横尾忠則(美術家)の書評

写真:横尾忠則さん

横尾忠則 (美術家)
よこお・ただのり。1936年兵庫県生まれ。60年代からグラフィックデザイナーとして活躍、80年に画家に転向。画集に『赤の魔笛』『横尾忠則Y字路』『人工庭園』、随想や絵画論に『インドへ』『名画感応術』、対談集に『芸術ウソつかない』、小説に『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)など。

マルセル・デュシャンとアメリカ―戦後アメリカ美術の進展とデュシャン受容の変遷 [著]平芳幸浩

マルセル・デュシャンとアメリカ―戦後アメリカ美術の進展とデュシャン受容の変遷 [著]平芳幸浩

■読み解き揺さぶり美術を刺激  1917年、男性用小便器を展覧会に出品し、スキャンダルを巻き起こしたマルセル・デュシャンは芸術の概念を根本から変えてしまった。が、本書はいわゆる伝記的な作家論ではなく、彼の作品そのものの………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2016年09月25日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

フリーダ 愛と痛み [著]石内都

フリーダ 愛と痛み [著]石内都

■「遺品たち」の写真、自由な視座  見つめれば見つめるほど遺品というものは不気味で気持ちの悪いものである。  この写真集の帯文には「彼女が、今ここにいる」とあるが、ここにいるのは写真家であって、つまり「彼女」フリーダ・………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2016年07月31日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

「病は気から」を科学する [著]ジョー・マーチャント

「病は気から」を科学する [著]ジョー・マーチャント

■心と体はどこまで影響し合うか  病気とは患者の主観ではない。医者が認めなければ病気とは言わない。心は二の次ということだ。では心に治癒力はないのか?  心は万能ではないという科学主流の考えに疑問を抱いた先端科学専門ジャ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2016年06月05日
[ジャンル]科学・生物 医学・福祉

ピカソ―二十世紀美術断想 [著]粟津則雄

ピカソ―二十世紀美術断想 [著]粟津則雄

■遺跡発掘のように画家を照射  著者は昭和21(1946)年、18歳のとき初めてピカソの複製画に出会う。「事件」だった。それ以来、少年はピカソに「困惑」させられ、煩わしい問題を抱え込んでしまう。  バラバラの主題と様式………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2016年05月01日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

根源芸術家 良寛 [著]新関公子

根源芸術家 良寛 [著]新関公子

■謎の生涯追跡、推理小説のよう  良寛といえば子供と手鞠(てまり)をついて遊ぶ乞食僧という印象が強いが、実際は謎の存在である。著者は良寛の書の芸術性から彼の生き方の真実にとりつかれたようだが、黙して語ろうとしない生涯に………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2016年04月17日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

新「ニッポン社会」入門―英国人、日本で再び発見する [著]コリン・ジョイス

新「ニッポン社会」入門―英国人、日本で再び発見する [著]コリン・ジョイス

■貪欲すぎ!知識が生活必需品?  Youは何しに日本へ? おかしな本だ。日本に長く住んで、帰国後もちょくちょく来日している英オックスフォード大学で古代史と近代史を専攻したイギリスのジャーナリストが、日本人の日常会話のよ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2016年04月10日
[ジャンル]社会

ルシアン・フロイドとの朝食 描かれた人生 [著]ジョーディ・グレッグ

ルシアン・フロイドとの朝食 描かれた人生 [著]ジョーディ・グレッグ

■破天荒な人生、危険なオーラ発散  画家は一枚の絵を完成させるために描くのではない。絵を描く目的は、いかなる絵を創造するかではなく、いかなるプロセスを歩み続けるかという行為それ自体を目的にする以外に画家の存在理由はない………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2016年03月13日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

異世界の書―幻想領国地誌集成 [編著]ウンベルト・エーコ

異世界の書―幻想領国地誌集成 [編著]ウンベルト・エーコ

■地球の神秘を衒学的にガイド  人は宇宙に存在しないものを創造することは不可能である、と言った人がいた。創造の源泉は無からではなく有からであると。我々が認識する現実世界は全て物質からなり、非物質的世界は存在しないことに………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年11月22日
[ジャンル]人文

日本人にとって美しさとは何か [著]高階秀爾

日本人にとって美しさとは何か [著]高階秀爾

■東西で異なる自然観、美意識  冒頭いきなり、日本人と西洋人の美意識の差異が「言葉とイメージ」という主題で、日本は自然に、西洋は反自然に従うという、二つの感性の比較から語られる。  西洋では言葉とイメージを分離して考え………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年11月01日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

吾輩は猫画家である―ルイス・ウェイン伝 [著]南條竹則

吾輩は猫画家である―ルイス・ウェイン伝 [著]南條竹則

■漱石も見た?「猫たちの楽園」  本書の主人公ルイス・ウェインは、夏目漱石が留学したころの英国で人気絶頂だった挿絵画家で、「吾輩(わがはい)は猫である」に貢献したかもしれないと知れば、多少の好奇心も湧いてこよう。  猫………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年09月20日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 新書

鴨居玲 死を見つめる男 [著] 長谷川智恵子

鴨居玲 死を見つめる男 [著] 長谷川智恵子

■伝説の画家、芸術ゆえの孤独  鴨居玲は没後、伝説の画家になったのではなく、生前から彼は伝説の人だった。彼に接した大抵の人は彼の不思議な磁力に魅入られ、誰もが彼に会いたがったようだ。本書は画家の作品を論じるより、もっぱ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年07月05日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

マグリット事典 [編著]C・グリューネンベルク、D・ファイ

マグリット事典 [編著]C・グリューネンベルク、D・ファイ

 野崎武夫訳、創元社・3780円/本書の原書は、ルネ・マグリット(1898〜1967)の欧州での展覧会開催(2011〜12)に伴い、編集された。この欄は絵による批評です。 [もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年06月21日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

芹沢光治良戦中戦後日記 [著]芹沢光治良

芹沢光治良戦中戦後日記 [著]芹沢光治良

■いい小説を書くことが命の証し  真珠湾攻撃による太平洋戦争開戦の年の1月から終戦後3年までの「死路を辿(たど)る」想(おも)いで綴(つづ)った日記である。  連日連夜「日本中の空がB29でおおわれたよう」な空襲下で死………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年05月24日
[ジャンル]歴史 文芸 人文

アーティストが愛した猫 [著]アリソン・ナスタシ

アーティストが愛した猫 [著]アリソン・ナスタシ

■とっておきツーショット写真集  私事ながら、昨年愛猫タマの死のあと体調に異変をきたしたほど僕にとっては猫は生活必需品であります。猫不在の生活は実に味気なく憂いを伴うのである。  本書に登場する55人のアーティストは猫………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年05月03日
[ジャンル]文芸

ある日の画家—それぞれの時 [著]酒井忠康

ある日の画家—それぞれの時 [著]酒井忠康

■能の旅僧のごとく、想いの丈引き出す  画家に転向した35年前、美術評論家の故・東野芳明氏に「君は今の美術的動向しか知らない」と頭から水を浴びせられたことがあって、あわを食って西洋美術史を繙(ひもと)いたものだ。そして………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年04月19日
[ジャンル]文芸 人文

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