辻篤子(本社論説委員)の書評

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辻篤子 (本社論説委員)
1953年京都府生まれ。朝日新聞社論説委員。共著に『岩波講座 科学/技術と人間〈2〉専門家集団の思考と行動』『新聞学』、共訳にカール・セーガン『惑星へ』など。

風評被害―そのメカニズムを考える [著]関谷直也

風評被害―そのメカニズムを考える [著]関谷直也

■避けがたさ前提、行動のヒント  「風評被害」という言葉があいまいなのは、厳密な定義なしに、1990年代末からマスコミ用語として使われ始めたからだという。  著者は、人々が事件や災害などの報道をきっかけに、消費や観光な………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年07月10日
[ジャンル]経済 社会 新書

ウォール・ストリート・ジャーナル 陥落の内幕 [著]サラ・エリソン

ウォール・ストリート・ジャーナル 陥落の内幕 [著]サラ・エリソン

■経営難で亀裂、メディア王降臨  ウォールストリート・ジャーナルは、かつては人物の似顔絵が添えられる程度で写真もなく、じっくり読ませる長文の分析記事を特徴とする世界的な経済紙だった。一般紙をにぎわす事件や事故はごく短く………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年06月19日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

知の広場―図書館と自由 [著]アントネッラ・アンニョリ

知の広場―図書館と自由 [著]アントネッラ・アンニョリ

■予期せぬ人・体験と出合う場  「すべてが欲しい、今すぐに欲しい」  情報でも映像でも音楽でも、そんな個人の欲求をネットがいとも簡単に満たしてくれる時代である。  図書館はいわばその対極にある不自由な存在かもしれない。………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年06月05日
[ジャンル]人文

宇宙誕生―原初の光を探して [著]マーカス・チャウン

宇宙誕生―原初の光を探して [著]マーカス・チャウン

■空の「化石」、謎解きそしてまた謎  太古の生物の姿を伝えてくれる化石があるように、太古の宇宙の化石もある。  「宇宙背景放射」と呼ばれる、セ氏マイナス270度のかすかな電波である。  ビッグバンから38万年、超高圧超………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年05月22日
[ジャンル]科学・生物

旧石器時代人の歴史―アフリカから日本列島へ [著]竹岡俊樹

旧石器時代人の歴史―アフリカから日本列島へ [著]竹岡俊樹

■捏造はなぜ見破られなかったか  タイトルにうたわれた「旧石器時代人」なるものは、実は、私たちが思うような形では本書に登場しない。  どんな姿格好で、どんなふうに暮らしていたのか。復元図は一切ない。出てくるのは石器だけ………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年05月08日
[ジャンル]人文

本を生み出す力―学術出版の組織アイデンティティ [著]佐藤郁哉・芳賀学・山田真茂留

本を生み出す力―学術出版の組織アイデンティティ [著]佐藤郁哉・芳賀学・山田真茂留

■「知の門衛」学術界にも課題  出版不況は、知の守り手である学術書の出版にも影響を及ぼさずにはいない。  本書は、東京大学出版会や有斐閣など専門書を出版する4社を例に「知の門衛」としての役割を詳細に分析し、欧米との比較………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年04月24日
[ジャンル]人文

生きるってなんやろか? [著]石黒浩・鷲田清一

生きるってなんやろか? [著]石黒浩・鷲田清一

■心は見えへんっていうけれど  「心っていうのは、みんな見えへん見えへんっていうけど、心は見えるというところから出発したほうがいいんやないか、と思うの」  哲学者の鷲田が語っている。これはまるで、震災以来すっかりおなじ………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年04月17日
[ジャンル]人文

ウィキリークス―アサンジの戦争 [著]「ガーディアン」特命取材チーム/日本人が知らないウィキリークス [著]小林恭子ほか

ウィキリークス―アサンジの戦争 [著]「ガーディアン」特命取材チーム/日本人が知らないウィキリークス [著]小林恭子ほか

■伝統メディアとの緊張はらんだ共闘    新たなジャーナリズムとたたえる声がある一方で、情報テロと厳しく非難される。これほど評価が分かれるものも珍しいだろう。  流出した米政府の機密情報などを次々に公開し、にわかに注目………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年04月10日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 国際

