江上剛(作家)の書評

写真:江上剛さん

江上剛 (作家)
1954年兵庫県生まれ。作家。銀行に在勤中の2002年『非情銀行』でデビュー。他に『起死回生』『腐蝕の王国』『座礁』『隠蔽指令』『社長失格』『小説金融庁』『告発の虚塔』『さらば銀行の光』、ルポに『戦いに終わりなし―最新アジアビジネス熱風録』など。前日本新興銀行社長。

闇彦 [著]阿刀田高 

闇彦 [著]阿刀田高 

■死者を今に生き続けさせる文学  闇彦、妖(あや)しい響きだ。この響きに誘われて闇彦の謎を「私」が追求していく。さらに「私」の動きから、著者の創作の原点を追体験する。それはとりもなおさず、文学とは何かという深い問いかけ………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2010年08月29日
[ジャンル]文芸

4千万本の木を植えた男が残す言葉 [著]宮脇昭著 

4千万本の木を植えた男が残す言葉 [著]宮脇昭著 

■鎮守の森こそ日本の森の原点  森を再生しなければ人類の未来はない、みんなで木を植えようという著者の本気のメッセージを読み取ったら、本書を紹介せざるを得ない。  著者は岡山県に生まれ、地元の農林学校からスタートして苦学………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2010年08月22日
[ジャンル]社会

一週間 [著]井上ひさし

一週間 [著]井上ひさし

■無名の抑留兵士、権力と闘う勇気  主人公の小松修吉は、貧乏な農家の生まれだが、篤志家の支援で東京外語と京都帝大でロシア語と経済学を学んだ。その後、共産党員として非合法活動に従事し、逮捕される。牢(ろう)内で転向し、あ………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2010年08月01日
[ジャンル]文芸

柚子の花咲く [著]葉室麟 

柚子の花咲く [著]葉室麟 

■まっすぐに生きてさえいれば  著者の『花や散るらん』『オランダ宿の娘』、そして本書を立て続けに読んだ。前の二書は忠臣蔵、シーボルト事件という史実を縦糸に、著者が創造した主人公の悲哀を横糸に織り成す物語だが、本書『柚子………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2010年07月11日
[ジャンル]文芸

思想史家が読む論語 「学び」の復権 [著]子安宣邦

思想史家が読む論語 「学び」の復権 [著]子安宣邦

  ■先人の解釈たどり、読み方を提示  東京・お茶の水の湯島聖堂内に論語の塾があり、私も通っているが、驚くことにどの教室も老若男女で満員だ。漢文のままの論語テキストで講義を受ける。「学びて時にこれを習う」という聞きなれ………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2010年07月04日
[ジャンル]歴史 人文

のけ者 [著]エマニュエル・ボーヴ

のけ者 [著]エマニュエル・ボーヴ

■借金まみれの母子、破滅への過程  こんな悲惨な小説は前代未聞、いや前代未読だ。ほぼ全編、ニコラと母親ルイーズが知人という知人に借金を依頼し、踏み倒し、破滅していく過程をしつこく描いている。  親子は、異常なほどプライ………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2010年06月20日
[ジャンル]文芸

ケインズ説得論集 [著]J・M・ケインズ 

ケインズ説得論集 [著]J・M・ケインズ 

■時代を超えても変わらぬ本質  サブプライムローン問題から始まってリーマン・ショック、そして最近のギリシャ財政破綻(はたん)に至るまで、悲観論に傾きがちの私たち日本人は、将来が心配でたまらない。そのせいか時事問題を易し………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2010年06月06日
[ジャンル]経済 国際

ひとり語りー女優というものは [著]吉行和子

ひとり語りー女優というものは [著]吉行和子

■自分にふさわしい何かに出会う  吉行和子って芸術一家のエリートだと思っていた。父は作家、母は有名美容師、兄と妹は芥川賞作家。これだけ並ぶと誰だってそう思うだろう。  しかし、まったくそうではない。父の記憶なし、母は再………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2010年05月30日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

高く手を振る日 [著]黒井千次

高く手を振る日 [著]黒井千次

■ときめきに満ちた高齢者の純愛  主人公の浩平は古希を過ぎた男。妻に先立たれ、未来のない行き止まり感に苛(さいな)まれている。古いトランクを片付けているとき、大学時代に同じゼミだった重子の写真を見つける。一度だけ唇を重………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2010年05月23日
[ジャンル]文芸

思い出袋 [著]鶴見俊輔 

思い出袋 [著]鶴見俊輔 

■エネルギーが満ちる言葉の数々  本書は、岩波書店のPR誌「図書」に7年にわたって連載された、1回分は原稿用紙にして3枚足らずのエッセーをまとめたものだ。  著者の鶴見俊輔は、日本を代表する思想家、哲学者であり、ベ平連………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2010年05月02日
[ジャンル]文芸 人文 新書

大仏男 [著]原宏一

大仏男 [著]原宏一

■偽霊能者のだましのテクニック  原宏一は読むたびに面白くなる。『トイレのポツポツ』も良かった。お陰でトイレを汚さないように、座って小用を足すはめになってしまった。  今度は偽霊能者だ。売れないお笑い芸人コンビのカナ&………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2010年04月18日
[ジャンル]文芸

この世は二人組ではできあがらない [著]山崎ナオコーラ

この世は二人組ではできあがらない [著]山崎ナオコーラ

■社会に放つ若い女性の「つぶやき」  主人公シオは1978年生まれ。ロス・ジェネといわれる就職氷河期世代だ。彼女は強く、たくましい。小説家になるという目標を持ち、自分で生き抜く力を持っている。  一方、恋人の紙川は頼り………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2010年04月11日
[ジャンル]文芸

コーポレート・ガバナンス―経営者の交代と報酬はどうあるべきか [著]久保克行

コーポレート・ガバナンス―経営者の交代と報酬はどうあるべきか [著]久保克行

■リスクを取らない日本の経営者  「コーポレート・ガバナンス」という言葉をよく聞くようになった。日本語に直せば企業統治。なんともこなれない感じがするが、要するに「企業のあり方」を問うものだ。  著者は、世界経済危機のき………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2010年03月21日
[ジャンル]経済

天啓を受けた者ども [著]マルコス・アギニス 

天啓を受けた者ども [著]マルコス・アギニス 

■ラテンの情熱で圧巻の愛憎劇  はるか遠くのアルゼンチン作家の小説、2段組みで500ページの分量、宗教的なにおいのするタイトル、書店で本書を手に取ったとしても、読むのにちょっとひるんでしまう。しかし数ページ読めば、たち………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2010年03月14日
[ジャンル]文芸

クリント・イーストウッド ハリウッド最後の伝説 [著]マーク・エリオット

クリント・イーストウッド ハリウッド最後の伝説 [著]マーク・エリオット

■トップを維持する秘密と執念  クリント・イーストウッドといえば「ミリオンダラー・べイビー」に見られるような偏屈、孤高な老人を演じるとともにアカデミー賞の常連であり、作品賞、監督賞のオスカーにも輝くハリウッドのトップ俳………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2010年02月21日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

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