三浦しをん(作家)の書評

写真:三浦しをんさん

三浦しをん (作家)
1976年東京都生まれ。2000年『格闘する者に○(まる)』でデビュー。2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、2012年『舟を編む』で本屋大賞受賞。小説に『風が強く吹いている』『仏果を得ず』『神去なあなあ日常』など、エッセーに『お友だちからお願いします』などがある。

ハトはなぜ首を振って歩くのか [著]藤田祐樹

ハトはなぜ首を振って歩くのか [著]藤田祐樹

■鳥とヒト、それぞれの二足歩行  駅前や公園で、「ぐるっぽぐるっぽ」とぼやきながらたむろしている。首のあたりがぎらついている。そして、その首を振って歩く。私はやつらがやや苦手だ。やつら——そう、ハト。  苦手な理由はま………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2015年06月28日
[ジャンル]科学・生物

古地図に憑かれた男ー史上最大の古地図盗難事件の真実 [著]マイケル・ブランディング

古地図に憑かれた男ー史上最大の古地図盗難事件の真実 [著]マイケル・ブランディング

■空白地帯からの甘美な呼び声  アメリカ人のエドワード・フォーブス・スマイリーは、コレクターに古地図を販売する業者だった。ところが実際は、図書館から古地図を盗み、正規のルートで入手したふりをして売りさばいていたのだ。彼………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2015年06月14日
[ジャンル]文芸

ナチスと精神分析官 [著]ジャック・エル=ハイ

ナチスと精神分析官 [著]ジャック・エル=ハイ

■なぜ悪を為すのか、重い問い  1945年、ニュルンベルク裁判にかけられる直前のナチス高官たちを、刑務所内で診察した精神科医がいた。アメリカ人のダグラス・マクグラシャン・ケリーだ。本書は、ケリーの人生を追ったノンフィク………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2015年05月31日
[ジャンル]文芸

日本の官能小説―性表現はどう深化したか [著] 永田守弘

日本の官能小説―性表現はどう深化したか [著] 永田守弘

■戦後社会見わたす格好の手引書  終戦直後から現在までのあいだに、官能小説はどのような変遷をたどってきたのか。官能表現の進化および深化、読者の好みの変化、さまざまな作家の持ち味や魅力を紹介する本。  実際に多数の作品の………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2015年05月24日
[ジャンル]文芸 人文 ノンフィクション・評伝

天上の虹—全23巻 [作]里中満智子

天上の虹—全23巻 [作]里中満智子

■愛や苦悩、古代の人々と交感  小学生のころから愛読しつづけてきた漫画『天上の虹』が、このたびめでたく、連載開始から三十年以上かけて、二十三巻で完結した。  主人公は、飛鳥時代の女帝・持統天皇だ。天智天皇の娘であり、天………[もっと読む]

[評者]コミック
[掲載]2015年05月03日

誰をも少し好きになる日—眼めくり忘備録 [著]鬼海弘雄

誰をも少し好きになる日—眼めくり忘備録 [著]鬼海弘雄

■ひとの根源に光を当てる魔法  シャッターを押せば、私でも写真は撮れる。しかし、「真実を写す」ことはできない。写真家・鬼海弘雄氏の作品を目にするたび、本当の意味での「写真」とはなんなのかが感受される。氏の写真には、圧倒………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2015年04月26日
[ジャンル]社会

恋するソマリア [著]高野秀行

恋するソマリア [著]高野秀行

■異文化と通じた瞬間、深い喜び  アフリカ東部のソマリア連邦共和国は、無政府状態が二十年以上つづき、「ソマリランド」「プントランド」「南部ソマリア」に分裂していた(現在も、ソマリランドは事実上独立国家らしい)。いずれも………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2015年04月19日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

新種の冒険―びっくり生きもの100種の図鑑 [著]クエンティン・ウィーラー、サラ・ペナク

新種の冒険―びっくり生きもの100種の図鑑 [著]クエンティン・ウィーラー、サラ・ペナク

■すごい星に生まれたものだ  過去十年間に発見され命名された生き物の新種は、二十万種(!)ほどいるのだそうだ。そのなかから百種を選び、生態や命名の由来などを丁寧に解説してくれる本。  掲載された写真が美麗で、迫力がある………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2015年03月29日
[ジャンル]科学・生物

人の心は読めるか? [著]ニコラス・エプリー

人の心は読めるか? [著]ニコラス・エプリー

■「わかったつもり」に陥らない  私たちはふだん、相手のことも自分のこともなんとなくわかったつもりで、会話したり生活したりしている。たまに誤解が発覚し、喧嘩(けんか)になる。「わかったつもり」の規模が大きくなれば、戦争………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2015年03月15日
[ジャンル]人文

昭和の結婚 [編]小泉和子

昭和の結婚 [編]小泉和子

■制度や法律が及ぼす影響  結婚式や婚礼衣裳(いしょう)は、戦前・戦中・戦後でどう変遷したのか。戦前の農村では、どういう結婚が多かったのかなど、結婚にまつわるあれこれについて、多角的に検証し紹介した本。  超豪華な嫁入………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2015年02月08日
[ジャンル]人文

追跡・沖縄の枯れ葉剤-埋もれた戦争犯罪を掘り起こす [著]ジョン・ミッチェル

追跡・沖縄の枯れ葉剤-埋もれた戦争犯罪を掘り起こす [著]ジョン・ミッチェル

■綿密な調査に基づく告発  枯れ葉剤が入っているとみられるドラム缶が、腐食した状態で、2013年に沖縄市のサッカー場から大量に発掘された。ベトナム戦争で米軍が使用した枯れ葉剤は、基地のある沖縄にも運びこまれていたらしい………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2015年02月01日
[ジャンル]政治 社会

人喰いの社会史―カンニバリズムの語りと異文化共存 [著]弘末雅士

人喰いの社会史―カンニバリズムの語りと異文化共存 [著]弘末雅士

■現実に影響及ぼす「物語」の機能  本書は、「人間は(中略)人喰(く)い話が好きである」という文章ではじまる。ぎくり。ひとを食べたいとも、ひとに食べられたいとも思っていないはずなのに、私もまんまと、カンニバリズム(食人………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2015年01月18日
[ジャンル]人文

見てしまう人びと―幻覚の脳科学 [著]オリヴァー・サックス

見てしまう人びと―幻覚の脳科学 [著]オリヴァー・サックス

■なにが「現実」か、脳の不思議  多くのひとが、自分の目は現実に存在するもののみを映しだしている、と信じている。ところが実際は、かなり多くのひとが「幻覚」を見ているらしい。本書では主に、当人も幻覚(や幻聴や幻肢〈げんし………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2015年01月11日
[ジャンル]科学・生物

人間、やっぱり情でんなぁ [著]竹本住大夫

人間、やっぱり情でんなぁ [著]竹本住大夫

■人間の真実詰まった文楽を体現  文楽(人形浄瑠璃)は、江戸時代の大坂で生まれ、現在まで上演されつづけている芸能だ。大夫、三味線、人形遣いの三業から成り、物語を通して、人間関係の複雑な情感を描きだす。現代人が見ても心を………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2014年12月07日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

電氣ホテル [著]吉田篤弘

電氣ホテル [著]吉田篤弘

■世界の深淵に触れる予言の書  これほどあらすじの説明が困難な小説はない。巻末の「登場人物名鑑」には、70人が載っている。本文は226ページほどなので、平均すると約3ページに1回、新たな人物(駱駝〈らくだ〉や猿も含む)………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2014年11月23日
[ジャンル]文芸

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