隈研吾(建築家・東京大学教授)の書評

写真:隈研吾さん

隈研吾 (建築家・東京大学教授)
1954年横浜市生まれ。建築では「森舞台」(日本建築学会賞)「根津美術館」(毎日芸術賞)、「梼原・木橋ミュージアム」(芸術選奨文部科学大臣賞)など。新しい歌舞伎座も手がける。著書に『反オブジェクト』『自然な建築』、共著に『日本人はどう住まうべきか?』など。

ル・コルビュジエ 生政治としてのユルバニスム [著]八束はじめ

ル・コルビュジエ 生政治としてのユルバニスム [著]八束はじめ

■反転する地域主義と普遍主義  モダニズム建築の「神様」としてたてまつられてきたル・コルビュジエが、フーコー的な権力分析の手法によって、見事なまでに解体され、裸にされた。  従来のコルビュジエ評価は二分される。19世紀………[もっと読む]

[評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)
[掲載]2014年03月23日
[ジャンル]政治 人文

父 吉田健一 [著]吉田暁子

父 吉田健一 [著]吉田暁子

■悲しみに縁どられ、より輝く  吉田健一の娘・暁子による父が描かれる。われわれの知らない父・健一の新しい顔が見えたというより、父の文学自体が、少し違ったニュアンスを帯びて見えてくるような新鮮さがあった。  吉田の文学に………[もっと読む]

[評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)
[掲載]2014年03月02日
[ジャンル]人文

シェアをデザインする [編著]猪熊純・成瀬友梨・門脇耕三

シェアをデザインする [編著]猪熊純・成瀬友梨・門脇耕三

■私有からの転換、日本に好機  私有からシェアへという、パラダイム転換が、今、あらゆる領域、あらゆる場所で話題になっている。その転換で、われわれの生活、社会はどう変わるのか。実践者たちの声を通じて、その実体が、具体的に………[もっと読む]

[評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)
[掲載]2014年02月23日
[ジャンル]社会

日本インテリアデザイン史 [著]鈴木紀慶・今村創平

日本インテリアデザイン史 [著]鈴木紀慶・今村創平

■闘争から離れ、浮遊する美しさ  現在日本のインテリアデザインは、その質とユニークさにおいて、世界でもトップのレベルにある。しかし、今まで、その包括的な歴史をカバーする書物がなかった。その意味で本書は画期的であり、その………[もっと読む]

[評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)
[掲載]2014年02月16日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

銀座にはなぜ超高層ビルがないのか [著]竹沢えり子

銀座にはなぜ超高層ビルがないのか [著]竹沢えり子

■場所の文化、どうやって守るか  銀座のど真ん中で、つい最近、こんなバトルがあった。大手ディべロッパー対銀座の旦那衆のバトルである。  実は、その裏に、今日の世界を二分する大きな対立、分裂がひそんでいる。銀座は、一種の………[もっと読む]

[評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)
[掲載]2014年01月26日
[ジャンル]社会

福島第一原発観光地化計画 [編]東浩紀

福島第一原発観光地化計画 [編]東浩紀

■「ここにあるもの」と向き合う  表紙を見ただけで時代の大きな転換を感じずにいられなかった。震災、原発事故で大きなダメージを受けた福島をテーマにした本が、これほどに派手で、サブカル系ムックを思わせる表紙をまとったことに………[もっと読む]

[評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)
[掲載]2014年01月19日
[ジャンル]社会

歌舞伎座五代―木挽町風雲録 [著]石山俊彦

歌舞伎座五代―木挽町風雲録 [著]石山俊彦

■国家背負った大劇場の歴史  まず江戸時代以来、「歌舞伎座」という名の大劇場が、脈々と伝統を継承してきた、という誤解が解かれる。第1代歌舞伎座(明治22年)以前は、小さな芝居小屋たちが盛衰を繰り返していた。  外国通の………[もっと読む]

[評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)
[掲載]2014年01月12日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能

