いとうせいこう(作家・クリエーター)の書評

写真:いとうせいこうさん

いとうせいこう (作家・クリエーター)
1961年東京都生まれ。音楽や舞台、映画などの分野でも活躍。小説に『ノーライフキング』『ワールズ・エンド・ガーデン』『波の上の甲虫』『想像ラジオ』、エッセーに『ボタニカル・ライフ』(講談社エッセイ賞)など。奥泉光らとの共著に『文芸漫談』、みうらじゅんとの共著に『見仏記』もある。ホームページは「WATCH SEIKO」

ブルーシート [著]飴屋法水

ブルーシート [著]飴屋法水

■その場、その時 代替不能な核心  80年代の短い期間、東京グランギニョルという劇団を率いた飴屋法水は、解散後に現代美術の前衛として刺激的なインスタレーションを数多く提示。しかし、“動物商”となって発表をやめてしまう。………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2014年05月25日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

歳月 [著]鄭智我

歳月 [著]鄭智我

■老いに焦点、人間の必然描く  重力の強い文体と描写、人間の愚かさ純粋さへの透徹したまなざし、あるいは哀れみや共感によって、読む者を足元の土へと引きつけ続ける韓国女性作家の短編群である。  解説によれば鄭智我は1990………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2014年04月20日
[ジャンル]文芸 社会

ヴァギナ [著]ナオミ・ウルフ

ヴァギナ [著]ナオミ・ウルフ

■創造の源、個性豊かで神秘的  アメリカのフェミニスト、ナオミ・ウルフの日本での新刊がずばり『ヴァギナ』。大胆、かつ簡潔なタイトルだ。  本書の中で、ウルフは自分が患った骨盤神経の圧迫から話を始める。治療の過程で、彼女………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2014年04月13日
[ジャンル]人文 社会

ラヴ・レター [著]小島信夫

ラヴ・レター [著]小島信夫

■この相変わらずの新しさは何だ  第三の新人、という言葉をあえてここで使おう。日本文学史における分類としてではない。七十を過ぎ、八十九歳までに書かれた小島信夫の単行本未収録短編を読みながら、この相変わらずの新しさは何だ………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2014年03月02日
[ジャンル]文芸

ヘンリー・ミラーの八人目の妻 [著]ホキ徳田

ヘンリー・ミラーの八人目の妻 [著]ホキ徳田

■軽薄体で語るゴージャスな交流  ホキ徳田というと、私のような“遅れてきた世代(ただ今50代前半)”には、妙になまめかしいイメージがある。彼女が結婚した文豪ヘンリー・ミラーの『北回帰線』が性的描写の赤裸々さゆえに米国で………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2014年02月16日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ひとりの体で(上・下) [著]ジョン・アーヴィング

ひとりの体で(上・下) [著]ジョン・アーヴィング

■過去形の甘さを引き出した傑作  アメリカを代表する作家アーヴィングの長編がコンスタントに書かれ続けている。  今回はヴァーモント州の小さな町に生まれたビル少年が、地域のアマチュア劇団に所属する家族(とはいえ、多くのア………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2014年01月19日
[ジャンル]文芸

ミッキーはなぜ口笛を吹くのか―アニメーションの表現史 [著]細馬宏通

ミッキーはなぜ口笛を吹くのか―アニメーションの表現史 [著]細馬宏通

■黒板の絵が動く、驚く創造の歴史  「世界で最初のアニメーション映画は」と始まる本書は「愉快な百面相」という3分の作品を紹介する。黒板にチョークで描かれる数々の顔が変化してゆく、と。  著者によれば、それは米国で当時流………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2013年12月15日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能

JB論 ジェイムズ・ブラウン闘論集1959—2007 [編著]ネルソン・ジョージ、アラン・リーズ

JB論 ジェイムズ・ブラウン闘論集1959—2007 [編著]ネルソン・ジョージ、アラン・リーズ

■黒い音楽を変えた男のファンク  ジェイムズ・ブラウン、米国の“黒い”音楽を変えた男。世界中からJBと親しみをこめて呼ばれるシャウトの達人。彼がでっぷりした腹で踊り出し、爪先(つまさき)で移動し、一瞬にして縦に股割りし………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2013年11月17日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

サリンジャー―生涯91年の真実 [著]ケネス・スラウェンスキー

サリンジャー―生涯91年の真実 [著]ケネス・スラウェンスキー

■禁欲的な隠遁者、執筆と祈りの日々  J・D・サリンジャー。『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、ご存知(ぞんじ)『ライ麦畑でつかまえて』で全世界の反抗する若者たちに影響を与え続けてきた作家。斬新な口語体などを駆使し、ウィ………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2013年10月13日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

境界なき土地 [著]ホセ・ドノソ

境界なき土地 [著]ホセ・ドノソ

■無意識と抗えぬ血が湧き出す  南米チリの作家ホセ・ドノソは前世紀の終わり頃に亡くなっている。作品が日本に紹介されたのは主に70年代のことだったが、他のラテンアメリカ文学者たちほどには人口に膾炙(かいしゃ)されず、どこ………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2013年09月22日
[ジャンル]文芸

雑誌の王様 評伝・清水達夫と平凡出版とマガジンハウス [著]塩澤幸登

雑誌の王様 評伝・清水達夫と平凡出版とマガジンハウス [著]塩澤幸登

■天才的な編集者の時代の証言  『平凡』『平凡パンチ』『アンアン』『ポパイ』『ブルータス』などなど、時代を先駆けた雑誌を作り続けてきたマガジンハウス(平凡出版から1983年に社名変更)。そこに清水達夫という天才的な編集………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2013年09月01日
[ジャンル]政治 社会

最後のクレイジー 犬塚弘 [著]犬塚弘・佐藤利明

最後のクレイジー 犬塚弘 [著]犬塚弘・佐藤利明

■教養と矜持と、底抜けの悪戯心  戦後の日本が焼け跡から復興していくとき、人々の傍らには音楽と笑いがあった。  その代表が言わずと知れた「ハナ肇とクレイジー・キャッツ」である。音楽ライブから始まって、彼らは創成期のテレ………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2013年08月25日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

ドゥルーズの哲学原理 [著]國分功一郎

ドゥルーズの哲学原理 [著]國分功一郎

■相手の考えの奥に潜り込む  フランス現代思想は難解だ、と我々の多くは考えているはずだ。特にジル・ドゥルーズはその最高峰だ。難しい。  そのドゥルーズを快刀乱麻を断つごとく、簡潔に読みほどいていくのが若き哲学者・國分功………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2013年08月11日
[ジャンル]人文

蘇生した魂をのせて/石牟礼道子―魂の言葉、いのちの海 [著]石牟礼道子

蘇生した魂をのせて/石牟礼道子―魂の言葉、いのちの海 [著]石牟礼道子

■「公」とは何か、水俣から学ぶ  藤原書店から出ている全集も大詰めを迎えつつある石牟礼道子。行動をともなったその思索、そして言葉に関する本が幾つか出てきている。  『蘇生した魂をのせて』は講演や対談をまとめたもの。そし………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2013年07月14日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

わが盲想 [著]モハメド・オマル・アブディン

わが盲想 [著]モハメド・オマル・アブディン

■とびきり明るい筆致の奮闘記  アフリカ・スーダンから1998年に来日した著者は、留学をしながら鍼灸(しんきゅう)を学ぶ。その時、視覚の病は進行中で“物の影がかすかに見えるほど”でしかない。そして……。  とびきり明る………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2013年06月30日
[ジャンル]社会

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