高村薫(作家)の書評

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高村薫 (作家)
1953年大阪府生まれ。作家。著書に『黄金を抱いて飛べ』(日本推理サスペンス大賞)『神の火』『リヴィエラを撃て』(日本冒険小説協会大賞)『マークスの山』(直木賞)『レディー・ジョーカー』(毎日出版文化賞)『晴子情歌』『新リア王』(親鸞賞)『太陽を曳く馬』(読売文学賞)など。

ヒューマンエラーは裁けるか-安全で公正な文化を築くには [著]シドニー・デッカー

ヒューマンエラーは裁けるか-安全で公正な文化を築くには [著]シドニー・デッカー

■日常業務が「過失」に変わる瞬間  大きな列車事故が起きる。多数の死傷者が出る。さあ、誰のせいだ? 事故はなぜ起きたのだ? 責任者は出てこい。説明責任を果たせ——。こうして社会も被害者遺族も「真相」を求め、事故を起こし………[もっと読む]

[評者]高村薫(作家)
[掲載]2009年12月20日
[ジャンル]政治 医学・福祉 社会

殺人者たちの午後 [著]トニー・パーカー 

殺人者たちの午後 [著]トニー・パーカー 

■聞き取られた声、説明できぬ動機  一人の優れたインタビュアーが殺人者たちと向きあう。あなたはこれまでどんな人生を送ってきたか。なぜ殺したのか。いま何を考えているか。聞き取りが進んでゆくうちに、インタビュアーの気配は消………[もっと読む]

[評者]高村薫(作家)
[掲載]2009年11月29日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

ものづくりの寓話-フォードからトヨタへ [著]和田一夫

ものづくりの寓話-フォードからトヨタへ [著]和田一夫

■製造業の100年、改革史を再検討  副題に「フォードからトヨタへ」とあるように、本書が語る「ものづくり」は、二十世紀の大量生産を牽引(けんいん)した自動車産業に代表される、大規模な工場生産のシステムを指す。  本書で………[もっと読む]

[評者]高村薫(作家)
[掲載]2009年11月15日
[ジャンル]経済

哲学者たちの死に方 [著]サイモン・クリッチリー 

哲学者たちの死に方 [著]サイモン・クリッチリー 

■他者の死が私に思索を要請  帯に、「タレスからデリダまで、古今東西190余名の哲学者たちの臨終図鑑」とある。この間、約二千六百年。人間にとって永遠の難問である死に向き合い、精神の営み一つで死を克服せんとしてきた彼ら賢………[もっと読む]

[評者]高村薫(作家)
[掲載]2009年11月01日
[ジャンル]人文

司法官僚-裁判所の権力者たち [著]新藤宗幸 

司法官僚-裁判所の権力者たち [著]新藤宗幸 

■驚くべき最高裁事務総局の実態  公害訴訟や公共工事の差し止め請求訴訟などでいつも住民側の原告適格が問われ、門前払いになることが多いのはなぜか。国政選挙の一票の格差をめぐる訴訟で、いつも「合理性を欠くとまではいえない」………[もっと読む]

[評者]高村薫(作家)
[掲載]2009年10月18日
[ジャンル]社会 新書

建築する動物たち―ビーバーの水上邸宅からシロアリの超高層ビルまで [著]マイク・ハンセル

建築する動物たち―ビーバーの水上邸宅からシロアリの超高層ビルまで [著]マイク・ハンセル

■謎が広がる動物行動学の現在  古代人の築いた城砦(じょうさい)を眺め、ケムシが蛹化(ようか)する際につくる繭を眺めて、外敵から身を守る構築物としての機能と構造は同じだと閃(ひらめ)く。これが動物学者である著者の眼(め………[もっと読む]

[評者]高村薫(作家)
[掲載]2009年09月27日
[ジャンル]科学・生物

害虫の誕生―虫からみた日本史 [著]瀬戸口明久

害虫の誕生―虫からみた日本史 [著]瀬戸口明久

■近代化と戦争が関係性を変えた  もともと自然界に生きていた蛾(が)やウンカやバッタたちは、いつ「害虫」になったか。定住型農耕の始まりとともに農作物の虫害も始まったが、特定の虫を「害虫」として捉(とら)えるのは、それが………[もっと読む]

