山形浩生(評論家)の書評

写真:山形浩生さん

山形浩生 (評論家)
1964年東京都生まれ。翻訳家。著書に『新教養主義宣言』『要するに』、訳書にウィリアム・S・バロウズ『ソフトマシーン』、フィリップ・K・ディック『死の迷路』、ポール・クルッグマン『クルーグマン教授の経済入門』、スタンレー・ミルグラム『服従の心理』など。

政治的に考える―マイケル・ウォルツァー論集 [著]マイケル・ウォルツァー

政治的に考える―マイケル・ウォルツァー論集 [著]マイケル・ウォルツァー

■理念と現実交差、議論展開に魅了  いま、現実の政治に希望を抱くのはむずかしい。政治家たちを見れば、目先の出来事におたつき、世間の顔色をうかがうばかりの人々が、己の地位と利権にしがみつき、場当たり的な対応に終始。一方で………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2012年06月10日
[ジャンル]社会

収奪の星 天然資源と貧困削減の経済学 [著]ポール・コリアー

収奪の星 天然資源と貧困削減の経済学 [著]ポール・コリアー

■後代に責任とる 合意形成の道  資源は途上国にとって両刃の剣だ。収入は増えるが、利権と汚職の温床になったり、資源収入への過度の依存で国民の勤労意欲まで消えたり。この「天然資源の呪い」を指摘した一人が、本書の著者コリア………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2012年06月03日
[ジャンル]経済 国際

今和次郎「日本の民家」再訪 [著]瀝青会

今和次郎「日本の民家」再訪 [著]瀝青会

■変哲もなく残る大正の家々  今(こん)和次郎の名著『日本の民家』は、大正期の何の変哲もない民家の記録分析として今でも実におもしろい。本書はそこに登場する民家を再訪し、その変化を記述したものだ。  こんな本が成立するこ………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2012年05月27日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

バイオパンク DIY科学者たちのDNAハック! [著]マーカス・ウォールセン

バイオパンク DIY科学者たちのDNAハック! [著]マーカス・ウォールセン

■遺伝子組み換えで世界を変える  遺伝子組み換え、と聞いただけでおじけづく人は多いが、その恐ろしい遺伝子組み換えを、いまやそこらのホビイストが平気で始めている。本書はその動きや遺伝子組み換えホビイストたちの実像を描き出………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2012年04月15日

資本主義が嫌いな人のための経済学 [著]ジョセフ・ヒース

資本主義が嫌いな人のための経済学 [著]ジョセフ・ヒース

■左派こそ勉強を  2008年金融危機に始まる世界不況、さらには震災後には特に、「資本主義はもう終わり」みたいな物言いを無数に見かけてきた。これは特に左派に多いし、その人たちは資本主義の理論的根拠(と思っている)経済学………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2012年03月18日
[ジャンル]経済 社会

イスラームと科学 [著]パルヴェーズ・フッドボーイ

イスラームと科学 [著]パルヴェーズ・フッドボーイ

■理性への野放図な侵犯に警鐘  イスラム圏の科学はひどい状況にある。  中世には、停滞するヨーロッパを尻目に世界最先端だった。でも宗教がそこに介入し、物理法則なども神の意志にすぎないとされ、科学を研究するより、神の意志………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2012年02月26日
[ジャンル]科学・生物

平等と効率の福祉革命―新しい女性の役割 [著]イエスタ・エスピン=アンデルセン

平等と効率の福祉革命―新しい女性の役割 [著]イエスタ・エスピン=アンデルセン

■豊富な裏付けから子育て支援を提言  福祉の議論は公共頼みになりがちだ。医療も高齢者も育児も失業も国がもっと金を出せ——。でも、家庭や企業も福祉をかなり提供している。そのバランスを見ないとだめだ、と看破したのが本書の著………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2012年01月29日
[ジャンル]社会

