四ノ原恒憲(朝日新聞記者)の書評

写真:四ノ原恒憲さん

四ノ原恒憲 (朝日新聞記者)
1951年大阪府生まれ。朝日新聞記者。元本社編集委員。

捕物帖の百年-歴史の光と影 [著]野崎六助 

捕物帖の百年-歴史の光と影 [著]野崎六助 

■「半七」以来の大山脈に分け入る  難解な本に疲れた時、本棚の捕物帖(ちょう)の一冊に、ふと手が伸びることがある。江戸の季節感や風物、人情があふれる市井の中で、おなじみのヒーローが事件の謎を必ず解いてくれる。その自足し………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2010年09月19日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

傷だらけの店長 それでもやらねばならない [著]伊達雅彦

傷だらけの店長 それでもやらねばならない [著]伊達雅彦

■消える書店、なにが問題なのか  中学生の時だったろうか。家の近くの古い商店街にある小さな本屋さんで、偶然手にしたエラリー・クイーンの『Yの悲劇』が、本格的な推理小説の面白さを教えてくれた。そこの棚を読み尽くしたあとは………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2010年09月12日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

江戸図屏風の謎を解く [著]黒田日出男 

江戸図屏風の謎を解く [著]黒田日出男 

■綿密かつ大胆、鮮やかな歴史推理  美術館などで、名品とされる壮麗な古い屏風(びょうぶ)に出会うことはよくある。その美しさに魅せられ、しばし足は止めるが、その描かれた内容や背景に深く思いを至らすことはなかった。  要す………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2010年08月29日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能

「野球と戦争」 [著]山室寛之 /「昭和十七年の夏 幻の甲子園」 [著]早坂隆

「野球と戦争」 [著]山室寛之 /「昭和十七年の夏 幻の甲子園」 [著]早坂隆

■弾圧、「聖地」では突撃精神鼓舞  スポーツは五輪やサッカーのW杯を例に、戦争の比喩(ひゆ)でよく語られる。でも、その先に死や悲惨な暮らしが待ち受ける戦争と、本来、自由な精神と快楽が一体となったスポーツとは、全く異質で………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2010年08月08日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝 新書

笑いのこころ ユーモアのセンス [著]織田正吉

笑いのこころ ユーモアのセンス [著]織田正吉

■哲学+心理学+豊富な実例  悲劇より喜劇を演じる方が難しいらしい。同様、文章でも、笑いを論じ、笑いを誘うことの方が、やっかいな気がする。  思うに、「笑い」は、人間の本質に迫る、複雑な現象で、かつてベルクソンら多くの………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2010年08月01日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 [著]大鐘良一・小原健右

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 [著]大鐘良一・小原健右

 ■必要な資質とは?意外な逆転も  遊園地のジェットコースターでも怖いんだから、子どものころから宇宙旅行にはあこがれたものの、宇宙飛行士なぞ望むべくもない。だからこそ、どんな人が宇宙飛行士を目指し、どういう試験を経て合………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2010年07月18日
[ジャンル]科学・生物 ノンフィクション・評伝 新書

「平凡」物語 めざせ! 百万部 [著]塩澤幸登

「平凡」物語 めざせ! 百万部 [著]塩澤幸登

 ■戦後の新しい価値に添った軌跡  歌謡曲や邦画のスター、アイドルの情報が満載だった月刊雑誌「平凡」。そのタイトルを耳にすると、懐かしさと共に、なぜか美空ひばりを連想してしまう。片や、一時140万部を誇った雑誌界の王者………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2010年07月04日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

バナナの皮はなぜすべるのか? [著]黒木夏美著 

バナナの皮はなぜすべるのか? [著]黒木夏美著 

■ひたすら追求、収穫また収穫  「一点突破全面展開」——一読、そんな言葉を思い出した。  鬱々(うつうつ)とした心で散歩していた著者の前に、バナナの皮が落ちていた。瞬間、バナナの皮で人がすべるギャグを連想し、テンション………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2010年06月20日
[ジャンル]文芸

ジダンー物静かな男の肖像 [著]パトリック・フォール、ジャン・フィリップ

ジダンー物静かな男の肖像 [著]パトリック・フォール、ジャン・フィリップ

■ヒーローの「暗転」、その理由は  思い出すに、前回のサッカーW杯は、奇妙な大会だった。普通は、優勝国が記憶の核になるのに、後世まで、次のように語り継がれるはずだから。「ジダンが決勝戦で頭突きして退場、引退した、あの大………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2010年06月13日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 国際

仕事漂流ー就職氷河期世代の「働き方」 [著]稲泉連

仕事漂流ー就職氷河期世代の「働き方」 [著]稲泉連

■常に不安だから走り続ける若者  社会へのとば口に立つ子を持つ親の一人として、リーマン・ショック以来、若者の就職事情の厳しさは、身に染みて感じてきた。  今の時代、正社員として安定した職を得ることすら難しい若者がたくさ………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2010年05月30日
[ジャンル]社会

ちょっと怠けるヒント [著]松山巖

ちょっと怠けるヒント [著]松山巖

■機械にはなれない人間だもの  日々の我が営みを見て、おおかたの人々が下す評価は、どうも「怠け者」ということらしい。認めるにやぶさかではないが、世間の、「怠け者」を見る目は、決して優しくない。どこかで一矢を報いたい。そ………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2010年05月09日
[ジャンル]人文

井上ひさし全選評 [著]井上ひさし

井上ひさし全選評 [著]井上ひさし

■新しい文章はもう読めないけれど  本書を書店で見かけた読者は、少々おじけづくかもしれない。本文だけで800ページに迫る分厚さに。でも、心配ご無用、とっても読みやすい。  直木賞、山本周五郎賞、吉川英治文学賞、大佛次郎………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2010年05月02日
[ジャンル]文芸

祖国と母国とフットボール ザイニチ・サッカー・アイデンティティ [著]慎武宏

祖国と母国とフットボール ザイニチ・サッカー・アイデンティティ [著]慎武宏

■「在日」サッカー選手の心情に肉薄  1960年代末期、関西の超弱小高校サッカー部員のこの身ですら、朝鮮高級学校チームが恐ろしく強いと知っていた。ただ、それは噂(うわさ)で。当時彼らは公式戦には参加できなかったから。 ………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2010年04月25日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝 国際

黒船前夜ーロシア・アイヌ・日本の三国志 [著]渡辺京二

黒船前夜ーロシア・アイヌ・日本の三国志 [著]渡辺京二

■北方での異文化接触の実態描く  歴史研究に「if」は禁物だが、歴史物を読む大きな楽しみの一つに、「もし、あの時、違う方向だったら」との思いにふけることがある。その延長線上で「今」をふり返り、「未来の可能性」を考えるこ………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2010年04月11日
[ジャンル]歴史 文芸 国際

てつがくこじんじゅぎょう [著]鷲田清一×永江朗 

てつがくこじんじゅぎょう [著]鷲田清一×永江朗 

■難解な殺し文句も溶け出す  ひらがな書きの書名を見て、子どものころ、「てつがく」を「鉄学」と書く、と信じていたことを思い出した。とても難しそうな学問なので、硬い「鉄」を連想したのだろう。  いや、確かに難しく、長じて………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2008年03月02日
[ジャンル]歴史 人文

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