水野和夫(日本大学教授・経済学)の書評

写真:水野和夫さん

水野和夫 (日本大学教授・経済学)
1953年愛知県生まれ。金融の現場に長く身を置き、文化的・歴史的な視点から経済の大きな流れを分析。著書に『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』『終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか』など。『超マクロ展望 世界経済の真実』は萱野稔人氏との共著。

幻想のジャンヌ・ダルク——中世の想像力と社会 [著]コレット・ボーヌ

幻想のジャンヌ・ダルク——中世の想像力と社会 [著]コレット・ボーヌ

■中世の終わりを刻印した乙女  1430年5月、ジャンヌ・ダルクは仏コンピエーニュ郊外でイギリス=ブルゴーニュ派の手に落ち、翌年5月、英国支配下の仏ルーアンで異端裁判を受け火刑に処された。しかし、その後も生存説が信じら………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2014年06月15日
[ジャンル]歴史 社会

人類5万年 文明の興亡―なぜ西洋が世界を支配しているのか [著]イアン・モリス

人類5万年 文明の興亡―なぜ西洋が世界を支配しているのか [著]イアン・モリス

■決め手は、時々の地理的条件  英国の歴史学者ホブズボームは20世紀を「極端な世紀」と名付け、「8千年の歴史の終わり」と位置付けたが、本書を読むと前世紀は「狂気の世紀」だと思えるし、人類に100年後の未来はあるのかと不………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2014年06月08日
[ジャンル]歴史

世界の見方の転換 [著]山本義隆

世界の見方の転換 [著]山本義隆

■近代科学が開いた「無限成長」への道  経済学を専門とする評者が、なぜ近代科学の道を開いたコペルニクスやケプラーらを扱った本書を取り上げるのか。2001年の9・11(米国同時多発テロ)や11年の3・11による東京電力福………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2014年05月25日
[ジャンル]科学・生物

人口の世界史 [著]マッシモ・リヴィ‐バッチ

人口の世界史 [著]マッシモ・リヴィ‐バッチ

■繁栄、安定、安全に迫る危機  人口の増減が経済・社会に与える影響を述べた書は数多(あまた)あるが、「人間の歴史を通して、人口は繁栄、安定、安全と同義だった」と書き出す本書は、人口増減の理由を根源的に問い、人口現象の「………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2014年05月04日
[ジャンル]社会

革命と反動の図像学 一八四八年、メディアと風景 [著]小倉孝誠

革命と反動の図像学 一八四八年、メディアと風景 [著]小倉孝誠

■19世紀の民衆は「英雄」か「蛮族」か  もし、タイムマシンがあって一度だけ過去に連れ戻してくれるのなら、迷わず、1789年のフランス革命から1870年の普仏戦争までを選ぶ。本書とも重なるこの約80年間を、スイスの美術………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2014年04月13日
[ジャンル]歴史 社会

1971年 市場化とネット化の紀元 [著]土谷英夫

1971年 市場化とネット化の紀元 [著]土谷英夫

■ドルが動き、すべてが動いた  つくづく「グローバル化には明確な定義はない」(『グローバル・トランスフォーメーションズ』D・ヘルド他編)と思う。定義がないから必然でもあるし、そうでもない。本書は必然の立場にたち、後者の………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2014年03月30日
[ジャンル]IT・コンピューター 社会

グローバリゼーション・パラドクス―世界経済の未来を決める三つの道 [著]ダニ・ロドリック

グローバリゼーション・パラドクス―世界経済の未来を決める三つの道 [著]ダニ・ロドリック

■破綻した「信じがたい仮説」  先日、米連邦準備制度理事会が公開した2008年の議事録によれば、金融グローバリゼーション推進の舵(かじ)取りを任されていたバーナンキ議長(当時)はリーマン・ショックの翌日、金融政策を決定………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2014年03月02日
[ジャンル]経済 国際

