内澤旬子(文筆家・イラストレーター)の書評

写真:内澤旬子さん

内澤旬子 (文筆家・イラストレーター)
1967年神奈川県生まれ。ノンフィクション、エッセー、イラストルポなど幅広い分野で著書がある。『センセイの書斎』『世界屠畜紀行』『おやじがき』『身体のいいなり』(講談社エッセイ賞)、『飼い喰い 三匹の豚とわたし』。松田哲夫氏との共著に『「本」に恋して』など。

眠る魚 [著]坂東眞砂子

眠る魚 [著]坂東眞砂子

■震災後、日本と家族への葛藤  今年一月に癌(がん)で急逝した坂東眞砂子の小説が二冊刊行された。『瓜子姫(うりこひめ)の艶文(つやぶみ)』(中央公論新社)は、著者が長年書き続けてきた男女の性愛がテーマ。江戸後期の松坂を………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年08月03日
[ジャンル]文芸

モンフォーコンの鼠 [著]鹿島茂

モンフォーコンの鼠 [著]鹿島茂

■奇想天外、汚物から始まる理想郷  舞台は七月革命直後のパリ。冒頭に登場するのは小説家バルザック。名無しの貴婦人からのファンレターに鼻の下を伸ばす。いかにも「おフランス」な風景。ところが舞台は一気にパリの舞台裏、屎尿(………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年07月27日
[ジャンル]歴史 人文 社会

荒野の古本屋 [著]森岡督行/偶然の装丁家 [著]矢萩多聞

荒野の古本屋 [著]森岡督行/偶然の装丁家 [著]矢萩多聞

■生き方はそれぞれ、背中押すシリーズ  晶文社が一九八〇年代に刊行していた「就職しないで生きるには」と冠したシリーズの存在を知ったとき、すでに私は組織に属さずに生計を立てていた。もっと早く出会えていたら、どんなに心強か………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年07月06日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

性を超えるダンサー ディディ・ニニ・トウォ [著]福岡まどか [写真]古屋均

性を超えるダンサー ディディ・ニニ・トウォ [著]福岡まどか [写真]古屋均

■迫害の歴史とジャンルも超え  ガムランや影絵芝居など、インドネシアの伝統芸能は日本でもよく知られている。しかし現代のパフォーマーの活躍となるとどうだろう。  DVD付きの本書はディディ・ニニ・トウォという極めて稀有(………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年06月22日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

寄生虫なき病 [著]モイセズ・ベラスケス=マノフ

寄生虫なき病 [著]モイセズ・ベラスケス=マノフ

■腸内微生物、退治が招く諸症状  寄生虫を身体に入れ、自己免疫疾患やアレルギー疾患を治す。一見突飛(とっぴ)に思える方法を入り口に、アトピーやぜんそく、膠原病(こうげんびょう)、がん、うつ病など文明病といわれる病の原因………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年06月08日
[ジャンル]医学・福祉

日本人は、どんな肉を喰ってきたのか? [著]田中康弘

日本人は、どんな肉を喰ってきたのか? [著]田中康弘

■多様な狩猟、共に食べて考える  長年秋田県のマタギの取材をしてきた写真家が、南は西表島から北は礼文島まで、各地に息づく狩猟を取材し、獲(と)れた獣肉を猟師と共に喰(く)う。  狩猟と一口に言っても、地域の気候や地形、………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年06月01日
[ジャンル]社会

ドレス・アフター・ドレス―クローゼットから始まる冒険 [著]中村和恵

ドレス・アフター・ドレス―クローゼットから始まる冒険 [著]中村和恵

■素敵で深い「着ること」の裏側  何を着るか。ずっと考え続けてきた。うきうき楽しく選んだり、何を着ていいのかわからなくて深刻に迷ったり。服が大好きで、憎い。  纏(まと)うことの楽しさと不自由さはどこから来るのか。ファ………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年05月25日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

尼のような子 [著]少年アヤ

尼のような子 [著]少年アヤ

■残酷な客観視に光る美しい隠喩  ブログで人気を博した著者の初単行本。身体は男であるけれど、自我は男でもなく女でもなく、可愛くて綺麗(きれい)なものが大好きなのに、自分の容姿に自信がない。性体験もない。勇気を振り絞って………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年05月18日
[ジャンル]文芸

長女たち [著]篠田節子

長女たち [著]篠田節子

■娘に降りかかる看取りの理不尽  やっぱり最後に頼りになるのは実の娘。娘に看取(みと)られたい。高齢者どころか、四十代の友人までもが平然と口にする。とりわけ長女にかけられる期待は大きい。  三つの中編作品に登場する長女………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年04月27日
[ジャンル]文芸

書庫を建てる 1万冊の本を収める狭小住宅プロジェクト [著]松原隆一郎・堀部安嗣

書庫を建てる 1万冊の本を収める狭小住宅プロジェクト [著]松原隆一郎・堀部安嗣

■守り継ぐ、先祖が生きた証しも  狭い空間をいかにうまく使って大量の蔵書を収め、使い勝手の良い書斎を作るか。タイトルと副題から、そういった工夫を開陳する内容なのだと思っていた。  冒頭から良い意味で裏切られた。施主であ………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年04月20日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

教授と少女と錬金術師 [著]金城孝祐

教授と少女と錬金術師 [著]金城孝祐

■ギャグか耽美かフェチか?  実に奇妙な読書体験だった。あらすじは、ちゃんとある。主人公は、油脂の研究を志す薬学部の大学院生。親戚が薬局をしていた店舗を借りて、調剤室で食用油を精製し、こっそり小金を稼いでいる。そこに指………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年04月13日
[ジャンル]文芸

人間と動物の病気を一緒にみる—医療を変える汎動物学の発想 [著]バーバラ・N・ホロウィッツ キャスリン・バウアーズ

人間と動物の病気を一緒にみる—医療を変える汎動物学の発想 [著]バーバラ・N・ホロウィッツ キャスリン・バウアーズ

■疾病の治療・予防に新たな展開  がんや心臓病、性感染症、自傷行為や摂食障害など、人間だけが罹(かか)ると思いがちの、病気、実は多くの動物も罹患(りかん)したり、よく似た症状を見せるという。乳がんに罹るジャガー、捕獲の………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年03月30日
[ジャンル]科学・生物

0葬——あっさり死ぬ [著]島田裕巳

0葬——あっさり死ぬ [著]島田裕巳

■究極の葬送法で軽やかな気分に  我々は生命維持に必要であるよりもずっと大量の生物を犠牲にし、摂取し生きている。飽食の果ての最期くらいは、適(かな)うならば山野で人知れず鳥獣に食い荒らされ虫に喰(く)われ腐敗し土に還(………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年03月16日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

木材と文明 [著]ヨアヒム・ラートカウ

木材と文明 [著]ヨアヒム・ラートカウ

■人は森とどう付き合ってきたか  木材や森林のことというと、読む前から何が書いてあるのか、なんとなく想像をつけてしまう。緑豊かに茂る葉や腐葉土の役割。多様な生物。木材加工の伝統技術。もしくは熱帯雨林の乱伐や酸性雨による………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年02月23日
[ジャンル]社会

父の戒名をつけてみました [著]朝山実

父の戒名をつけてみました [著]朝山実

■周辺事情もぬかりなく調査を  現代の日本人はどう葬送されるのがいいのか。熱心な仏教徒である場合を除き、多くの人がお寺に払う葬儀費用を「妥当」とは思っていない。かといってその場で強く主張できるほどの知識も興味もないし、………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年02月16日
[ジャンル]人文

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