アーティストのためのハンドブック [著]デイヴィッド・ベイルズ、テッド・オーランド [訳]野崎武夫

アーティストのためのハンドブック [著]デイヴィッド・ベイルズ、テッド・オーランド [訳]野崎武夫

■勇気を与える古典的なガイド  自分に才能はあるのか、商業主義に迎合していいのか、このまま芽が出なかったらどうしよう、空気を読むべきか、スランプからどう脱出すべきか、自分のやっていることに意味はあるのか——本書が正面か………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2012年01月22日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

幸せな未来は「ゲーム」が創る [著]ジェイン・マクゴニガル

幸せな未来は「ゲーム」が創る [著]ジェイン・マクゴニガル

■「現実を直す」世界観の大転換  ゲームは、現実逃避だとしてよく非難される。でも、善行や努力の報いが明確でない現実にくらべ、ゲーム界での善行はすぐに結果が見える。つまらない作業や勉強や共同作業もゲーム仕立てなら楽しくな………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年12月18日
[ジャンル]IT・コンピューター

Cooking for Geeks [著]ジェフ・ポッター/味わいの認知科学 [編]日下部裕子・和田有史

Cooking for Geeks [著]ジェフ・ポッター/味わいの認知科学 [編]日下部裕子・和田有史

■科学実験のように料理する  料理マンガでありがちなのが、才能と情熱の天才料理人(主人公)が、理論とコンピューターを駆使した科学者料理人と対決する話だ。もちろん「冷たい科学じゃ人の心は動かせないぜ!」と主人公が勝つのが………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年12月04日
[ジャンル]科学・生物

スティーブ・ジョブズ(1・2) [著]ウォルター・アイザックソン

スティーブ・ジョブズ(1・2) [著]ウォルター・アイザックソン

■「天才」の生と死、いちはやく活写  本書を手に取る人で、スティーブ・ジョブズを知らない人はいないはず。過去十年以上、彼の各種製品はコンピューターや音楽流通、携帯電話のあり方を一変させ、社会現象にまでなったのは周知のこ………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年11月06日
[ジャンル]IT・コンピューター ノンフィクション・評伝

テクノロジーとイノベーション 進化/生成の理論 [著]W・ブライアン・アーサー

テクノロジーとイノベーション 進化/生成の理論 [著]W・ブライアン・アーサー

■大胆に描く、技術の自律的変化  本書の手柄は中身よりアプローチにある。イノベーションは経済、いや人間社会と文明の発展に決定的な重要性を持つ。が、どうすればそれが起こるのか?  これについての既存研究は多いし、著者の答………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年10月30日
[ジャンル]経済 科学・生物 社会

〈起業〉という幻想―アメリカン・ドリームの現実 [著]スコット・A・シェーン

〈起業〉という幻想―アメリカン・ドリームの現実 [著]スコット・A・シェーン

■安易な「夢」にデータで冷や水  近年のアップル社の成功で、日本版ジョブズ待望論や、景気回復には起業による創造的破壊が必須、といった物言いをあちこちで目にする。そしてアメリカは起業に有利な環境だから、日本も政策的に起業………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年10月23日
[ジャンル]経済 社会

隠れていた宇宙 上・下 [著]ブライアン・グリーン

隠れていた宇宙 上・下 [著]ブライアン・グリーン

■別世界夢想する、先端物理の理論  あのとき別の選択をしていれば——人生は常に後悔に満ち、人は常にあり得たかもしれない別の世界を夢想する。そして星の彼方(かなた)や次元のひだの向こうに、その別世界が実在してほしいと願う………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年09月11日
[ジャンル]科学・生物

ゲーム理論による社会科学の統合 [著]ハーバート・ギンタス

ゲーム理論による社会科学の統合 [著]ハーバート・ギンタス

■多くの学問統合、自信満ちた構想  社会科学の統合とは何と強気な。アシモフの未来SFには人類史の将来を予測する、歴史心理学なる統合人間科学が登場するが、ついにそれが実現……とまではいかない。が、著者はゲーム理論がその基………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年09月04日
[ジャンル]人文

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