科学VS.キリスト教―世界史の転換 [著]岡崎勝世

科学VS.キリスト教―世界史の転換 [著]岡崎勝世

■真実追究に命賭けたロマン  既存の価値観を変える意識革命は一人の天才によってなし遂げられるものではない。本書は17世紀の「科学革命」から「博物学の世紀」(18世紀)に至るまで、多くの天才がいかにして「世界(宇宙を含む………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2014年02月16日
[ジャンル]人文 科学・生物 新書

デモクラシーの生と死(上・下) [著]ジョン・キーン

デモクラシーの生と死(上・下) [著]ジョン・キーン

■証拠を突きつけ、過去の常識覆す  本書を読むと、古代・中世・近代を区分することになんの意味があるのか、そうすることで歴史の水面下で脈々と過去を未来につなげようとする人々のダイナミックな動きを抹消してしまうのではと強く………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2014年02月02日
[ジャンル]政治 社会 ノンフィクション・評伝

遠い鏡―災厄の14世紀ヨーロッパ [著]バーバラ・W・タックマン

遠い鏡―災厄の14世紀ヨーロッパ [著]バーバラ・W・タックマン

■怒りと不安の中、準備された未来  「遠い鏡」こそが現在を映し出す。本書を読むと、いま起きている問題は、14世紀に端を発した矛盾が、姿・かたち・役者を変えて噴出したもので、人間の「強欲さ」は変わらないということがよくわ………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2014年01月12日
[ジャンル]歴史 社会

近代世界システム4―中道自由主義の勝利―1789−1914 [著]I・ウォーラーステイン

近代世界システム4―中道自由主義の勝利―1789−1914 [著]I・ウォーラーステイン

■真骨頂の「自由貿易は保護主義」  「長い16世紀」を扱った1巻刊行が1974年、やっと待望の4巻が出た。本書ではフランス革命の衝撃を吸収する過程である「長い19世紀」(1789〜1914年)を扱い、「世界帝国」から「………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年12月22日
[ジャンル]歴史 国際

箱根駅伝 青春群像 [著]佐藤三武朗

箱根駅伝 青春群像 [著]佐藤三武朗

■「日本精神」凝縮した総合芸術  「箱根駅伝」が、あと3週間足らずでやってくる。たとえ贔屓(ひいき)の大学がなくても、観(み)入ってしまうのはなぜだろう。そんな疑問に明快に答えを出してくれるのが本書だ。  箱根駅伝に参………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年12月15日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

罪人を召し出せ [著]ヒラリー・マンテル

罪人を召し出せ [著]ヒラリー・マンテル

■危機的状況に断を下す者描く  時はF・ブローデルのいう「長い16世紀」(1450〜1640年)の真っ只(ただ)中、1535年9月の不気味な鷹(たか)狩りに始まってイングランド王妃アン・ブーリンが斬首刑に処せられる翌年………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年12月01日
[ジャンル]文芸

ビスマルク(上・下) [著]ジョナサン・スタインバーグ

ビスマルク(上・下) [著]ジョナサン・スタインバーグ

■大帝国を育んだ天才性と悪魔性  鉄血宰相オットー・フォン・ビスマルクには、様々な冠がつく。「天才」「レアルポリティークの実践者」といった好意的なものから、平気で恩人を裏切ることから「冷徹、冷酷」、原理原則をもたない「………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年11月17日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

科学と人間―科学が社会にできること [著]佐藤文隆/科学者が人間であること [著]中村桂子

科学と人間―科学が社会にできること [著]佐藤文隆/科学者が人間であること [著]中村桂子

■数値化が進める近代文明の落日  この2冊は、どちらも科学がますます専門化そして数値化することに対する警告の書である。日本を代表する量子力学の第一人者・佐藤と「生命誌」を提唱する生命科学者・中村から奇(く)しくも同じタ………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年10月20日
[ジャンル]科学・生物

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