上丸洋一(本社編集委員)の書評

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上丸洋一 (本社編集委員)
1955年岐阜県生まれ。著書に『本はニュースだ!』『「諸君!」「正論」の研究』、共著に『ジャーナリズムの条件3 メディアの権力性』『新聞と戦争』など。

ガリ切りの記―生活記録運動と四日市公害  [著]澤井余志郎

ガリ切りの記―生活記録運動と四日市公害  [著]澤井余志郎

■文字以上の何かを刻み込み     ツイッターはもちろん、ワープロも一般化していなかったころ、さまざまな社会活動で活躍したのがガリ版印刷だった。  がりがり音をたてながら原紙に文字を刻む。それを「ガリを切る」といった。………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年07月29日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

非業の生者たち 集団自決 サイパンから満洲へ [著]下嶋哲朗

非業の生者たち 集団自決 サイパンから満洲へ [著]下嶋哲朗

■「強いられた自発性」が死へ  「非業の」と言えば「死」と続くのがふつうだろう。しかし、この本の題は「非業の生者たち」。戦争中、「集団自決」で死の寸前まで追い込まれながら、かろうじて生き延びた人々に取材して書かれたノン………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年07月22日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

原爆症認定訴訟が明らかにしたこと [編]東京原爆症認定集団訴訟を記録する会

原爆症認定訴訟が明らかにしたこと [編]東京原爆症認定集団訴訟を記録する会

■内部被曝否定する国側が敗訴  放射線は人体にどんな影響を及ぼすのか。福島第一原発の事故発生以来、この問題が社会の重大関心事となった。きわめて深刻に考える専門家がいる一方、楽観的にみる専門家もいて判断が難しい。  しか………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年07月08日
[ジャンル]歴史

『技術と人間』論文選 問いつづけた原子力 1972—2005 [著]高橋のぼる・天笠啓祐・西尾漠

『技術と人間』論文選 問いつづけた原子力 1972—2005 [著]高橋のぼる・天笠啓祐・西尾漠

■原発批判に孤軍奮闘した軌跡  1972年4月に創刊された雑誌「技術と人間」は、科学技術の独走を市民のまなざしで監視し批判してきた。原発批判に孤軍奮闘するその姿は、「王様は裸だ!」と喝破した子供のそれを思わせた。  本………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年06月17日
[ジャンル]科学・生物 社会

どん底―部落差別自作自演事件 [著]高山文彦

どん底―部落差別自作自演事件 [著]高山文彦

■自分あてに差別はがきを送る  最初のはがきが届いたのは2003年12月初旬だった。  ――被差別部落出身の町役場の職員を辞めさせよ。  はがきには、そうした趣旨のことが書かれていた。  その後、5年にわたって計44通………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年06月10日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

ドキュメント テレビは原発事故をどう伝えたのか [著]伊藤守

ドキュメント テレビは原発事故をどう伝えたのか [著]伊藤守

■いつ、誰が、何を話したか検証    福島の原発事故とメディアを考えるうえで重要な本だ。この本の出現によって私たちは、テレビの原発事故報道を、単なる印象や記憶ではなく、事実に基づいて批評、批判することが可能になった。 ………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年05月20日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝 新書

核燃料サイクル施設の社会学―青森県六ケ所村 [著]舩橋晴俊、長谷川公一、飯島伸子

核燃料サイクル施設の社会学―青森県六ケ所村 [著]舩橋晴俊、長谷川公一、飯島伸子

■開発計画から排除された村民  使用済み核燃料を再処理してプルトニウムとウランを回収し、高速増殖炉などで使用する「核燃料サイクル」計画は、エネルギー自立の切り札として長年、政府、電力会社によって推進されてきた。その関連………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年05月06日
[ジャンル]社会

低線量被曝のモラル [共編著]一ノ瀬正樹、伊東乾ほか

低線量被曝のモラル [共編著]一ノ瀬正樹、伊東乾ほか

■意見異なる専門家による討論  福島で原発事故が起きてからというもの、放射線が人体に与える影響をどう考えるか、という問題が大きく浮かび上がってきた。  とくに低線量被曝(ひばく)については、専門家の評価が大きくわかれる………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年04月22日
[ジャンル]科学・生物 社会

