逢坂剛(作家)の書評

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逢坂剛 (作家)
1943年東京都生まれ。広告会社勤務のかたわら80年『暗殺者グラナダに死す』(オール読物推理小説新人賞)でデビュー。86年『カディスの赤い星』で直木賞、日本冒険小説協会大賞、日本推理作家協会賞を受賞。他に『百舌の叫ぶ夜』『暗殺者の森』など。フラメンコギター、将棋の愛好家。

ロスジェネの逆襲 [著]池井戸潤

ロスジェネの逆襲 [著]池井戸潤

■粘りと不屈の精神、本領発揮  バブル期に銀行マンになった、半沢直樹・金融シリーズの3作目に当たる。今回は、バブルがはじけたあと入社した、ロスジェネ(ロスト・ジェネレーション)と呼ばれる世代の社員が、半沢とともに熾烈(………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年08月05日
[ジャンル]文芸

あなたが愛した記憶  [著]誉田哲也

あなたが愛した記憶  [著]誉田哲也

■超常現象支える細部の現実感  この著者の作風は、まことに多彩である。警察小説もあり、スプラッターもあり、青春小説もありと、なんでもござれの才筆の持ち主だ。評者は、この作家の警察小説を評価する一人だが、本書には別の得意………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年07月29日
[ジャンル]文芸

精神を切る手術―脳に分け入る科学の歴史 [著]ぬで島次郎

精神を切る手術―脳に分け入る科学の歴史 [著]ぬで島次郎

■精神外科の役割、検証求める  日本では現在、ロボトミーを含む精神外科手術は、行われていない。少なくとも、そういわれている。  ロボトミーは、前頭葉白質切截(せっせつ)術のことで、神経繊維の束を断つことによって、脳の異………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年07月15日
[ジャンル]科学・生物 医学・福祉

読めない遺言書 [著]深山亮

読めない遺言書 [著]深山亮

■独白の挿入が独特のリズムに  著者は、2年前の〈小説推理新人賞〉の受賞者で、本書が初めての長編になる。  新人とはいえ、並なみならぬ筆力の持ち主で、こなれた語り口は読みやすく、長さを感じさせない。本業は司法書士とのこ………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年07月08日
[ジャンル]文芸

北西の祭典 [著]アナ・マリア・マトゥテ

北西の祭典 [著]アナ・マリア・マトゥテ

■新鮮な比喩、生々しい皮膚感覚  第2次大戦直後の1948年、20代前半でデビューした本書の著者は、2010年にスペインでもっとも権威ある文学賞の一つ、セルバンテス賞を受賞した。  スペインの現代文学は、同じスペイン語………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年06月24日
[ジャンル]文芸

死闘 昭和三十七年 阪神タイガース [著]塩澤幸登

死闘 昭和三十七年 阪神タイガース [著]塩澤幸登

■優勝へのドラマ 生きいきと  本書は、決して阪神ファンだけのために、書かれたものではない。現に著者自身が、阪神ファンだったのは2年間だけ、と白状している。  この本は、2リーグ分裂以降初めて阪神が優勝した、昭和37年………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年06月17日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

猫背の虎 動乱始末 [著]真保裕一

猫背の虎 動乱始末 [著]真保裕一

■軽妙洒脱 新鮮な筆の運び  乱歩賞出身の著者は、近年歴史時代小説にも進出し、新境地を開いている。本書はその3作目。  前2作がやや重たい歴史小説だったのに比べ、今回はなじみやすい幕末、それも安政の大地震を背景に、南町………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年06月10日
[ジャンル]文芸

脳はすすんでだまされたがる―マジックが解き明かす錯覚の不思議 [著]スティーヴン・L・マクニックほか

脳はすすんでだまされたがる―マジックが解き明かす錯覚の不思議 [著]スティーヴン・L・マクニックほか

■ミステリー執筆の参考にも  著者こそ異なるが、本書は評者がこの欄で1年前に紹介した、『錯覚の科学』と対をなすべき、啓蒙(けいもう)書である。  ここでは、注意力の欠如や記憶の誤りなど、さまざまな理由で起こる錯誤のメカ………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年05月27日
[ジャンル]人文

情熱の階段―日本人闘牛士、たった一人の挑戦 [著]濃野平

情熱の階段―日本人闘牛士、たった一人の挑戦 [著]濃野平

■生と死のはざまの体験記    本書は、途方もない大夢を抱き、しかもそれをみごとに実現した、ある日本人闘牛士の苦闘の物語である。  著者は、闘牛士になるという固い決意のもと、裸一貫スペインへ渡る。ゼロから出発して、何度………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年05月20日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

『マルタの鷹』講義 [著]諏訪部浩一

『マルタの鷹』講義 [著]諏訪部浩一

■ミステリー分析 目からウロコ  中学生だった1950年代後半、初めて『マルタの鷹』を読み終わったときの高揚感は、今でも忘れられない。  当時は、ハメットの作品もハードボイルドというジャンルも、まだ市民権を得ていなかっ………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年05月06日
[ジャンル]文芸

フランコと大日本帝国 [著]フロレンティーノ・ロダオ

フランコと大日本帝国 [著]フロレンティーノ・ロダオ

■イメージの変遷鮮やかに  第2次大戦のヨーロッパ戦線で、日本は銃こそ手に取らなかったものの、中立国においていわゆる武器なき戦い、すなわち外交戦、情報戦を展開した。その一つが、本書の舞台となったフランコ総統治下の、スペ………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年04月29日
[ジャンル]歴史

マリー・アントワネット 運命の24時間 [著]中野京子

マリー・アントワネット 運命の24時間 [著]中野京子

■ヴァレンヌ逃亡、劇的に再現  著者の専門はドイツ文学だが、近年は西洋文化史、政治史への傾倒が著しく、絵画を通じて〈絵解き〉をする仕事に、精彩を放っている。  一時、小説への志向を見せた著者は、単なる美術評論をする気な………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年04月22日
[ジャンル]文芸

落語家 昭和の名人くらべ [著]京須偕充 

落語家 昭和の名人くらべ [著]京須偕充 

■個性と技量、人間臭さに肉薄  これはなんとも、なつかしい本である。  場違いな譬(たと)えに聞こえるかもしれないが、評者はこの本を読んで古きよき時代の、つまり1950年代から60年代にかけての、ハリウッド映画の俳優た………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年04月15日

楽園のカンヴァス [著]原田マハ

楽園のカンヴァス [著]原田マハ

■手だれの美術ミステリー  この作品は、日本ではまだ数少ない、うんちくものの美術ミステリーである。  ニューヨーク近代美術館のアシスタント・キュレーターで、画家アンリ・ルソーの研究家でもあるティム・ブラウンは、休暇を利………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年03月25日
[ジャンル]文芸

検事の本懐 [著]柚月裕子

検事の本懐 [著]柚月裕子

■検察官の本来あるべき姿を活写  昨今、相次ぐ不祥事の発覚から、検察の世界を舞台にした小説、ルポが増えてきた。従来、絶対的正義の実現を標榜(ひょうぼう)し、ある意味で聖域化していたこの組織に、ほころびが出始めたせいだろ………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年02月26日
[ジャンル]文芸

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