田中優子(法政大学教授・近世比較文化)の書評

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田中優子 (法政大学教授・近世比較文化)
1952年横浜市生まれ。専門は江戸近世文化・アジア比較文化。著書に『江戸の想像力』(芸術選奨文部大臣新人賞)『江戸百夢』(サントリー学芸賞)『カムイ伝講義』『布のちから―江戸から現在へ』『樋口一葉「いやだ!」と云ふ』」など。田中優子プライベートサイト

対話集 原田正純の遺言 [編]朝日新聞西部本社/原田正純の道 [著]佐高信

対話集 原田正純の遺言 [編]朝日新聞西部本社/原田正純の道 [著]佐高信

■水俣病患者に学んだ半世紀  福島原発事故によって人も社会も海も被害を受けた。いまだ何も乗り越えられていない。にもかかわらず再稼働が次々と審査申請された。こういう時こそ、水俣を思い起こさなくてはならないだろう。  原田………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年07月28日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

『グレート・ギャツビー』の世界―ダークブルーの夢 [著]宮脇俊文

『グレート・ギャツビー』の世界―ダークブルーの夢 [著]宮脇俊文

■夢追うアメリカの哀しい宿命  ニューヨークの金持ちたちの華やかな世界。映画で上映中の「華麗なるギャツビー」にはそういう印象がある。しかし小説『グレート・ギャツビー』には、どこかやりきれない暗さがあるのだ。その理由を、………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年07月07日
[ジャンル]文芸

歴史哲学への招待―生命パラダイムから考える [著]小林道憲

歴史哲学への招待―生命パラダイムから考える [著]小林道憲

■科学との共通性が見えてくる  「歴史的事実」という言葉がある。歴史教科書に記述されていることは、あたかも事実のように私たちは思っている。しかし一方、歴史が物語であることも承知している。ではいったいどのようにして私たち………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年06月23日
[ジャンル]科学・生物

犬の伊勢参り [著]仁科邦男

犬の伊勢参り [著]仁科邦男

■群衆と動物が入り交じった時代  犬が伊勢参りをした最初の記録は一七七一年だそうだ。それ以来まさに「ぞくぞくと」犬の参宮が見られたのだった。本当なのか? それにしてもいったいなぜ?  本書は数々の疑問に答えながら、その………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年05月19日
[ジャンル]歴史

「幸せ」の戦後史 [著]菊地史彦

「幸せ」の戦後史 [著]菊地史彦

■喪失感の中から生きた時代問う  生まれて60年余り、日本は豊かになって来たはずなのだが、私は常に「失い続けている」という思いが消えなかった。それは個人的な事情ではなさそうだ。やはり、そのことに向き合わねばならないのだ………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年05月12日
[ジャンル]社会

戦後『中央公論』と「風流夢譚」事件 [著]根津朝彦

戦後『中央公論』と「風流夢譚」事件 [著]根津朝彦

■言論の自由と暴力・自主規制  伊藤整に『日本文壇史』という素晴らしい仕事がある。文学作品が人のつながりの中で、あるいは新聞など様々なメディアを使って成立してきた過程が見える本だ。  本書はその評論版「日本論壇史」とい………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年04月21日
[ジャンル]歴史

レジリエンス 復活力 [著]アンドリュー・ゾッリ、アン・マリー・ヒーリー

レジリエンス 復活力 [著]アンドリュー・ゾッリ、アン・マリー・ヒーリー

■どんな領域も同時に扱う多様性  まだなじみの無い言葉だが、すでに「レジリエンス resilience」は新しい目標として世界に広まりつつある。レジリエンスとは、外部から力を加えられて崩壊しかかった人やものやコミュニテ………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年04月14日
[ジャンル]社会

死と神秘と夢のボーダーランド―死ぬとき、脳はなにを感じるか [著]ケヴィン・ネルソン

死と神秘と夢のボーダーランド―死ぬとき、脳はなにを感じるか [著]ケヴィン・ネルソン

■脳が引き起こす臨死体験  「死ぬとき、脳はなにを感じるか」という副題に惹(ひ)かれた。臨死体験を多く扱っているが、怪しい本ではない。著者は脳神経科学者で、本書はかなりしっかりした研究書である。  結論から言うと、臨死………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年03月24日
[ジャンル]医学・福祉

東北発の震災論―周辺から広域システムを考える [著]山下祐介

東北発の震災論―周辺から広域システムを考える [著]山下祐介

■脱原発ではなく脱システムを  本書を最後まで読むと恐ろしくなってくる。「震災論」とあるが、じつは「広域システム」論だ。ここで言う広域システムとは「ある箇所の生産は全世界で展開されている生産工程に結びついており、一カ所………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年03月03日
[ジャンル]社会

談志が死んだ [著]立川談四楼

談志が死んだ [著]立川談四楼

■恐怖の臨場ノンフィクション  いや、面白い。いい本だ。エッセイとも小説とも思えるこの作品には著者の才能が十全に発揮され、亡くなったはずの談志が、読む者の肌にまとわりついて、払っても払っても消えない。読み終わったときに………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年02月17日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

明治演劇史 [著]渡辺保

明治演劇史 [著]渡辺保

■時代の転換期に息づく人たち  維新後、能や歌舞伎がどう変化し、新しい演劇がどのように出現したか、政治や社会の動きとともに生き生きと見える一冊である。  二〇〇九年刊の同著者による『江戸演劇史』上・下は約三百年の時間を………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年01月27日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

落語の国の精神分析 [著]藤山直樹

落語の国の精神分析 [著]藤山直樹

■「人間の業」をあきらかに  落語家とは単なる職業ではなく、落語家として生きることなのだ、と著者は言う。落語家が生きる世界。それが「落語の国」である。  本書は、その落語の国に登場する演目や落語家を分析し、それが同時に………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2013年01月13日
[ジャンル]医学・福祉

足軽の誕生 室町時代の光と影 [著]早島大祐

足軽の誕生 室町時代の光と影 [著]早島大祐

■個性的な人間ドラマが展開  室町時代とはいったいどんな時代なのか? 本書はそれを解き明かし、時代の活気を描き出している。室町時代とは、鎌倉に幕府が置かれて政治機能が分散していた日本に、久々に実質的な首都が生まれた時代………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2012年12月16日
[ジャンル]歴史

白鳥 [著]赤羽正春

白鳥 [著]赤羽正春

■様々に形を変え、文化を紡ぐ  白鳥が白い布となり、飛天となり天使となる。魂は白い鳥に姿を変え、飛び去り飛び来る。世界中で白鳥は様々に形を変えながら人とともに文化を紡いできた。本書ではその全体が見える。  生き物として………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2012年11月04日
[ジャンル]人文

千夜千冊番外録 3・11を読む [著]松岡正剛

千夜千冊番外録 3・11を読む [著]松岡正剛

■有機体のような本の記憶の記録  東日本大震災以降じつに多くの本が出た。読んだもの読まなかったもの様々あって混乱してくる。それまで気にとめていなかった本が、急に気になり始めた人も少なくない。膨大な関連本を一気に読んだ人………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2012年10月07日
[ジャンル]人文 社会

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