なぜ科学を語ってすれ違うのか―ソーカル事件を超えて [著]ジェームズ・R・ブラウン

なぜ科学を語ってすれ違うのか―ソーカル事件を超えて [著]ジェームズ・R・ブラウン

■なぜ科学を語ってすれ違うのか   社会における科学、論争後の問い  ソーカル事件とは、米国の物理学者ソーカルが1996年、ポストモダン派の雑誌に投稿した、科学的な装いのパロディー論文がまんまと査読を通過して掲載され、………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年02月20日
[ジャンル]人文 科学・生物

遺伝子医療革命―ゲノム科学がわたしたちを変える [著]フランシス・S・コリンズ

遺伝子医療革命―ゲノム科学がわたしたちを変える [著]フランシス・S・コリンズ

■解読宣言10年、「革命」は起きたか  ヒトの全遺伝情報、すなわちヒトゲノムの解読がほぼ終わった。クリントン米大統領が2000年6月、こう宣言したときにその脇に立っていたのが著者である。日本も参加した国際協力による解読………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年02月13日
[ジャンル]科学・生物

フェイスブック 若き天才の野望 [著]デビッド・カークパトリック

フェイスブック 若き天才の野望 [著]デビッド・カークパトリック

■社会を変える情報交換システム  マーク・ザッカーバーグ、26歳。チュニジアの政権崩壊でも大きな役割を果たし、注目を集めるインターネット上の世界最大の交流サイト、「フェイスブック」の創設者である。昨年末には、米タイム誌………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年01月23日
[ジャンル]IT・コンピューター ノンフィクション・評伝

電子本をバカにするなかれ [著]津野海太郎/電子書籍奮戦記 [著]萩野正昭

電子本をバカにするなかれ [著]津野海太郎/電子書籍奮戦記 [著]萩野正昭

■本と人との緊張をはらんだ未来  電子書籍元年といわれた2010年に続く今年、電子の本はさて、どこまで広がるだろう。  専用端末も次々に登場し、また一歩、私たちに近づいてきそうだが、電子の本の登場は、私たちの文化の根幹………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年01月16日
[ジャンル]文芸 IT・コンピューター

繁栄―明日を切り拓くための人類10万年史<上・下> [著]マット・リドレー

繁栄―明日を切り拓くための人類10万年史<上・下> [著]マット・リドレー

■合理的楽観主義で「世界はよくなる」  「もっと気楽に考えようよ。世界はよくなっていくんだから」  ぽんと背中をたたかれて、こういわれたような気になる。  原題は「合理的な楽観主義者」、その副題は「繁栄はいかに進化する………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2010年12月05日
[ジャンル]歴史 人文 科学・生物

ヨハネス・ケプラー [著]ジェームズ・R・ヴォールケル

ヨハネス・ケプラー [著]ジェームズ・R・ヴォールケル

■知性の真の価値、後世に明らかに    ケプラーは、太陽の周りを楕円(だえん)を描いて回る惑星の運動法則にその名を残す。いうまでもなく地動説を前提とするが、同時代のガリレオと違って、迫害されなかったのはなぜだろう。  ………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2010年11月28日
[ジャンル]歴史 科学・生物

偶然とは何か―その積極的意味 [著]竹内啓/確率論と私 [著]伊藤清

偶然とは何か―その積極的意味 [著]竹内啓/確率論と私 [著]伊藤清

■結果としての運、世界の法則性は  天の導きか、と思わせるような出会いがあれば、不幸というしかない、行き違いや事故もある。私たちはあまたの偶然とともに、笑ったり泣いたりして生きている。  そんな偶然に、私たちは黙って身………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2010年11月21日
[ジャンル]科学・生物 ノンフィクション・評伝 新書

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