■「義侠心」から揺れ動いた脱亜論 福沢諭吉は「脱亜論」(1885年)で、「我(わ)れは心に於(おい)て亜細亜(アジア)東方の悪友を謝絶するものなり」と書いた。それまで福沢は、朝鮮の改革を目指し、西洋列強に抗して日本を………[もっと読む]
[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2015年11月29日
[ジャンル]歴史
■米の診断基準導入、病名も概念も変化 本書は日本の精神医学の50年を個人的な臨床経験をもとにふりかえるものである。著者が精神医学に向かったのは、文学にかぶれていたからだといっている。しかし、これは例外的なケースではな………[もっと読む]
[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2015年11月01日
[ジャンル]医学・福祉
■高度成長で変化、オウム事件の意味 本書は「戦後日本の宗教史」という題であるが、むしろ、戦後日本の社会史を、宗教、特に新宗教の歴史から見るものだといってよい。時代でいえば、つぎの二つに区分される。戦後灰燼(かいじん)………[もっと読む]
[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2015年08月23日
[ジャンル]人文
■伝統の切断、力関係の逆転 本書は、「社会主義を経たアジア地域の宗教」に関する、地域横断的な共同研究である。この地域の宗教は、イスラム、ボン教、上座仏教、シャーマニズムなど、様々であり、共通するのは、社会主義体制を経………[もっと読む]
[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2015年07月19日
[ジャンル]社会
■戦後GHQが導入、質問の仕方で違い 本書は、世論調査の起源から、現在にいたるまでの歴史を示すとともに、今後の可能性を見ようとするものだ。古来どんな国家体制もそれなりに「民意」にもとづいている。しかし、「世論」(パブ………[もっと読む]
[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2015年07月05日
[ジャンル]社会
■列島改造!! 成長の限界に直面 明治以後、江戸時代の社会は、概して否定的に見られてきた。それが参照すべきものとして見られるようになったのは、むしろ近年である。それは、戦後日本で、「日本列島改造」と呼ばれた経済の高度………[もっと読む]
[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2015年05月24日
[ジャンル]歴史 経済 科学・生物
■文学でこそ表せる「戦力でない軍隊」 本書は、自衛隊を題材にした小説や映画、つまり「自衛隊文学」の読解を通して、自衛隊を考察するものである。もちろん、本書には自衛隊に関する政治的・法的な議論があるし、その部分も重要で………[もっと読む]
[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2015年03月08日
[ジャンル]人文 社会
■ロシア革命後、黙殺された思想 ウィリアム・モリスは現在の日本では、特に室内装飾のデザインで知られている。私は大阪のデパートで展示を見たことがある。彼はまた、「ユートピアだより」を書いた、空想的社会主義者として知られ………[もっと読む]
[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2015年02月22日
[ジャンル]政治
■エマソンを源流に創造的民主主義へ 著者ウェストは、ハーバード大学、プリンストン大学などで哲学・文学を教え、教会牧師であるとともに、政治的活動家であり、ラップも行う、黒人の「有機的知識人」である。本書の表題は、やや誤………[もっと読む]
[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2014年11月16日
[ジャンル]社会
■緊張の東アジアへ、今こそ普遍的意義 本書は「琉球独立」を提唱するものである。たとえば、スコットランドがイギリスからの独立を求めて住民投票を行ったことに驚いた日本人が多かっただろう。なぜスコットランドが独立を望むのか………[もっと読む]
[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2014年09月21日
[ジャンル]政治 社会
■「裏切り」でなく「暗黙の契約」 カフカは友人マックス・ブロートに、遺稿は「のこらず、読まずに焼いてくれ」というメモを残したが、友人はあえてそれを出版した。その結果、カフカは20世紀を代表する作家となった。この有名な………[もっと読む]
[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2014年08月24日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝
■政党よりリーダー、個人的人気に傾く 本書の編著者らは、現行の議会制民主主義では「大統領制化」という現象が生じると主張する。簡単にいうと、それは、行政府の長(首相ないし大統領)が、議会(立法府)による制約から自立する………[もっと読む]
[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2014年06月29日
[ジャンル]政治
■グリムと異なり大人に向けて グリムの童話「赤頭巾」では、少女がお婆(ばあ)さんに化けた狼(おおかみ)に食われたあと、猟師が狼を撃って腹から少女を助け出すことになっている。しかし、ペローの昔話では、少女はたんに食われ………[もっと読む]
[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2014年01月12日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝
■支配逃れ「遊動」、山地民の「歴史」 表題の「ゾミア」とは、東南アジア大陸部(ベトナム、カンボジア、ラオス、タイ、ミャンマー)および中国南部の丘陵地帯を指す新名称である。そこには、まだ国民国家に統合されていない人々が………[もっと読む]
[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2013年11月24日
[ジャンル]社会 国際
■日本学者として日、米、世界見直す 本書は、著者の主要な仕事のエッセンスを、自身による解題を付して、年代順に配列したものである。「ダワー入門」と呼んでもよい本だ。内容的にいえば、マッカーシズムの時期に自殺に追い込まれ………[もっと読む]
[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2013年09月29日
[ジャンル]歴史 社会 国際
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