なぜメルケルは「転向」したのか ドイツ原子力四〇年戦争の真実 [著]熊谷徹

なぜメルケルは「転向」したのか ドイツ原子力四〇年戦争の真実 [著]熊谷徹

■定点観測でたどる脱原発の道  福島原発事故の発生から3カ月後、ドイツ連邦議会は、原子力法の改正案を可決し、遅くとも2022年末までに原発を完全に廃止することを決めた。なぜ、ドイツは脱原発への道を開くことができたのか?………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年04月08日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

日本の核開発 1939〜1955 原爆から原子力へ [著]山崎正勝

日本の核開発 1939〜1955 原爆から原子力へ [著]山崎正勝

■反原爆世論に「平和利用」で対抗  戦時下の原爆開発から、1955(昭和30)年の原子力基本法成立にいたる日本の「核開発」の歴史をたどる。東京電力福島第一原発の事故を機に、日本の原子力開発の歩みを振り返ってみようという………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年03月11日
[ジャンル]歴史 社会

検証 福島原発事故・記者会見―東電・政府は何を隠したのか [著]日隅一雄、木野龍逸

検証 福島原発事故・記者会見―東電・政府は何を隠したのか [著]日隅一雄、木野龍逸

■民主主義と相容れぬ情報独占  東日本大震災発生翌日の昨年3月12日午後2時ごろ、原子力安全・保安院の審議官は東京電力福島第一原発について、記者会見でこう語った。  「炉心の燃料が溶け出しているとみてよい」「炉心溶融で………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年03月04日
[ジャンル]社会

我が身は炎となりて―佐藤首相に焼身抗議した由比忠之進とその時代 [著]比嘉康文

我が身は炎となりて―佐藤首相に焼身抗議した由比忠之進とその時代 [著]比嘉康文

■「日本人とベトナム戦争」描く  ベトナム戦争のさなかの1967(昭和42)年11月11日夕刻、首相官邸前の路上で、1人の男性が焼身自殺を図った(12日、死亡)。翌日に訪米する予定の佐藤栄作首相にあてた抗議書が、かばん………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年02月19日
[ジャンル]歴史

歌集 小さな抵抗―殺戮を拒んだ日本兵 [著]渡部良三

歌集 小さな抵抗―殺戮を拒んだ日本兵 [著]渡部良三

■語り継ぐべき稀有の人間記録  上官の命令は、天皇の命令と心得よ、と軍人勅諭は兵に命じた。天皇の命令に従って捕虜を虐殺するか、神の命令に従って虐殺を拒むか。キリスト教を信仰する22歳の新兵が選んだのは、後者だった。  ………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年02月05日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

原発事故20年―チェルノブイリの現在 [著]ピエルパオロ・ミッティカ  [訳]児島修

原発事故20年―チェルノブイリの現在 [著]ピエルパオロ・ミッティカ [訳]児島修

■不可視の実在、写しとるカメラ  1986年に起きたチェルノブイリ原発事故に関する本は、これまでもいくつか読んできた。しかし、今回、この写真集を手にとって、従来とは全く異なる感懐を抱いた。もちろん、それは福島で原発事故………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2011年12月11日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

横浜事件・再審裁判とは何だったのか―権力犯罪・虚構の解明に挑んだ24年 [著]大川隆司、佐藤博史、橋本進

横浜事件・再審裁判とは何だったのか―権力犯罪・虚構の解明に挑んだ24年 [著]大川隆司、佐藤博史、橋本進

■戦時下日本の警察・司法を裁く  「免訴」  広辞苑を引くと、「刑罰権の内容を実現する利益と必要がない場合、すなわち……犯罪後刑が廃止されたとき……に言い渡される手続打切りの裁判」とある。  戦時下、治安維持法違反を理………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2011年11月27日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

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