄島守備隊は玉砕、数少ない生き残りとなった。戦後は雑誌「詩学」編集の傍ら鮎川信夫、田村隆一………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年08月13日
[ジャンル]文芸

Mr.トルネード-藤田哲也 世界の空を救った男 [著]佐々木健一

Mr.トルネード-藤田哲也 世界の空を救った男 [著]佐々木健一

■原爆調査から航空機事故防止へ  旅客機の離着陸は、いつも緊張する。過去に多くの墜落事故が起きたのを知っているからだ。元凶となったのがダウンバーストだ。今では対策が進み、空の旅は格段に安全になった。しかし、かつては名前………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年08月06日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

樹木たちの知られざる生活―森林管理官が聴いた森の声 [著]ペーター・ヴォールレーベン/森林業―ドイツの森と日本林業 [著]村尾行一

樹木たちの知られざる生活―森林管理官が聴いた森の声 [著]ペーター・ヴォールレーベン/森林業―ドイツの森と日本林業 [著]村尾行一

■適材適所へ生態学的健康維持を  木や森は、人間にとってどこか理解しがたい存在だ。ところが『樹木たちの知られざる生活』を読むと、木にも私たちとよく似た「生活」があることに気づく。その特性が最大限に発揮される環境が「森」………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年07月30日
[ジャンル]政治 科学・生物 社会

アール・ブリュット―野生芸術の真髄 [著]ミシェル・テヴォー

アール・ブリュット―野生芸術の真髄 [著]ミシェル・テヴォー

■抵抗と闘争を続ける表現者  本書は、日本でもこのところ頻繁に見掛けるようになったアール・ブリュットをめぐる古典的な一冊。フランスの画家ジャン・デュビュッフェが、それまでの体制順応的な美術に飽き足りず、1945年に着想………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年07月09日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

ウラルの核惨事―ジョレス・メドヴェージェフ、ロイ・メドヴェージェフ選集第二巻 [著]ジョレス・A・メドヴェージェフ

ウラルの核惨事―ジョレス・メドヴェージェフ、ロイ・メドヴェージェフ選集第二巻 [著]ジョレス・A・メドヴェージェフ

■極秘にされた原子力災害を暴く  1957年、旧ソ連の南ウラルに位置する秘密工場の放射性廃棄物貯蔵庫で爆発があり、のちのチェルノブイリにも比すべき原子力災害が起きた。事故は極秘とされたが、体制を批判する出版で要職を解任………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年07月02日
[ジャンル]科学・生物

語り継ぐハンセン病―瀬戸内3園から [編]山陽新聞社

語り継ぐハンセン病―瀬戸内3園から [編]山陽新聞社

■今、伝えたい 孤絶の中の希望  国立療養所大島青松園を初訪問したのは、2010年の瀬戸内国際芸術祭のことだった。90年近く続いた国の隔離政策によるハンセン病への故(ゆえ)なき偏見については、それなりに関心を持っていた………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年06月18日
[ジャンル]政治 社会

衛生と近代-ペスト流行にみる東アジアの統治・医療・社会 [編]永島剛、市川智生、飯島渉

衛生と近代-ペスト流行にみる東アジアの統治・医療・社会 [編]永島剛、市川智生、飯島渉

 ペストの史上3度目のパンデミックは近代アジアで起きた。本書では英国統治下の香港、共同租界ひしめく上海、オランダ領東インドなどでの事例を見るが、日清戦争以降、台湾や朝鮮の植民地政策に乗り出した日本も同じ問題を抱え、神戸で………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年06月11日
[ジャンル]政治 社会

百年の散歩 [著]多和田葉子

百年の散歩 [著]多和田葉子

■通りの名に誘われてぐるぐる  扉を開けて題字を通り過ぎ目次までたどり着くと、十ほどの名前が日本語とドイツ語で並んでいる。いずれもこれから始まる「百年の散歩」の通過地点となるベルリンの通りで、哲学者から革命家、画家や彫………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年06月04日
[ジャンル]人文

絵画の歴史―洞窟壁画からiPadまで [著]デイヴィッド・ホックニー、マーティン・ゲイフォード

絵画の歴史―洞窟壁画からiPadまで [著]デイヴィッド・ホックニー、マーティン・ゲイフォード

■画像の進歩から人の心に迫る  これほど画像が日常にあふれている時代もない。人は自分がどこにいるのか、誰と一緒か、これから何を食べようとしているかを刻々と撮影し、ソーシャルメディアを通じ、たった今この時も公開し続けてい………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年05月21日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

忘れられた人類学者―エンブリー夫妻が見た<日本の村> [著]田中一彦

忘れられた人類学者―エンブリー夫妻が見た<日本の村> [著]田中一彦

 熊本の小村「須恵」は、日本民俗の研究者にはつとに名高い。エンブリー夫妻による戦前の滞在調査の記録が、世界で唯一の外国人による人類学的な日本研究だったからだ。しかし、夫妻がその後の日本に与えた潜在的な影響の大きさについて………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年05月14日
[ジャンル]歴史 人文

オネイログラフィア―夢、精神分析家、芸術家 [著]ヴィクトル・マージン

オネイログラフィア―夢、精神分析家、芸術家 [著]ヴィクトル・マージン

■自分を取り戻すための「夢記述」  精神分析家であると同時に展覧会のキュレーターであることは、いったいどのようにして可能なのだろう。精神分析は密室のなかで営まれ、展覧会は公共の場所で開かれる。だが、両者を兼ねて活動する………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年04月23日
[ジャンル]人文

芸術の言語 [著]ネルソン・グッドマン

芸術の言語 [著]ネルソン・グッドマン

■美学と科学の距離を縮める試み    20世紀の英米を中心とする美学の世界に本書が与えた影響には、衝撃的なものがあった。なにせ、序論から「美学の文献の大半に共通する諸見解を片っ端から否定する」とある。しかも、否定される………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年04月09日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

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