出久根達郎(作家)の書評

写真:出久根達郎さん

出久根達郎 (作家)
1944年茨城県生まれ。古書店を営みながら執筆活動に入り、古書の知識を生かした小説やエッセー、漱石に関する著作で知られる。小説に『佃島ふたり書房』(直木賞)『御書物同心日記』、エッセーに『本のお口よごしですが』(講談社エッセイ賞)『古本奇譚』『作家の値段』『日本人の美風』など。

モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん―修復家・岩井希久子の仕事 [著]岩井希久子

モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん―修復家・岩井希久子の仕事 [著]岩井希久子

■名画を修復する驚きの「秘法」  名画を修復する職業があることを、大抵のかたがご存じないのでは? 肝心の修復家が仕事の内容や生活を、発言しないせいもある。もっともわが国では美術館に修復部門が、ほとんど無い。従ってこの道………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2013年07月28日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

「大菩薩峠」を都新聞で読む [著]伊東祐吏

「大菩薩峠」を都新聞で読む [著]伊東祐吏

■大長編の謎に迫り、問題提起  『大菩薩峠(だいぼさつとうげ)』という長篇(ちょうへん)小説をご存じだろうか。文庫で全二十巻もある。大衆小説の古典と呼ばれている。作者は、中里介山(かいざん)である。芥川龍之介や谷崎潤一………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2013年07月21日
[ジャンル]歴史

素顔の新美南吉―避けられない死を前に [著]斎藤卓志

素顔の新美南吉―避けられない死を前に [著]斎藤卓志

■聞き書きで創作の実態明らかに  「里にいでて手袋買ひし子狐(こぎつね)の童話のあはれ雪降るゆふべ」。美智子皇后の御歌(みうた)である。新美南吉の童話「手ぶくろを買いに」を詠まれている。  今年は新美の生誕百年、そして………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2013年07月14日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

第一回普選と選挙ポスター―昭和初頭の選挙運動に関する研究 [著]玉井清

第一回普選と選挙ポスター―昭和初頭の選挙運動に関する研究 [著]玉井清

■好んで使われた「昭和維新」  参議院議員選挙が始まった。今回から候補者はインターネットを使って運動することが認められた。  選挙運動の研究書は意外に少ない。ビラや挨拶(あいさつ)状などを収集する者がいないため、実態が………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2013年07月07日
[ジャンル]政治

黒澤明の十字架 戦争と円谷特撮と徴兵忌避 [著]指田文夫

黒澤明の十字架 戦争と円谷特撮と徴兵忌避 [著]指田文夫

■偉丈夫はなぜ徴兵されなかった  映画監督の黒澤明は壮健な偉丈夫だったが、徴兵体験はない。軍務経験もゼロである。自伝で、徴兵司令官が父の教え子だったため兵役を免れた、と書いている。著者は徴兵制度に情実があり得たか、と疑………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2013年05月19日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

鉞子―世界を魅了した「武士の娘」の生涯 [著]内田義雄

鉞子―世界を魅了した「武士の娘」の生涯 [著]内田義雄

■隠れた名著の素性、明らかに  司馬遼太郎の長篇(ちょうへん)『峠』は、主人公の河井継之助が上京を願って、長岡藩筆頭家老の稲垣宅に日参する場面から始まる。後年、二人は藩の存亡の機に対立する。  時代が下って、主君に殉じ………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2013年05月12日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

永山則夫―封印された鑑定記録 [著]堀川恵子

永山則夫―封印された鑑定記録 [著]堀川恵子

■100時間のテープ、心の闇に迫る  同世代の犯罪者として、評者はこの人に無関心たりえない。裁判での死刑の基準は、彼に下された判決を拠(よ)り所にしている。「永山基準」だ。  昭和43年、通り魔による連続4件の射殺事件………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2013年04月28日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

諏訪根自子 [著]萩谷由喜子

諏訪根自子 [著]萩谷由喜子

■ナチスから贈られた名器の謎  ショックだったのは、この人の死が半年もたってから報じられたことだった。それも外国の新聞が亡き人として取り上げていたため、確認して判明したのである。わが国では彼女は忘れられた「天才ヴァイオ………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2013年04月21日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

聞き書き 倉本聰 ドラマ人生 [編]北海道新聞社

聞き書き 倉本聰 ドラマ人生 [編]北海道新聞社

■包んであるのは人生の「苦い薬」  電気が無いと暮らせない、と少年が父親に訴える。夜になったらどうするのか。夜になったら、と父が答える。眠るンです。  テレビドラマ「北の国から」第一話の中の会話である。訳があって東京か………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2013年04月07日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

蟠桃の夢―天下は天下の天下なり [著]木村剛久

蟠桃の夢―天下は天下の天下なり [著]木村剛久

■難解な思想書を解説する  帯の背に、「山片蟠桃(やまがたばんとう)の生涯」とある。そうに違いないが、普通の伝記と思って読むと面くらうだろう。主人公の顔形が鮮明に見えてこない。  蟠桃は江戸時代の大阪が生んだ町人学者で………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2013年03月31日
[ジャンル]歴史

山靴の画文ヤ 辻まことのこと [著]駒村吉重

山靴の画文ヤ 辻まことのこと [著]駒村吉重

■「居候」の名人の魅力をたどる  辻まこと。この人の著書や絵やイラストの原画、あるいは肉筆原稿などは、古書界でべらぼうに高価である。熱烈なファンが多いということである。亡くなってから、一挙に人気が出て、現在に続いている………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2013年03月10日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

セッシュウ!―世界を魅了した日本人スター・早川雪洲 [著]中川織江

セッシュウ!―世界を魅了した日本人スター・早川雪洲 [著]中川織江

■内助の功が支えた映画人生  先日亡くなられた大島渚監督が、この人を映画化すべく脚本を書いている。わが国初の国際スター・早川雪洲(せっしゅう)。「花はサクラ、男はセッシュー」とアメリカでもてはやされた。ハンフリー・ボガ………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2013年02月10日
[ジャンル]人文

中原淳一 美と抒情 [著]高橋洋一

中原淳一 美と抒情 [著]高橋洋一

■戦後の若者文化に「ひまわり」  今年は中原淳一の生誕百年である。二月十六日、香川県に生まれた。  この人を語る時、少女画家、ファッションデザイナーの顔が強調されるけど、業績はそれだけではない。十九歳で個展を開き注目さ………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2013年01月13日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

伊藤野枝と代準介 [著]矢野寛治

伊藤野枝と代準介 [著]矢野寛治

■「奔放な恋の女」の真実に迫る  こんなにも知的な美人、とは意外だった。  伊藤野枝、である。評者の知る野枝は、大正期の婦人運動家で、結婚を破棄して上野高等女学校の英語教師だった辻潤と同棲(どうせい)、無政府主義者の大………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2013年01月06日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

江戸の読書会 会読の思想史 [著]前田勉

江戸の読書会 会読の思想史 [著]前田勉

■会読で、学校教育の閉塞打破を  江戸時代の子どもは、六、七歳頃(ごろ)から勉強させられた。武家は藩校や私塾へ、庶民は手習い塾の寺子屋へ通う。どちらも最初は素読(そどく)といって、師の読む通りを声に出して読む。次に暗誦………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2012年12月02日
[ジャンル]教育

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