中条省平(学習院大学教授)の書評

写真:中条省平さん

中条省平 (学習院大学教授)
1954年神奈川県生まれ。学習院大学教授。専門はフランス文学。著書に『最後のロマン主義者』『映画作家論』『文章読本』『反=近代文学史』『ただしいジャズ入門』『天才バカボン家族論「パパの品格」なんていらないのだ!』、訳書にバタイユ『マダム・エドワルダ』など。

昼の学校 夜の学校 [著]森山大道著 

昼の学校 夜の学校 [著]森山大道著 

■写真の本質、率直な言葉で  森山大道が正面切って写真を語った本である。  写真家志望の若い学生を相手にした質疑応答の記録だから、言葉は分かりやすく、ストレートだ。森山は〈写真〉という生き方の本質を留保なく差しだす。そ………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2006年10月01日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

薔薇よ永遠に―薔薇族編集長35年の闘い [著]伊藤文学

薔薇よ永遠に―薔薇族編集長35年の闘い [著]伊藤文学

■ゲイの悩みと人生の幅広さ  著者が「薔薇(ばら)族」を創刊した35年前、同性愛者は異常者扱いされた。その後、ゲイという存在が日本で市民権を得るにあたって、この雑誌が果たした役割は決して小さくない。本書はその35年を回………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2006年09月24日
[ジャンル]文芸 人文

マンガは欲望する [著]ヨコタ村上孝之

マンガは欲望する [著]ヨコタ村上孝之

■吹き出しや絵の手法を縦横に分析  最近のマンガ研究は勢いがある。若い学問領域だけに、新しい成果を生む潜在力が大きいのだ。本書はマンガというメディアの特性を分析しつつ、近代からポストモダンへの移行という大きな思想的課題………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2006年09月17日
[ジャンル]文芸 アート・ファッション・芸能 社会

レッドパージ・ハリウッド [著]上島春彦

レッドパージ・ハリウッド [著]上島春彦

■追放後も密かに映画を支えた脚本家たち  レッドパージ(赤狩り)はマッカーシズムの別称でも知られるが、その頂点をなす映画界での粛清にマッカーシー上院議員は直接関(かか)わっていない。主役は下院非米活動調査委員会(HUA………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2006年09月10日
[ジャンル]歴史 政治 アート・ファッション・芸能

バブル文化論 [著]原宏之/東京大学〔80年代地下文化論〕講義 [著]宮沢章夫

バブル文化論 [著]原宏之/東京大学〔80年代地下文化論〕講義 [著]宮沢章夫

■「消費」幻想VS.「かっこいい」ピテカン  1988年、日本全体の地価の総計は1164兆円で、この金を出せば、日本の25倍の広さをもつアメリカを二つ買えた。今となっては誰もが笑い話としか思えないこの虚構を信じえた時代………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2006年08月20日
[ジャンル]歴史 社会

ヴェルレーヌ伝 [著]アンリ・トロワイヤ

ヴェルレーヌ伝 [著]アンリ・トロワイヤ

■感動的な詩生んだ愚かな生涯  ヴェルレーヌといえば、「秋の日のヴィオロンのためいきの」や「巷(ちまた)に雨の降る如く」という名訳が反射的に思いだされるせいで、やるせない感傷にふける旧世代の詩人というイメージがあるが、………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2006年08月06日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

愛情省 [著]見沢知廉

愛情省 [著]見沢知廉

■現代日本の暗部を寓話で  昨年、自宅マンションから飛び降り自殺をとげた見沢知廉の短編集である。  見沢は新右翼としての活動中、仲間とともにスパイを査問して殺してしまうという事件を起こし、12年におよぶ獄中生活を送った………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2006年07月23日
[ジャンル]文芸

レオナルド・ダ・ヴィンチ―伝説の虚実 [著]竹下節子

レオナルド・ダ・ヴィンチ―伝説の虚実 [著]竹下節子

■西欧の「隠れた思想史」浮上  『ダ・ヴィンチ・コード』のせいで秘密結社のリーダーという影の顔が定着してしまったレオナルドだが、彼がどの程度オカルトの潮流に関(かか)わったかを知りたい人は多いだろう。本書はその疑問に答………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2006年07月09日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

のりたまと煙突 [著]星野博美 

のりたまと煙突 [著]星野博美 

■はっとする日常へのまなざしの意外さ  日常生活で観察されるささやかな出来事を描かせて、星野博美の右に出る書き手はめったにいない。さらにそこから結末までの、間然するところのない展開。  例えばこんな話がある。  「私」………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2006年06月25日
[ジャンル]文芸

王になろうとした男 ジョン・ヒューストン [著]ジョン・ヒューストン

王になろうとした男 ジョン・ヒューストン [著]ジョン・ヒューストン

■映画より面白い! 波瀾万丈の自伝  途方もない自伝である。これがすべて事実なら、ヒューストンの一生は彼の映画より面白いといって過言ではない。話芸の冴(さ)えも類書に例を見ないほどの巧みさだ。  最初の職業はボクサー。………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2006年06月18日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

わが名はヴィドック [著]ジェイムズ・モートン 

わが名はヴィドック [著]ジェイムズ・モートン 

■神話的人物の波瀾万丈の記  ヴィドック、世界初の探偵事務所を開いた男である。一八二八年に出した『回想録』が大評判を呼ぶが、これは探偵になる直前までの自伝であり、代作者がいて虚実とりまぜ誇張が多い。本書は、この神話的な………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2006年06月11日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

金馬のいななき-噺家生活六十五年 [著]三遊亭金馬 

金馬のいななき-噺家生活六十五年 [著]三遊亭金馬 

■笑いの半生記に深い哀感  著者は現役最長の高座歴をもち、今年で喜寿を迎える。四代目・三遊亭金馬を襲名して39年になるが、見るからに艶々(つやつや)と若々しく、昭和30年代の国民的人気テレビ番組「お笑い三人組」を楽しん………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2006年05月28日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

球体写真二元論-私の写真哲学 [著]細江英公 

球体写真二元論-私の写真哲学 [著]細江英公 

■死を生に、瞬間を永遠に  カメラのシャッターを切れば写真はうつる。そのとき写真は外界の反映、つまり現実の「鏡」になっている。しかし、被写体やレンズの選択、アングルや絞りの調節によって、写真家は現実の反映を自己表現に変………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2006年05月14日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

フランソワ・トリュフォー [著]アントワーヌ・ド・ベック、セルジュ・トゥビアナ

フランソワ・トリュフォー [著]アントワーヌ・ド・ベック、セルジュ・トゥビアナ

■映画に愛をこめた男の孤独と苦悩  トリュフォーは「愛とやさしさ」の映画作家だといわれる。じっさい、彼は、女と子供のほかに主題はないと断言した芸術家である。  だが、トリュフォーは「孤独と暗さ」の映画作家でもあった。母………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2006年05月07日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

Op.ローズダスト 上・下 [著]福井晴敏 

Op.ローズダスト 上・下 [著]福井晴敏 

■テロめぐる攻防、苦い味わいの物語  福井晴敏の三年半ぶりの新作。上下巻で一一〇〇ページを軽くこえる超大作だ。  そのスケールの大きさにおいて、また、国際的なテロによる日本の危機というアクチュアルな主題において、さらに………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2006年04月23日
[ジャンル]文芸

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