HELLO WORLD―「デザイン」が私たちに必要な理由 [著]アリス・ローソーン

HELLO WORLD―「デザイン」が私たちに必要な理由 [著]アリス・ローソーン

■消費して生きるという原罪性  デザインの現在がわかるだけでなく、時代の核に直接さわる臨場感、スピード感があった。今やデザインが、企業の命運だけでなく、時としてコミュニティーや国の未来を、決定し始めたからである。ジョブ………[もっと読む]

[評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)
[掲載]2013年12月22日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

イギリスに学ぶ商店街再生計画 [著]足立基浩

イギリスに学ぶ商店街再生計画 [著]足立基浩

■車依存の郊外居住から転換  シャッター通りを甦(よみがえ)らせ、中心市街地を再生させることが、今後の政治・経済の最重要課題である。日本においてのみならず、世界において、危急である。なぜなら、街の中心に人々を呼び戻すこ………[もっと読む]

[評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)
[掲載]2013年11月10日
[ジャンル]経済 社会

匠たちの名旅館 [著]稲葉なおと

匠たちの名旅館 [著]稲葉なおと

■信頼が生んだ木造建築の奇跡  日本にこんな宿が残っているということ自体が、一種の奇跡と思えてきた。建築デザイン上の共通点も列挙できる。天井の低さ、柱の細さ、屋根の薄さ、木材の吟味が、美しさに直結している。しかしそれ以………[もっと読む]

[評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)
[掲載]2013年11月03日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

海外で建築を仕事にする―世界はチャンスで満たされている [編著]前田茂樹

海外で建築を仕事にする―世界はチャンスで満たされている [編著]前田茂樹

■ジリ貧日本から飛び出す若者  これは現在の「出稼ぎ物語」である。  かつて東北の貧しい農村の人々が、豊かな都市へと働きに出ることを「出稼ぎ」と呼んだ。東北の人たちは働き者で、能力は高く、しかも実直であった。この本に登………[もっと読む]

[評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)
[掲載]2013年10月06日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 国際

縄文人に学ぶ [著]上田篤

縄文人に学ぶ [著]上田篤

■時代ごとのユートピアを映す  われわれは、第2次大戦後2回目の「縄文ブーム」の中にいる。1回目は1960年代で、中心人物は岡本太郎。2回目は、90年代以降の「環境の時代」に呼応する形で盛り上がった。「環境にやさしい文………[もっと読む]

[評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)
[掲載]2013年09月08日
[ジャンル]歴史 社会

破局論 [著]飯島洋一

破局論 [著]飯島洋一

■近代の絶望からの逆説的救済  一言でいえば、近代とは、大地震と、大革命の「余震」を止めようがない、悲惨で不安定な時代であったと、著者は要約する。  ここでいう大地震とは1755年11月1日のリスボン地震のことである。………[もっと読む]

[評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)
[掲載]2013年09月01日
[ジャンル]歴史 社会

美味しい革命―アリス・ウォータースと〈シェ・パニース〉の人びと [著]トーマス・マクナミー

美味しい革命―アリス・ウォータースと〈シェ・パニース〉の人びと [著]トーマス・マクナミー

■食を通じて学校教育にも影響  20世紀後半のアメリカ西海岸は、「革命」の大産地であった。「美味(おい)しい革命」は、そのひとつである。20世紀工業化社会は食の領域においても、人間を大いに抑圧した。大量生産、平準化の原………[もっと読む]

[評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)
[掲載]2013年08月25日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

歌舞伎座界隈 [著]藤田三男

歌舞伎座界隈 [著]藤田三男

■下町の「失われた時を求めて」  下町とは何かと考えさせられた。そして東京にとって、下町はどのような役割をはたしてきたのか。さらに歌舞伎座にとって、日本文化にとって、下町とは何だったのだろうかと、考えが、ひろがった。 ………[もっと読む]

[評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)
[掲載]2013年08月11日
[ジャンル]社会

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