佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)の書評

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佐倉統 (東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
さくら・おさむ。1960年東京都生まれ。進化生物学を軸に、生物学史、科学技術論、科学コミュニケーション論を専門とする。著書に『現代思想としての環境問題』『進化論の挑戦』『進化論という考えかた』『「便利」は人を不幸にする』など。

生命、エネルギー、進化 [著]ニック・レーン

生命、エネルギー、進化 [著]ニック・レーン

■科学の力強さ、ストレートに  ここ数年、いや10年間に読んだ中で、科学のおもしろさと力強さをもっともストレートに伝えてくれる本だ。  生命の起源とその複雑化の過程について、現在わかる範囲でのもっとも具体的かつ詳細な解………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年12月11日
[ジャンル]科学・生物

ヒトラーと物理学者たち―科学が国家に仕えるとき [著]フィリップ・ボール

ヒトラーと物理学者たち―科学が国家に仕えるとき [著]フィリップ・ボール

■改めて問われる研究者の政治観  戦争における科学者の社会的責任は何か? この古くて新しい課題を、ヒトラー政権下でドイツの物理学者たちがどのように活動したかを題材として、綿密かつ明快に解き明かす。  著者は、科学雑誌『………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年11月13日
[ジャンル]歴史 政治 科学・生物

外来種は本当に悪者か?新しい野生 THE NEW WILD [著]フレッド・ピアス [訳]藤井留美

外来種は本当に悪者か?新しい野生 THE NEW WILD [著]フレッド・ピアス [訳]藤井留美

■絶賛と否定、評価割れる話題作  すでに多くの書評が出て、ネット上でもなにかと話題の本である。評価は絶賛と全否定と、真っ二つに分かれている。ここではそれを踏まえて、論じたい。  本書の内容は以下の通りだ。自然保護運動で………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年10月23日
[ジャンル]科学・生物 社会

ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす―ビッグデータの残酷な現実 [著]C・ラダー

ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす―ビッグデータの残酷な現実 [著]C・ラダー

 著者は出会いサイトの運営者、邦題は安っぽいハウツー本のようとくれば、いかがわしい本と思われるかもしれないが、あにはからんや、中身はいたって真っ当なデータサイエンスの入門書だ。統計や手法の詳細には触れられていないが、ほと………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年10月09日
[ジャンル]科学・生物

文字を作る仕事 [著]鳥海修

文字を作る仕事 [著]鳥海修

 爽涼たる書体(フォント)デザイナー鳥海修の半自伝。ヒラギノや游書体を作った人だ。いずれも、すっきりとしていて読みやすく、それでいて心に刻み込まれる書体である。怜悧(れいり)にして清澄な湧き水を連想させる。  鳥海は、文………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年09月11日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 IT・コンピューター

世界の不思議な音 [著]トレヴァー・コックス

世界の不思議な音 [著]トレヴァー・コックス

■「理」と「情」で解き明かす音文化  〈音〉を言葉で説明するのは難しい。自然の音や楽音はさまざまな情感を呼び起こすから論理的に解説しづらく、いきおい、情感と理屈のバランスが取りにくくなる。だがこの本は、音について語ると………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年08月14日
[ジャンル]人文 科学・生物

未確認動物UMAを科学する [著]D・ロクストン、D・R・プロセロ

未確認動物UMAを科学する [著]D・ロクストン、D・R・プロセロ

■“それ”を見させるものは何か?  雪男。ネッシー。一度でいいから見てみたい。考えただけでワクワクしてくる。だが残念なことに、どちらもこの世には存在しない。目撃談はたくさんあるが、信頼できる証拠は皆無だ。  本書は、未………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年07月24日
[ジャンル]人文

科学の発見 [著]スティーヴン・ワインバーグ 科学の経済学 [著]ポーラ・ステファン 科学の曲がり角 [著]フィン・オーセルー

科学の発見 [著]スティーヴン・ワインバーグ 科学の経済学 [著]ポーラ・ステファン 科学の曲がり角 [著]フィン・オーセルー

■「科学とは何か?」への挑戦  科学とは何か? それはどのように発展し、その知識にはどのような特徴があるのか?  ノーベル物理学賞を受賞したワインバーグは、科学知識そのものに注目し、いわば科学を「内側」から眺めてその軌………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年07月03日
[ジャンル]科学・生物

明治のワーグナー・ブーム―近代日本の音楽移転 [著]竹中亨

明治のワーグナー・ブーム―近代日本の音楽移転 [著]竹中亨

 クラシック音楽は好きだがワーグナーは苦手で、2番目に嫌いな作曲家だ。それが明治時代後半に大ブームになっていたという。その理由やいかに?が本書のテーマだが、ワーグナーの出番はごくわずか。むしろ、西洋音楽導入に格闘した明治………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年06月26日

3.11 震災は日本を変えたのか [著]リチャード・J・サミュエルズ

3.11 震災は日本を変えたのか [著]リチャード・J・サミュエルズ

■「現状維持」で良いはずがない  3・11は日本をほとんど変えなかった——これが著者の結論である。  希代の日本ウォッチャーが、日英両語の膨大な資料を渉猟し、国防、エネルギー政策、地方自治の三領域について、透徹した分析………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年05月29日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

気まぐれコンセプト 完全版 [著]ホイチョイ・プロダクションズ

気まぐれコンセプト 完全版 [著]ホイチョイ・プロダクションズ

■変わらぬ欲望と時代性で35年  懐かしい。連載開始は1981年、今も続いている名物4コマ漫画の集大成。  1980年代といえば日本経済はまだ右肩上がりで、とくに後半はバブル華やかなりしころである。そんな中、ひときわ浮………[もっと読む]

[評者]コミック
[掲載]2016年05月01日

フィールドサイエンティスト 地域環境学という発想 [著]佐藤哲

フィールドサイエンティスト 地域環境学という発想 [著]佐藤哲

■社会への貢献を模索する科学  科学は、科学者の知的好奇心を原動力として発展してきた。たとえばガリレオは望遠鏡を空に向けて木星の衛星を発見したし、ニュートンはリンゴが木から落ちるのを不思議に思って万有引力を発見したとさ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年04月17日
[ジャンル]科学・生物

グッド・フライト、グッド・ナイト [著]マーク・ヴァンホーナッカー

グッド・フライト、グッド・ナイト [著]マーク・ヴァンホーナッカー

■非日常の空間、淡く美しき世界  飛行機に乗る前は、いつもちょっとわくわくする。非日常的な空間に浸る楽しみが待っているからだ。  ぼくはこんな月並みで無粋な表現しかできないが、747のパイロットである著者は五感をフルに………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年03月27日
[ジャンル]人文

曝された生 チェルノブイリ後の生物学的市民 [著]アドリアナ・ペトリーナ

曝された生 チェルノブイリ後の生物学的市民 [著]アドリアナ・ペトリーナ

■知識が生きる力に 福島との共通点も  ぼくたちが大規模な災害の被害者となったとき、生活再建の拠(よ)り所(どころ)になる/なれるのは、何だろう。国か自治体か、地域の共同体か専門家か、はたまた事故の責任者か自分自身か。………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年03月13日
[ジャンル]科学・生物 社会

アンドロイドは人間になれるか [著]石黒浩

アンドロイドは人間になれるか [著]石黒浩

■ロボットと「交流」、自ら実験台  石黒浩は型破りの研究者だ。マツコ・デラックスのそっくりロボット製作者として御存知(ごぞんじ)の方も多いかもしれない。あれが彼のやり方である。人間そっくりのロボット(ジェミノイド)を作………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年02月14日
[ジャンル]社会

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