角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)の書評

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角幡唯介 (ノンフィクション作家・探検家)
1976年北海道生まれ。早大探検部OB。朝日新聞退社後に踏査して執筆した『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』で、開高健ノンフィクション賞、大宅賞、梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞。著書に『雪男は向こうからやって来た』(新田次郎文学賞)など。

ナチュラル・ナビゲーション―道具を使わずに旅をする方法 [著]トリスタン・グーリー

ナチュラル・ナビゲーション―道具を使わずに旅をする方法 [著]トリスタン・グーリー

■自然の摂理、理解するための知恵  最近の探検界では現代機器に頼らず自然物を利用して旅をするのが好まれている。有名なポリネシア人の伝統航海術のように、機械化される以前の人類が保持していた身体知を駆使することで、現代人が………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2014年02月09日
[ジャンル]社会

失われた名前―サルとともに生きた少女の真実の物語 [著]マリーナ・チャップマン

失われた名前―サルとともに生きた少女の真実の物語 [著]マリーナ・チャップマン

■互いが慈しみあう生活を求めて  英国に住む今は平凡な主婦となった女性の回想録だが、内容は驚愕(きょうがく)の一言に尽きる。  マリーナ・チャップマンは自分が出生時に何と名付けられたのか知らない。名前だけでなく生まれた………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2014年02月02日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

あかんやつら―東映京都撮影所血風録 [著]春日太一

あかんやつら―東映京都撮影所血風録 [著]春日太一

■底抜けに痛快、豪傑映画人たち  血風録という芝居がかった副題と、表紙の写真に使われた犬吠埼の派手に砕け散る白波が内容をよく表している。本書は65年に及ぶ太秦の東映京都撮影所の歴史を綴(つづ)ったものだが、著者の狙い通………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2014年01月12日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

そして最後にヒトが残った [著]クライブ・フィンレイソン

そして最後にヒトが残った [著]クライブ・フィンレイソン

■もうひとつの人類、なぜ絶滅したのか  ネアンデルタール人と聞くだけで心が動かされるのはなぜだろう。たぶん気づかないうちに想像してしまうのだ。我々の他に高い知能をもつ人類が生きていた、その時代の、その風景のことを。  ………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2013年12月22日
[ジャンル]科学・生物

「アルプ」の時代 [著]山口耀久

「アルプ」の時代 [著]山口耀久

■心の対話表現した山岳文芸誌  串田孫一、尾崎喜八、深田久弥、畦地梅太郎、辻まこと……。かつて名だたる文人、詩人、岳人が寄稿した「アルプ」という山岳文芸誌があった。1983年の廃刊時には一般紙が大きく扱うほどファンが多………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2013年11月24日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

哲学者が走る [著]マーク・ローランズ

哲学者が走る [著]マーク・ローランズ

■生きることの意味どこに  印象的だったのは、トルストイが『懺悔(ざんげ)』で書いたという心の動揺だ。財産があるからといってどうした? 有名になったからといってどうなる? 子孫の幸福を願うのはなぜだ? この三つの質問に………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2013年11月17日
[ジャンル]人文

ビルマ・ハイウェイ―中国とインドをつなぐ十字路 [著]タンミンウー

ビルマ・ハイウェイ―中国とインドをつなぐ十字路 [著]タンミンウー

■辺境の変化、歴史掘り起こし報告  中国とインドの国境近くの峡谷を探検したことがある。最初は98年。粗末なあばら家が並び、人々は火縄銃で猟をしていた。ところが5年後になると高速道路みたいな立派な道路が延び、その7年後に………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2013年11月10日
[ジャンル]歴史

流星ひとつ [著]沢木耕太郎

流星ひとつ [著]沢木耕太郎

■行間に思い広がる、人間・藤圭子の姿  先日自殺した藤圭子。本書は作家の沢木耕太郎氏がかなり前に、彼女に対して行ったインタビューをもとに書かれた作品だ。  ことの起こりは34年前。当時、人気の頂点を極めた歌手の藤圭子が………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2013年11月03日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

マチュピチュ探検記―天空都市の謎を解く [著]マーク・アダムス

マチュピチュ探検記―天空都市の謎を解く [著]マーク・アダムス

■漂う熱気、発見者の足跡たどる  広大な荒野を苦労して旅しても面白い物語を書くことは難しい。危機一髪の出来事なんてそうはないし、単調な風景をだらだら記述しても退屈なだけだ。だからこうした探検記には、自分の旅にその土地の………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2013年09月29日
[ジャンル]国際

血盟団事件 [著]中島岳志

血盟団事件 [著]中島岳志

■独善に傾いた正義、内部から覗き見る  冒頭から一気に引き込まれた。話は五・一五事件で元陸軍軍人の西田税を狙撃した血盟団員・川崎長光へのインタビューから始まる。血盟団事件の関係者が存命していたことにまず驚いたし、本人を………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2013年09月15日
[ジャンル]歴史

チャイルド・オブ・ゴッド [著]コーマック・マッカーシー

チャイルド・オブ・ゴッド [著]コーマック・マッカーシー

■善悪超えたその先にあること  1960年代に米国で実際に起きた事件をもとにした連続殺人犯の物語だ。レスター・バラードは父親が自殺し、母親が他の男と駆け落ちする悲惨な家庭環境に育ち、幼い頃から残忍な性向が顕著で周囲の人………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2013年09月08日
[ジャンル]文芸

神の島 沖ノ島 [著]藤原新也、安部龍太郎

神の島 沖ノ島 [著]藤原新也、安部龍太郎

■写真と文章で味わう神秘の地  びっくりしたという意味では近年まれに見る本だ。本書は写真家の藤原新也氏と作家の安部龍太郎氏が、玄界灘のど真ん中に浮かぶ沖ノ島を訪ねた時の写真と文章をまとめた大型本だが、こんな島が日本に残………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2013年07月28日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

友罪 [著]薬丸岳

友罪 [著]薬丸岳

■友達が、あの少年犯罪の犯人?  重い課題を突きつけられて思わず言葉を失った。  ある町工場に益田と鈴木という2人の若者が同時に入社する。鈴木には独特の近づきにくさがあり誰も彼とは打ち解けない。だが1人、益田だけは鈴木………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2013年07月07日
[ジャンル]文芸

脊梁山脈 [著]須藤靖 乙川優三郎

脊梁山脈 [著]須藤靖 乙川優三郎

■国や民族揺さぶる木地師の系譜  日本の山中にはかつて木地師という集団がいた。轆轤(ろくろ)を回して木でお椀(わん)やこけしを作り、良材を求めて山中を漂泊していた人たちだ。  第2次大戦後に中国から復員する主人公がその………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2013年06月30日
[ジャンル]歴史 文芸

海を渡った人類の遥かな歴史―名もなき古代の海洋民はいかに航海したのか [著]ブライアン・フェイガン

海を渡った人類の遥かな歴史―名もなき古代の海洋民はいかに航海したのか [著]ブライアン・フェイガン

■冒険性を否定する、人と海との親密さ  人間の住む世界から遠く離れた北極の氷の中や太平洋に浮かぶ孤島を訪ねた時、いつも考えることがあった。はるか昔、何千、何万年という昔に、海図も六分儀もないのに、ここまで来た人たちがい………[もっと読む]

[評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
[掲載]2013年06月23日
[ジャンル]歴史

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