横尾忠則(美術家)の書評

写真:横尾忠則さん

横尾忠則 (美術家)
よこお・ただのり。1936年兵庫県生まれ。60年代からグラフィックデザイナーとして活躍、80年に画家に転向。画集に『赤の魔笛』『横尾忠則Y字路』『人工庭園』、随想や絵画論に『インドへ』『名画感応術』、対談集に『芸術ウソつかない』、小説に『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)など。

パラダイスの乞食たち [著]アーヴィング・ステットナー

パラダイスの乞食たち [著]アーヴィング・ステットナー

■芸術と生活体験の歯がゆい不一致  ヘンリー・ミラーの「北回帰線」に影響を受けた米ブルックリン生まれのアーヴィング・ステットナーはミラーがしたようにパリに渡って創造的人間を目指し、作家を夢み、芸術のための人生を実践しよ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2009年09月27日
[ジャンル]文芸

アルベール・カーン コレクション―よみがえる100年前の世界 [著]デイヴィッド・オクエフナ

アルベール・カーン コレクション―よみがえる100年前の世界 [著]デイヴィッド・オクエフナ

■時代思想を超えた純粋無垢な写真美  フランスの大富豪、アルベール・カーンは私財を投じて最新の写真技術を携えたカメラマンを世界各地に派遣して、20世紀初頭のさまざまな様相を撮らせた。彼は国際主義者であると同時に平和主義………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2009年09月20日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能

ジョルジュ・ブラック―絵画の探求から探求の絵画へ [著]ベルナール・ジュルシェ

ジョルジュ・ブラック―絵画の探求から探求の絵画へ [著]ベルナール・ジュルシェ

■「表現」を脱し自由な境地に到達  フォービスムから出発して、セザンヌの影響を経てピカソとキュビスムに交差、マチスをかすめてゴッホに至る、みたいな美術史的図式でブラックをとらえて何が悪かろう。換骨奪胎しない芸術家は真の………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2009年08月23日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

過ぎ行く人たち [著]高橋たか子

過ぎ行く人たち [著]高橋たか子

■「私」の流れつく先はどこなのか  冒頭、28歳の私(著者ではない)はノルウェーでブノワと名乗る8歳の少年に出会う。10年後、パリの聖ジェルマン通りですれ違った青年と少年が重層する。「私の超感覚のようなものが、そう囁(………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2009年07月26日
[ジャンル]文芸

路上のソリスト 失われた夢 壊れた心 [著]スティーヴ・ロペス

路上のソリスト 失われた夢 壊れた心 [著]スティーヴ・ロペス

■芸術を愛する魂が宿る場所とは  この本はいろんな意味で面白かった。正確には、精神疾患に関心のある著者ロペス氏の言動が興味深いと言うべきか。彼の献身的な物語(ドキュメント)に付き合わされるのだが、僕はその視点や思いこみ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2009年07月12日
[ジャンル]医学・福祉 ノンフィクション・評伝

「幽霊屋敷」の文化史 [著]加藤耕一

「幽霊屋敷」の文化史 [著]加藤耕一

■身の毛もよだてば血も凍る演出  昔々、プラトンやダンテ、そしてスウェーデンボルグやルドルフ・シュタイナーが言いました。死者が死後、天国と地獄の間の煉獄(れんごく)で贖罪(しょくざい)を果たし得ない場合、その霊魂は時と………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2009年06月21日
[ジャンル]歴史 人文 新書

早世の天才画家―日本近代洋画の十二人  [著]酒井忠康

早世の天才画家―日本近代洋画の十二人  [著]酒井忠康

■短い生を燃焼しつくした12人  夭折(ようせつ)の画家は、なぜか天才の呼称を付与されることが多い。『早世の天才画家』には享年43歳の小出楢重を筆頭に、岸田劉生38歳、村山槐多22歳、関根正二20歳など、計12人の画家………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2009年06月07日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝 新書

水深五尋 [著]ロバート・ウェストール

水深五尋 [著]ロバート・ウェストール

■謎にひかれる少年らの行く先は  『水深五尋』という題名に惹(ひ)かれた。その時ジュール・ヴェルヌの『海底二万里』の潜水艦ノーチラス号を連想した。結果は中(あた)らずと雖(いえど)も遠からず。現代のイギリス児童文学を代………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2009年05月17日
[ジャンル]文芸

ジュール・ヴェルヌの世紀―科学・冒険・《驚異の旅》 [監修]コタルディエールほか

ジュール・ヴェルヌの世紀―科学・冒険・《驚異の旅》 [監修]コタルディエールほか

■子供の眼と心を養う神話的世界  ジュール・ヴェルヌ。その名を聞くだけで、ぼくは大いに熱狂したものだ。そんな熱狂をもたらした首謀者がいる。彼の著作の中の挿絵たちだ。  ある時ポール・デルヴォーが描く裸女群像の中に場違い………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2009年04月26日
[ジャンル]文芸 アート・ファッション・芸能

戦場の画家 [著]アルトゥーロ・ペレス・レベルテ

戦場の画家 [著]アルトゥーロ・ペレス・レベルテ

■撮影者と被写体、深遠な魂の対話  『戦場の画家』という題名から想像すると兵士になった画家のドキュメンタリーとばかり思っていたら、実はスペインを代表する著名な作家のミステリー仕立ての小説だった。深遠で謎に満ちた作品だが………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2009年04月05日
[ジャンル]文芸

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