[評者]高村薫(作家)
[掲載]2009年09月20日
[ジャンル]歴史 科学・生物 新書

住宅復興とコミュニティ [著]塩崎賢明

住宅復興とコミュニティ [著]塩崎賢明

■綿密な調査が暴いた厳しい現実  さまざまに語られる「阪神・淡路大震災の教訓」のなかで一つ確かなのは、大規模災害からの復興の難しさだろう。現に、住宅・店舗・事業所などの生活圏全体が失われた被災地にあって、創造的復興の名………[もっと読む]

[評者]高村薫(作家)
[掲載]2009年09月13日
[ジャンル]政治 社会

アメリカン・テロル 内なる敵と恐怖の連鎖 [編著]下河辺美知子

アメリカン・テロル 内なる敵と恐怖の連鎖 [編著]下河辺美知子

■全体を部分が壊す米歴史の記憶  九・一一直後のアメリカで、恐怖と敗北感があっという間に愛国心の高揚に変換されていったのはなぜなのだろう。富める者も貧しい者も、保守もリベラルも、誰もが一様に奉じる「アメリカ」とは何なの………[もっと読む]

[評者]高村薫(作家)
[掲載]2009年08月30日
[ジャンル]歴史 社会

『大菩薩峠』の世界像 [著]野口良平

『大菩薩峠』の世界像 [著]野口良平

■人を斬って世界を起動させた男  誰もが名前だけは知っている小説『大菩薩峠』。全巻読破した人は少ないかもしれないが、主人公机龍之助のイメージは、その後の数多(あまた)の時代小説の剣客たちの原型として、あるいは銀幕のニヒ………[もっと読む]

[評者]高村薫(作家)
[掲載]2009年07月26日
[ジャンル]文芸 人文

ビジュアル版 地図の歴史 [著]ヴィンセント・ヴァーガ、アメリカ議会図書館

ビジュアル版 地図の歴史 [著]ヴィンセント・ヴァーガ、アメリカ議会図書館

■人類の欲望と文化の記憶を語る  三千五百年前、粘土版に直線と楔形(くさびがた)文字を刻んで自分たちの田畑を記したメソポタミアの地図から、二○○一年に完成したヒトゲノム図まで。人類が記し続けてきたさまざまな地図の歴史は………[もっと読む]

[評者]高村薫(作家)
[掲載]2009年07月19日
[ジャンル]歴史

漢語的不思議世界―空巣老人と男人婆 [著]一海知義ほか

漢語的不思議世界―空巣老人と男人婆 [著]一海知義ほか

■漢語は中国人の思考そのものだ  「漢語的不思議世界」は中国語では「不可思議的漢語世界」になる。漢字を見ればなんとなく意味が取れ、ついでに返り点と漢和辞典があれば、杜甫や李白はもちろん、『論語』も『史記』も読める私たち………[もっと読む]

[評者]高村薫(作家)
[掲載]2009年07月12日
[ジャンル]人文

数学者のアタマの中 [著]D・ルエール

数学者のアタマの中 [著]D・ルエール

■単純さ複雑さが奏でる美の旋律  数学者でない人間が数学の世界を覗(のぞ)き込みたい衝動に駆られるのは、たとえばルート2にふと見入るときではないだろうか。一辺が1の正方形の対角線がこれであることは、ピタゴラスの定理で簡………[もっと読む]

[評者]高村薫(作家)
[掲載]2009年06月21日
[ジャンル]科学・生物

ルネサンス 料理の饗宴―ダ・ヴィンチの厨房から [著]デイヴ・デ・ウィット

ルネサンス 料理の饗宴―ダ・ヴィンチの厨房から [著]デイヴ・デ・ウィット

■レシピから500年前の味を想像  中世からルネサンスへ、人間の意識や生活感を大きく変えていったのは、ひょっとしたら古代ギリシャ・ローマへの憧憬(あこがれ)よりも、「食」だったのかもしれない。学校ではそんなふうには教わ………[もっと読む]

[評者]高村薫(作家)
[掲載]2009年05月31日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能

音楽を展示する―パリ万博1855−1900 [著]井上さつき

音楽を展示する―パリ万博1855−1900 [著]井上さつき

■軽快な手つきで人間模様を描く  十九世紀のパリ万博のイメージは、エッフェル塔や、ガラスと鉄の壮麗なパビリオンだろうか。しかし、当時の万国博覧会はただの産業見本市ではなかった。歴史、労働、芸術など、おおよそ人間にかかわ………[もっと読む]

[評者]高村薫(作家)
[掲載]2009年05月17日
[ジャンル]歴史 経済 アート・ファッション・芸能

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